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高い・低い─のカン違い  [それ、ウソです]

 それ、ウソです(5) 

 高い・低い─のカン違い


 これらの人々の健診結果と、全体の健診結果で得られた年齢別のデータ曲線を照合すると、男女差はあるが収縮期血圧(低い方の血圧値)、ヘモグロビン(貧血の指標)、総タンパク(栄養などの指標)、尿素チッ素(腎臓機能の指標)などの数値が、年齢との関連性が強く、肥満度やコレステロール値などの影響が少ないことが分かった。(毎日新聞1990年1月22日家庭欄「若く見える人 老けて見える人」)

 同じ年齢でも若く見える人と、老けて見える人がいる。

 それは血圧やヘモグロビン、総タンパク、尿素チッ素などとの関連が強く、肥満やコレステロールの影響は少ない──という、日本医大第二内科の福生吉裕講師(当時。現・博慈会老人病研究所 所長)らが、成人病学会で発表した興味深い研究内容を伝える記事のポイント部分だ。

「これらの人々」というのは、地域の集団健診を受けた30~80歳の882人(男298人、女584人)。

 健診時に医師、看護師、検査技師の計10人が、対象者一人ひとりの見かけの年齢を即座に判断し、実際の年齢との差をチェック。

 3人以上が、実年齢よりも10歳以上老けていると判断した人を「老け群」、逆に10歳以上若いと判断した人を「若作り群」に分けた。

 結果、老け群は男=20人、女=8人、若作り群は男=6人、女=8人。

 老け群は30代に多く、若作り群は男性では高齢者に多くみられ、女性では中年に多かった。

 ──で、この後に続くのが冒頭の引用文だ。

 老けて見えたり、若く見えたりするのに強い関連性があるのは、血圧、貧血、総タンパク、腎臓機能で、

「例えば年齢と共に高くなる収縮期血圧でみると、男の老け群は実年齢の平均値より8歳高い数値を示し、若作り群では14・6歳若いという数値が出た」。

 収縮期血圧は、心臓が収縮して血液を全身に送り出したときの血圧。

 反対に心臓が拡張して血液が心臓に戻ってくるときが、拡張期血圧=低い方の血圧だ。

 血圧が高いと、年齢まで高く見えるというわけだが、それにしても、「収縮期血圧(低い方の血圧値)」とは、なんと幼稚な間違いをしたものだと思っていたら、翌日、訂正記事が出た。

 22日「若く見える人・老けて見える人」の記事中、「収縮期血圧(低い方の血圧値)」は、(高い方の血圧値)の誤りでした。

 お粗末なカン違いを書いた記者も、それを見逃した校閲記者も、ずいぶん血圧が上がったことだろう。
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