たばこ誤飲に牛乳は、ダメ! [それ、ウソです]
それ、ウソです(16)
たばこ誤飲に牛乳は、ダメ!
赤ちゃんがタバコを食べた! と気がついたら、ニコチンによる中毒症状を起こす前に、ただちに食べたタバコを体外に出すようにしなくてはなりません。口の中に残っているタバコのカスを取り除き、牛乳を二、三本飲ませて吐かせます。(溝田弘著『さぁ大変!の医学』=ごま書房刊)
この助言の大きな間違いは、「牛乳を二、三本飲ませ」ること。
牛乳を飲ませてはいけない。
かえってニコチンの吸収を早めるからだ。
もちろん、水もよくない。
何も飲ませず、赤ちゃんののどに指を差し入れて…と、専門家は教えている。
たばこに含まれるニコチンは、けいれん、呼吸困難などの中毒症状を起こす。
大人は40~60㍉㌘(紙巻たばこ2~3本分)、幼児は10~20㍉㌘(同0.5~1本分)が致死量とされる。
子どもがたばこを誤飲したら、鼻から管を入れて洗浄液を流し込み、吸引する胃洗浄が行われることが多い。
が、ほとんど場合、その必要はなく、子どもに重い負担をかけるだけだといわれる。
20年ほど前、日本小児科学会は、胃洗浄の必要性を論議する検討委員会を設けた。
委員の山中龍宏医師らが調べたところ、たばこからニコチンが溶け出すには時間がかかるうえ、胃液のような酸性液の中では吸収がゆっくり進む。
吸収されても、ニコチンの嘔吐(おうと)
反射で吐き出してしまうため重症になることはまれで、たばこの誤飲が原因の死亡例の報告もないことがわかった。
このため、紙巻たばこの場合、誤飲量が2㌢以下であることが確認できれば、指を乳児ののどに入れて吐かせるだけで十分と判断した。
飲んだ量が不明でも中毒症状(嘔吐、よだれの増加、呼吸切迫、けいれんなど)が出ていなければ同じ処置でよく、4時間たっても症状がでなければ問題ない。
「ニコチンの吸収を早めるので、水や牛乳は飲ませてはいけない。たばこの成分が溶け出した水溶液を飲んだり、中毒症状が出た場合は、胃洗浄が必要」と山中先生は話している(毎日新聞1998年3月5日)。
乳児の誤飲の全責任は保護者にある。
厚生労働省の「家庭用品にかかわる健康被害報告」によると、子どもが家庭内で起こす誤飲事故の半数は、たばこだ。
お父さん(もしかしたら、お母さんも?)、気をつけてください!
ついでのひとこと。
食べてはいけない物を口に入れて、飲み込んでしまう「誤飲」に対して、食べ物や飲み物が気道のほうへ入ってしまうことを「誤嚥」(ごえん)といいます。
つまり危険な物が消化器に入るのが誤飲で、食べた物が呼吸器に入るのが誤嚥です。
新聞用語では「嚥下(えんか、えんげ)」を「のみ込む、のみ下ろす」と書き換えるのが普通なので、誤飲と誤嚥が混同されることがあります。
お年寄りや脳卒中の後遺症のある人などは、誤嚥しやすい。
それがもとで肺炎を起こすことが多い。「誤嚥性肺炎」です。
もうひとつ、ひとこと。
きょうは、世界禁煙デーです。
たばこ誤飲に牛乳は、ダメ!
赤ちゃんがタバコを食べた! と気がついたら、ニコチンによる中毒症状を起こす前に、ただちに食べたタバコを体外に出すようにしなくてはなりません。口の中に残っているタバコのカスを取り除き、牛乳を二、三本飲ませて吐かせます。(溝田弘著『さぁ大変!の医学』=ごま書房刊)
この助言の大きな間違いは、「牛乳を二、三本飲ませ」ること。
牛乳を飲ませてはいけない。
かえってニコチンの吸収を早めるからだ。
もちろん、水もよくない。
何も飲ませず、赤ちゃんののどに指を差し入れて…と、専門家は教えている。
たばこに含まれるニコチンは、けいれん、呼吸困難などの中毒症状を起こす。
大人は40~60㍉㌘(紙巻たばこ2~3本分)、幼児は10~20㍉㌘(同0.5~1本分)が致死量とされる。
子どもがたばこを誤飲したら、鼻から管を入れて洗浄液を流し込み、吸引する胃洗浄が行われることが多い。
が、ほとんど場合、その必要はなく、子どもに重い負担をかけるだけだといわれる。
20年ほど前、日本小児科学会は、胃洗浄の必要性を論議する検討委員会を設けた。
委員の山中龍宏医師らが調べたところ、たばこからニコチンが溶け出すには時間がかかるうえ、胃液のような酸性液の中では吸収がゆっくり進む。
吸収されても、ニコチンの嘔吐(おうと)
反射で吐き出してしまうため重症になることはまれで、たばこの誤飲が原因の死亡例の報告もないことがわかった。
このため、紙巻たばこの場合、誤飲量が2㌢以下であることが確認できれば、指を乳児ののどに入れて吐かせるだけで十分と判断した。
飲んだ量が不明でも中毒症状(嘔吐、よだれの増加、呼吸切迫、けいれんなど)が出ていなければ同じ処置でよく、4時間たっても症状がでなければ問題ない。
「ニコチンの吸収を早めるので、水や牛乳は飲ませてはいけない。たばこの成分が溶け出した水溶液を飲んだり、中毒症状が出た場合は、胃洗浄が必要」と山中先生は話している(毎日新聞1998年3月5日)。
乳児の誤飲の全責任は保護者にある。
厚生労働省の「家庭用品にかかわる健康被害報告」によると、子どもが家庭内で起こす誤飲事故の半数は、たばこだ。
お父さん(もしかしたら、お母さんも?)、気をつけてください!
ついでのひとこと。
食べてはいけない物を口に入れて、飲み込んでしまう「誤飲」に対して、食べ物や飲み物が気道のほうへ入ってしまうことを「誤嚥」(ごえん)といいます。
つまり危険な物が消化器に入るのが誤飲で、食べた物が呼吸器に入るのが誤嚥です。
新聞用語では「嚥下(えんか、えんげ)」を「のみ込む、のみ下ろす」と書き換えるのが普通なので、誤飲と誤嚥が混同されることがあります。
お年寄りや脳卒中の後遺症のある人などは、誤嚥しやすい。
それがもとで肺炎を起こすことが多い。「誤嚥性肺炎」です。
もうひとつ、ひとこと。
きょうは、世界禁煙デーです。
2015-05-31 07:50
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