SSブログ

片頭痛の一知半解  [それ、ウソです]

 それ、ウソです(18)

 片頭痛の一知半解
 

 へんずつう【偏頭痛・片頭痛】頭の片側だけに局限された激しい発作性の頭痛。(『広辞苑』第六版)。


 片頭痛の専門医によると、『広辞苑』のこの記述は、まったくの誤解ではないが、正解でもない。 

 一知半解といったところらしい。

 じつは筆者も、清水俊彦・東京女子医大脳神経センター講師の話を聞くまでは、広辞苑並みの知識しかもっていなかった。

 そのときのやりとりの一部を引用する。

 清水 片頭痛って、どんな頭痛だと思いますか?

 ──文字どおり頭の片側がズキン、ズキンと痛くなる頭痛だ、と。

 清水 ほとんどの人がそう答えます。

 「片頭痛を一言で述べなさい」という問題を出すと、医学生ですら、「頭の片側だけに生じる頭痛」などと書きます。

 しかし、片頭痛は、頭の片側だけではなく、両側でも起こるし、痛む部位があちこち変わることもあるのです。(雑誌『壮快』2008年6月号「名医に聞く」)

 頭痛は、CTやMRIなどで検査をしても異常が見つからない(言い換えると、特定の病気を原因としない)「一次性頭痛」と、クモ膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎、高血圧、急性緑内障、パニック障害など、ある病気の症状として起こる「二次性頭痛」に分けられる。

 一次性頭痛には片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛の3種類があり、まとめて慢性頭痛と呼ばれる。

「ところが、日本の現状を申し上げると、一般の開業医の先生は、片頭痛と緊張型頭痛をほとんど間違って診断されています」と清水講師は話した。

 それもまぁ無理はないかと思う。

 というのは、日本の医師に最も多く用いられている医学辞典にも、こうあるからだ。

「片頭痛 頭の片側に限局して、発作的に頭痛が起こるものをいう。─以下略」(『医学大辞典』南山堂刊)

 もっとも、別の医学辞典には、

「片頭痛 発作性、反復性に起こる頭痛で、部位は頭痛発作の初発時には片側性のことが多く─以下略」(『医学大辞典』医歯薬出版刊)と、正解に近い記述がみられる。

『広辞苑』はこちらも参照して、

「多くのばあい頭の片側に生じるが、両側が痛むこともある」とでもすればよかったのかもしれない。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。