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大ヤブ女医の妄言 [それ、ウソです]

 それ、ウソです(50)  

 大ヤブ女医の妄言


 「あなたの症状では、うちの病院でもう対応できません」(「がんを知る」=朝日新聞2011年10月25日朝刊)

 がんの放射線治療を特集した紙面の別項目(患者の体験談のコラム)の冒頭に出てくる医師のことばである。

 そのあと、記事は、こう続く──、

 2009年7月、自宅から近い東京都内の大学病院。

 女性医師は、淡々とした口調で前立腺がんを告知した。

 転移はなかったが腫瘍が大きく、手の施しようがないという。

 他の施設で治療の継続を希望したが、医師は「紹介できる病院はない」と言うだけだった。──以下、略──。

 前立腺がん患者会「TOMOの会」幹事の辻聡さん(78)の体験である。

 読んで、おどろき、あきれ、怒りを禁じ得なかった。

 辻さんは、その3カ月前の検診で、前立腺がんの腫瘍マーカー「PSA」の値が正常値を大きく上回っていることがわかり、この大学病院で精密検査を受けた。

 筆者(丸山)も、10年余にわたる前立腺がんの患者である。

 がんが見つかったのは、辻さんよりも10年前の1999年10月で、そのときのPSA値は超ビックリの241!(正常値は4以下)、がんが前立腺の被膜に浸潤したステージCと診断された。

 記事中の辻さんの「症状」とほぼ同じか、それ以上だったと思う。

 だが、「手の施しようがない」などとは言われなかった。

 がんが前立腺内に限局しているステージAかBだったら、根治手術の適応だが、ステージCの手術成績はあまりよくないから─と、ホルモン療法(前立腺がんを増殖させる男性ホルモンのテストステロンの産生を抑える治療法)を受けることになった。

 ひと昔前でさえ、そうした治療が普通に行われていたのである。

 なのに、現在の大学病院で「うちの病院ではもう対応できません」とは、どういうことか?

「手の施しようがない」「紹介できる病院もない」とは、なんたる言い草か!

 どこの大学病院かは知らないが、そんなことがあるわけがない。

「私には対応できません」「私は、紹介できる病院を知りません」という自分の無能、無知を「うちの病院」にすり替えたのだろう。

 こんな非人間的なヤブ医者の妄言を受け入れていたら、命がいくつあっても足りない。

 辻さんは、インターネットで、放射線治療の新装置「トモセラピー」を備えた病院を探し当て、治療を受けて、すっかり軽快。

 「今では週1回、社交ダンスで、(TOMOの会の)仲間と共に汗を流すのが生きがいだ」という。

 つくづく「医者を選ぶのも寿命のうち」だと思わされる。

 トモセラピーというのは、強度変調放射線治療(IMRT)と呼ばれる照射装置の一つ。

 前立腺のように周囲にさまざまな臓器(尿道、直腸、膀胱など)が入り組んでいる部位のがんには、放射線を一方向から照射する定位放射線治療は不向きなので、放射線を複数の方向から凹凸状に照射し、がんに当てるIMRTが開発されて、08年からは健保適用になっている。

 丸山も、ホルモン療法のあと、IMRTの簡易版のような画像誘導照射法(IGRT)を06年に受けて、がんはほとんど消滅。

 いまも毎日1時間のウォーキング(後ろ歩き500メートルつき)を欠かさない。

 PRになって恐縮ですが、そんなあれやこれやは、拙著『「がん」はいい病気』に詳述──。
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