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3D映像の危険性 [それ、ウソです]

 それ、ウソです(59)

 3D映像の危険性

 企業や関係団体でつくる3Dコンソーシウム(3DC)などは、視聴者、映像制作者、製造者それぞれに快適な視聴のための安全ガイドラインを作成。(朝日新聞2011年11月7日「体とこころの通信簿」3Dで疲れ目)

 なんだか重箱の隅を楊枝でつつくみたいだが、朝日には珍しい誤植を見つけた。

 「コンソーシウム」は「コンソーシアム」だろう。

 コンソーシアム【consortium】①協会。組合。多く、特定の目的のために集まった企業連合をいう。②国際借款団。発展途上国への経済援助についての調整を行うために、先進工業諸国の政府や銀行が設ける機関・会議。─と『広辞苑』にはある。

 「3DC」のコンソーシアムは、むろん①のほうだ。

 ─というところで、3D(三次元)映像のしくみ、危険性について、専門家の解説をご紹介しよう。

 人間の右目と左目それぞれに映る映像は、左右数センチの視点の分だけ異なる。

 このわずかなズレ(両眼視差)によって、脳は、ものの立体感や遠近感を認知している。

 言い換えると、右目、左目それぞれでとらえた2D(二次元)の視覚情報を、脳内で3Dに変換して外界を知覚している。

 3D映像のしくみは、この「目で見て、脳で描く」という特性を利用し、左右の目に映る画像を微妙にズラした画面をつくる。

 それを専用眼鏡で見ると、脳の中で画像が融合して、物体が飛び出したり引っ込んだりする。

 当初はアトラクション系の飛び出し画像が中心だったが、最近は画面より奥行き方向に展開する引っ込み画像のものがふえてきた。

 飛び出し画像は、右目の画像は画面の左、左目の画像は画面の右に投影されるため、目は、普通のテレビや映画の2D映像を見るときより内に寄せた状態(寄り目)になる。

 一方、引っ込み画像の場合は、目は、2D画像を見るときより外寄りになる。つまり、3D映像を見るときは、目の寄せ方が異なる。

 2D視覚情報を脳内で3Dに変換し、物を立体的に見る力(立体視)は、生後、左右二つの目で物を見ているうちに発達する。

 立体視を含む両方の目で物を見る機能(両眼視機能)は、6歳くらいまでにほぼ完成する。

 この両眼視機能の発達期に、目の寄せ方が異なる(両眼を分離して見る)3D映像を見ると、素因のある子は、まれに斜視になる可能性がある。

 3D映画視聴後に斜視になった、飛び出す3D本で1カ月ばかり遊んでいたら複視(ものが二重に見える)になった──といった例があるそうだ。

 斜視の素因があっても問題が起きるのはごく一部で、素因のない子だったら問題はないのだが、3Dのガイドラインには「6歳以下の視聴には注意を要する」とある。

 斜視の素因があるかどうかは、眼科で検査してもらえばわかる。

 斜視の素因がなくても、左右の視力に大きな差がある(近視や遠視の度合いが左右で違う)人、複視の経験がある人、緑内障、白内障の人などは要注意。むろん、このことは子どもに限らない。

 幼い子どもが3D映像を見るときは、親が近くで様子を見て、異変があればすぐに止めること。

 以上、日本眼科学会・日本眼科医会合同プレスセミナー(講師=不二門尚・大阪大学大学院教授、半田知也・北里大学講師、原直人・神奈川歯科大学横浜クリニック医師)のレクチャーを要約した。
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