サーカな体温 [それ、ウソです]
それ、ウソです(61)
サーカな体温
人の体には概日リズムに従うものがたくさんあります。例えば、体温は朝方低く、夕方高くなるように変動します。(當瀬規嗣「真健康論」=毎日新聞2012年5月14日朝刊)
これをウソだというのはすこしきびしすぎるかもしれない。しかし、まったく正確だともいえない。
人間の体温は、1日のうちでも高くなったり低くなったり、いわゆる「日内変動」をする。
普通、朝起きたときの体温は低く、以後徐々に上昇して、午後1時~3時ごろに最高になる。
そのあと徐々に下がって、午前2時ごろ、つまり真夜中には最低になる。
健康な人の1日の最高と最低の体温の差は通常1℃以内である。
体温のみならず、人間の体のさまざまなはたらきは、約24時間を周期としたリズムで変化している。
そのリズムを「サーカディアンリズム(概日リズム)」という。サーカは「おおよそ」、ディアンは「1日」という意味のラテン語だそうだ。
夜になると眠くなり、朝がくると目が覚める。体温や血圧や脈拍は夜に低くなり、朝から昼下がりにかけて高くなる。
ホルモンには昼間に分泌がふえるものと、夜間にふえるものとがあり、それが逆転することはない。
そうした体のはたらきの規則性=生体リズムをつくりだし、コントロールするために、体のなかには「体内時計」と呼ばれるしくみがある。
地球は約24時間の周期で自転し、昼と夜とが交互に訪れる。
その地球の環境に適応するためにすべての動物、植物、ありとあらゆる生命が、約24時間の生体リズムをつくりだす体内時計をもっている。
地球上で生命が活動していくための基本的な機能である。
近年、この生体リズム、体内時計を、病気の治療や健康管理に応用する「時間医学」が注目を集めている。
時間医学の成果のひとつに「体内リズム服薬法」がある。
同じ薬を同じ量だけ使用しても、のむ時間によって薬の効きめがましたり、副作用が出にくくなったりする。
薬が効きやすい時刻をねらって投与することで、さまざまな病気に対する有効性が証明されている。
がん患者の生存率が顕著に改善したという報告もある。
病気の発症にもリズムがある。
心筋梗塞や脳梗塞などの血管の病気は、朝の8時~10時ごろ最も起こりやすく「魔の時間」といわれる。
それにはいくつもの悪条件が重なっている。
まず就寝中、意識されないまま汗をかき水分が失われ(不感蒸泄=ふかんじょうせつ)、血液が粘っこくなっているところへ、日中の活動に必要な血圧を上げるために血管がギュッと締まって細くなる。
血液が流れにくく、固まりやすい状態が生じる。
さらに悪いことに、体にはt‐PAという物質があり、固まった血液を溶かす作用をしているのだが、朝はそのはたらきが落ちる。
t‐PAを分解してしまう物質の分泌が早朝にふえるからだ。
で、朝は血液が固まりやすく、いったん固まると溶けにくくなる。
朝を健やかに迎える心得として、ぜひ実行していただきたいのが、夜寝る前と朝起きてすぐコップ1杯の水を飲むこと。
当方はそのとき一緒に血液さらさらサプリの「梅肉黒酢」を2粒ずつのんでいる。
夏場は脳梗塞、心筋梗塞の多発期である。
脳梗塞のタイプ別・月別発症数をみると、頭の中の太い動脈や頚(けい)動脈が詰まるアテローム血栓性梗塞が最も多いのが7月。気温が32℃を超えると急増している。
主な原因は脱水症状だ。
汗をかき、気づかないうちに体内の水分が不足し、血液の流れが悪化し、血管が詰まりやすくなる。
適切・適量の水分補給は、熱中症のみならず脳梗塞、心筋梗塞を防ぐためにも必須の心得である。
サーカな体温
人の体には概日リズムに従うものがたくさんあります。例えば、体温は朝方低く、夕方高くなるように変動します。(當瀬規嗣「真健康論」=毎日新聞2012年5月14日朝刊)
これをウソだというのはすこしきびしすぎるかもしれない。しかし、まったく正確だともいえない。
人間の体温は、1日のうちでも高くなったり低くなったり、いわゆる「日内変動」をする。
普通、朝起きたときの体温は低く、以後徐々に上昇して、午後1時~3時ごろに最高になる。
そのあと徐々に下がって、午前2時ごろ、つまり真夜中には最低になる。
健康な人の1日の最高と最低の体温の差は通常1℃以内である。
体温のみならず、人間の体のさまざまなはたらきは、約24時間を周期としたリズムで変化している。
そのリズムを「サーカディアンリズム(概日リズム)」という。サーカは「おおよそ」、ディアンは「1日」という意味のラテン語だそうだ。
夜になると眠くなり、朝がくると目が覚める。体温や血圧や脈拍は夜に低くなり、朝から昼下がりにかけて高くなる。
ホルモンには昼間に分泌がふえるものと、夜間にふえるものとがあり、それが逆転することはない。
そうした体のはたらきの規則性=生体リズムをつくりだし、コントロールするために、体のなかには「体内時計」と呼ばれるしくみがある。
地球は約24時間の周期で自転し、昼と夜とが交互に訪れる。
その地球の環境に適応するためにすべての動物、植物、ありとあらゆる生命が、約24時間の生体リズムをつくりだす体内時計をもっている。
地球上で生命が活動していくための基本的な機能である。
近年、この生体リズム、体内時計を、病気の治療や健康管理に応用する「時間医学」が注目を集めている。
時間医学の成果のひとつに「体内リズム服薬法」がある。
同じ薬を同じ量だけ使用しても、のむ時間によって薬の効きめがましたり、副作用が出にくくなったりする。
薬が効きやすい時刻をねらって投与することで、さまざまな病気に対する有効性が証明されている。
がん患者の生存率が顕著に改善したという報告もある。
病気の発症にもリズムがある。
心筋梗塞や脳梗塞などの血管の病気は、朝の8時~10時ごろ最も起こりやすく「魔の時間」といわれる。
それにはいくつもの悪条件が重なっている。
まず就寝中、意識されないまま汗をかき水分が失われ(不感蒸泄=ふかんじょうせつ)、血液が粘っこくなっているところへ、日中の活動に必要な血圧を上げるために血管がギュッと締まって細くなる。
血液が流れにくく、固まりやすい状態が生じる。
さらに悪いことに、体にはt‐PAという物質があり、固まった血液を溶かす作用をしているのだが、朝はそのはたらきが落ちる。
t‐PAを分解してしまう物質の分泌が早朝にふえるからだ。
で、朝は血液が固まりやすく、いったん固まると溶けにくくなる。
朝を健やかに迎える心得として、ぜひ実行していただきたいのが、夜寝る前と朝起きてすぐコップ1杯の水を飲むこと。
当方はそのとき一緒に血液さらさらサプリの「梅肉黒酢」を2粒ずつのんでいる。
夏場は脳梗塞、心筋梗塞の多発期である。
脳梗塞のタイプ別・月別発症数をみると、頭の中の太い動脈や頚(けい)動脈が詰まるアテローム血栓性梗塞が最も多いのが7月。気温が32℃を超えると急増している。
主な原因は脱水症状だ。
汗をかき、気づかないうちに体内の水分が不足し、血液の流れが悪化し、血管が詰まりやすくなる。
適切・適量の水分補給は、熱中症のみならず脳梗塞、心筋梗塞を防ぐためにも必須の心得である。
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