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眠って生きよう! [それ、ウソです]

 それ、ウソです(66)  

 眠って生きよう!

 だれだって毎日、寝ます。
 「寝ないと死ぬ」とよくいいますが、私は寝ないで死んだ人を見たことはありません。
 だって、それほどヒトはかならず寝ますからね。(養老孟司「養老先生のさかさま人間学」=毎日新聞2013年3月5日朝刊)

 養老先生ご自身は「寝ないで死んだ人を見たこと」がなく、生理学的事実としては「ヒトはかならず寝」るものであるのだろう。

 だが、しかし、世の中には、寝ないで=寝ることができず=死ぬ人がたくさんいる。

 人間社会の苛酷な現実は、学者先生の常識のようには甘くない。

 養老先生も「過労死}はご存じだろう。

 それこそが「寝ることができなかった」人の最悪の結末にほかならない。

 過労死─。正式な病名ではない。

 1970年代の初めから「勤労者の急死」を研究してきた、上畑鉄之丞・国立公衆衛生院成人病室長(当時)の造語である。

 いまでは「KAROSHI」として外国でも通用している。

『広辞苑』にも1991年の第四版から収載されていて、

「過度な仕事が原因の労働者の死亡。一九八○年代後半から一般化した語。」とある。

 発病から死亡までが24時間以内の病死を「突然死(英語ではサドンデス)」というが、過労死は、その原因が過労(蓄積疲労=翌日に持ち越される疲労)であること、発症から死亡までを24時間以内に限定しないこと。また、死亡に限らず、重度障害者としての生存者を含む点で、突然死と区別される。

 突然死の原因の大半は心筋梗塞と脳卒中だが、その背景にも過労の例が少なからずあるのではないか。

 労働医学では、1日の労働時間が10時間を超えると、職業性疲労を増し、慢性的な蓄積疲労を強めるとされている。

 その状態が続いていると1日ごとに心身のエントロピー(不可逆的な劣化現象)が増大し、その究極に過労死が待ち受けている。

 話は急に小さくなるが、小生は自分でもあきれるくらい仕事がのろい。

 おまけに怠けぐせもついている。

 したがって、シメキリという魔物にしばしば追われることになり、いよいよ切羽詰まると、おちおち昼寝などしていられない。

 狭苦しい仕事部屋で、もたもたパソコン労働をやっていると半徹夜になって、家の者から「あまり無理しないで…」などと言われたりもする。

 しかし思うに、人間、生きているということは、無理をするということではないのか。

 まったく何の無理もしないで生きていくなんて、よほどの「鈍感力」の達人でなければできぬ相談だろう。

 仕事には無理がつきものだと思う。

 とはいえ、むろんそれにも限度はある。

 無理に無理を重ねることを続けていると、体をこわし、その先にはすでに見たように致命的結末の過労死がひかえている。

「過労死は自己管理の問題」と言った人がいるそうだが、極言すればそのとおりだ。

 そのとおりではあるが、自己管理もへったくれもない状況の中で働いている─働かざるを得ない人があるのも、事実である。

 過労死を防ぐために勤労者本人ができることは、疲れたら休む、特に睡眠を十分とる、この一事につきる。

 繰り返すが、過労死すなわち睡眠不足(睡眠欠乏)死にほかならない。

 疲れたら休もう!

 勇気を出して休もう!

 毎日少なくとも6時間は眠ろう。

 仕事を「死ごと」にしてはならない。
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