タマネギの食べ方 [それ、ウソです]
それ、ウソです(68)
タマネギの食べ方
毎朝、タマネギをスライスして一五分間、空気にさらしてからしょうゆとマヨネーズをかけて食べてる。
これで血圧が下がった。八○%の人に効果あるらしい。
空気にさらさないといけない。
水で洗ってもダメ。
空気にさらすと酵素が発生して何かいいことが起こるんだ。(椎名誠著『どーしてこんなにうまいんだあ!』=マキノ出版刊)
テストステロンを保つにはどうしたらいいか。上げるにはどうしたらいいか。
──略──
食べ物で最近注目されているのは、タマネギです。
タマネギなどネギ類に含まれる含硫アミノ酸が、テストステロンの合成を誘導すると考えられています。
ただ、タマネギの中には、切って時間がたつと、含硫アミノ酸を分解してしまう酵素があります。
切ってすぐ加熱するか、生で食べるのがいいでしょう。(「名医に聞く LOH症候群 堀江重郎・順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学教授」=雑誌『壮快』2011年6月号)
椎名さんは、「スライスして一五分間、空気にさらさないといけない」と言っている。
堀江教授は、「切ってすぐ加熱するか、生で食べるのがいい」と言っている。
どちらが正しいのか?
どちらが「それ、ウソ」なのか?
その前に─、
タマネギで血圧が下がるというのは本当か?
テストステロン、LOH症候群とはなにか? について─。
作家の椎名誠さんの「ひどいときは上が200で下が100なんてこともあった」高血圧が、毎朝かならずオニオンスライスを食べる「タマネギバリバリ健康法」で下がり、安定した体験談は、『週刊文春』の連載エッセイ「風まかせ赤マント」でも語られている。(同誌2011年6月23日号)
テストステロンは、いわゆる男性ホルモンだが、年をとるのにつれてだんだん減ってくる。
そのためにいろいろな精神・身体症状が起こるのが、LOH症候群である。
LOHは、Late Onset Hypogonadismの略。
加齢による男性性腺機能低下という意味で、ひらたくいえば「男の更年期障害」である。
日本泌尿器科学会と日本メンズヘルス医学会が合同で作成した「LOH症候群診療の手引き」によると、血液中のテストステロン値が1㍉㍑中8.5ピコ㌘(1ピコ㌘=1兆分の1㌘)以下で、不安、イライラ、うつ、不眠、集中力や記憶力の低下、筋力低下、筋肉痛、疲労倦怠感、ほてり、発汗、頭痛、めまい、耳鳴り、頻尿、性機能低下(ED)といった心身両面の症状がみられる場合、LOH症候群と診断される。
堀江教授はこの診療ガイドライン(指針)作成委員の一人だった。
教授の言うように、タマネギに多く含まれる含硫アミノ酸はテストステロンを効果的にふやすが、包丁で切ると酵素アリナーゼが働いて含硫アミノ酸を分解してしまう。
半面、切って室温に放置しておくと、成分間の化学反応で、ニオイ物質のトリスルフィド類やセパエン類が生成される。
これらは血小板凝集抑制作用(血液サラサラ作用)や記憶障害改善作用を促し、抗酸化力にすぐれている。
椎名さんの言うように「いいことが起こる」。
つまりテストステロン増加作用は切ってすぐのほうが大きく、血液サラサラ効果は切ってしばらく放置したほうが大きい。
堀江説、椎名説、どちらも「それ、ホント」なのだ。
両方の効果を得るには、「タマネギの鬼皮を取り除いて丸ごと、電子レンジで約2分間加熱し、酵素アリナーゼを破壊するとよい」と“タマネギ博士”の西村弘行・元東海大学副学長は勧めている。
タマネギの食べ方
毎朝、タマネギをスライスして一五分間、空気にさらしてからしょうゆとマヨネーズをかけて食べてる。
これで血圧が下がった。八○%の人に効果あるらしい。
空気にさらさないといけない。
水で洗ってもダメ。
空気にさらすと酵素が発生して何かいいことが起こるんだ。(椎名誠著『どーしてこんなにうまいんだあ!』=マキノ出版刊)
テストステロンを保つにはどうしたらいいか。上げるにはどうしたらいいか。
──略──
食べ物で最近注目されているのは、タマネギです。
タマネギなどネギ類に含まれる含硫アミノ酸が、テストステロンの合成を誘導すると考えられています。
ただ、タマネギの中には、切って時間がたつと、含硫アミノ酸を分解してしまう酵素があります。
切ってすぐ加熱するか、生で食べるのがいいでしょう。(「名医に聞く LOH症候群 堀江重郎・順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学教授」=雑誌『壮快』2011年6月号)
椎名さんは、「スライスして一五分間、空気にさらさないといけない」と言っている。
堀江教授は、「切ってすぐ加熱するか、生で食べるのがいい」と言っている。
どちらが正しいのか?
どちらが「それ、ウソ」なのか?
その前に─、
タマネギで血圧が下がるというのは本当か?
テストステロン、LOH症候群とはなにか? について─。
作家の椎名誠さんの「ひどいときは上が200で下が100なんてこともあった」高血圧が、毎朝かならずオニオンスライスを食べる「タマネギバリバリ健康法」で下がり、安定した体験談は、『週刊文春』の連載エッセイ「風まかせ赤マント」でも語られている。(同誌2011年6月23日号)
テストステロンは、いわゆる男性ホルモンだが、年をとるのにつれてだんだん減ってくる。
そのためにいろいろな精神・身体症状が起こるのが、LOH症候群である。
LOHは、Late Onset Hypogonadismの略。
加齢による男性性腺機能低下という意味で、ひらたくいえば「男の更年期障害」である。
日本泌尿器科学会と日本メンズヘルス医学会が合同で作成した「LOH症候群診療の手引き」によると、血液中のテストステロン値が1㍉㍑中8.5ピコ㌘(1ピコ㌘=1兆分の1㌘)以下で、不安、イライラ、うつ、不眠、集中力や記憶力の低下、筋力低下、筋肉痛、疲労倦怠感、ほてり、発汗、頭痛、めまい、耳鳴り、頻尿、性機能低下(ED)といった心身両面の症状がみられる場合、LOH症候群と診断される。
堀江教授はこの診療ガイドライン(指針)作成委員の一人だった。
教授の言うように、タマネギに多く含まれる含硫アミノ酸はテストステロンを効果的にふやすが、包丁で切ると酵素アリナーゼが働いて含硫アミノ酸を分解してしまう。
半面、切って室温に放置しておくと、成分間の化学反応で、ニオイ物質のトリスルフィド類やセパエン類が生成される。
これらは血小板凝集抑制作用(血液サラサラ作用)や記憶障害改善作用を促し、抗酸化力にすぐれている。
椎名さんの言うように「いいことが起こる」。
つまりテストステロン増加作用は切ってすぐのほうが大きく、血液サラサラ効果は切ってしばらく放置したほうが大きい。
堀江説、椎名説、どちらも「それ、ホント」なのだ。
両方の効果を得るには、「タマネギの鬼皮を取り除いて丸ごと、電子レンジで約2分間加熱し、酵素アリナーゼを破壊するとよい」と“タマネギ博士”の西村弘行・元東海大学副学長は勧めている。
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