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〈おわび〉の検証 [それ、ウソです]

 それ、ウソです(84)

 〈おわび〉の検証

 今年2月、心臓の大動脈瘤が破裂。命の危険にさらされたが、奇跡的に助かった。ただ、後遺症で体の自由がきかなくなった。(「暗闇で協力 連帯感深める」=毎日新聞2014年8月6日)

 はて、「心臓の大動脈瘤(りゅう)」はおかしいだろう?

 それを言うなら「胸部大動脈瘤」だろうよ。心臓に大動脈なんてありゃせんがね。

 心臓を出たところから始まるのが大動脈でっせ、と、胸中つぶやいた。なぜか、どこかの方言で─。

 DIA(ダイアログ・イン・ザ・ダーク)というワークショップと、それを日本で運営するDIAジャパン代表の志村真介さん紹介の記事の一節である。

 そしたら,2日後の8月8日。

 〈おわび 6日「暗闇で協力 連帯感深める」の記事で、志村真介さんの病気について、「心臓の大動脈瘤が破裂」とあるのは「心血管系の病気」の誤りでした。また「後遺症で体の自由がきかなくなった」は誤りで削除します。おわびして訂正します。〉

 あ、そうですか。だけど心血管系の病気って、またずいぶんと幅の広い病名を持ってきたもんだね。

 それって、ちぃっとばかりギマン的じゃねぇ?

 なぜ「誤り」だったのか、わかりませんよ。

 だって、大動脈瘤の破裂も心血管系の病気の一つなんだから。

 心血管系の病気とは、心臓または血管に生じる病気の総称。

 心疾患(心臓の内部で起こる病気)と、血管疾患(心臓から出た全身の血管で起こる病気)に分けられる。

 心疾患は、不整脈(期外収縮、心房細動、心室細動など)、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、心臓弁膜症、心筋症(肥大型、拡張型)、心膜炎、心臓ぜんそく、心臓神経症その他さまざま…

 血管疾患は、以下のようにこれまたさまざまいっぱい……。

 動脈硬化症、大動脈瘤(胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤)、大動脈解離、解離性大動脈瘤、末梢動脈瘤、大動脈縮窄(しゅくさく)症、大動脈炎症候群(脈なし病、高安病)、動脈血栓症、動脈塞栓症、閉塞性動脈硬化症、バージャー病、レイノー病、動静脈瘻、下肢静脈瘤、深部静脈血栓症……などなど。

 とても一つひとつの病気について説明する紙幅はないが、たとえば、心房細動や心臓弁膜症などのため心臓でできた血栓が、脳の動脈に流れ込むと脳塞栓症(脳梗塞の一種)になる。

 長嶋茂雄さんの脳梗塞は心房細動が原因だった。

 心臓から全身に血液を送る大動脈の一部がこぶのように膨らむ大動脈瘤は、主に動脈硬化が原因とされ、60歳以上の男性に比較的多くみられる。

 できる場所は、心臓に近い胸部と、胸部と腹部にまたがる胸腹部、へそ周辺の腹部とがある。患者数は腹部が最も多い。

 ほとんどは無症状だが、腹部大動脈瘤は、へそのあたりに拍動する腫瘤を触れて発見されることが、ままある。

 胸部大動脈瘤は外からは触れない。

 健康診断などの胸部X線検査で疑われて、CTやMRI、大動脈造影で確定診断が行われる。

 発見が遅れて、こぶが破裂すると、致死率が非常に高い。

 淀川長治さんは胸部大動脈瘤破裂、司馬遼太郎さんは腹部大動脈瘤破裂で亡くなった。

 大動脈の壁の内側の膜に亀裂ができ、血液が流れ込み、内膜と外膜がはがれるのが、大動脈解離。

 解離した血管の一部がこぶ状になるのが、解離性大動脈瘤である。

 加藤茶さんは大動脈解離、野村克也さんは解離性大動脈瘤と報じられた。

 ところで、小生、先日「血液循環測定」というのを受けた。判定は「あなたの末梢血液循環機能は年齢に比べて非常に良好です」。これはもう多年愛用の「梅肉黒酢」の効果以外は考えられない。大々的感謝!
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