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最良長寿薬 [医学・医療・雑感小文]

 最良長寿薬

 日本人の寿命がまた延びた。

 厚生労働省が7月30日に発表した「簡易生命表」によれば、

 2014年の日本人女性の平均寿命は86.83歳、男性は80.50歳。

 いずれも過去最高を更新。

 女性は3年連続で世界一。男性は前年の世界4位から3位に上昇した。

 ちなみに上位5カ国・地域は、

 女性=①日本、②香港、③スペイン、④フランス、⑤韓国。

 男性=①香港、②アイスランド、③日本、③シンガポール、③スイス。

 1945(昭和20)年―太平洋戦争終結の年の日本人の平均寿命は、男性23.9歳、女性37.5歳だったといわれる。

 これは公的な統計ではなく、余りにも短命過ぎるので信憑性が疑われるが、ともあれ、この年の日本人の寿命が異常に短かったことに異論はないだろう。

 理由は言うまでもあるまい。戦争である。

 1932(昭和6)年の満州事変に始まり日中戦争、太平洋戦争へと発展した“15年戦争”のあいだ、中国大陸で、南方の島々や海で、多くの将兵が戦死し、戦病死した。

 沖縄は全住民を巻き込む戦場となった。

 広島と長崎には原子爆弾が投下された。

 東京が、大阪が、横浜が、名古屋が……国中の多くの市街が焦土と化した。

 おびただしい人びとが死んだ。殺されたのである。

 そのうえ物資と食糧が欠乏し、衛生状態が悪化し、栄養失調や病気による死者もふえた。

 結果があの短い平均寿命だ。

 戦争ほど国民の寿命を縮めるものはない。

 日本人の平均寿命が史上初めて60歳を超えたのは、1953(昭和28)年である。

 思うに、平和と豊かさほど、国民の健康と長寿に寄与するものはない。
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