夫を早死にさせる法 [医学・医療・雑感小文]
「夫を早く天国へ送る10ヵ条」を、栄養学の教授が教えている。
「あなたの夫は『妻なんて体のいい家政婦』ぐらいに考え、妻への思いやりなど、とうの昔にどこかに置き忘れてきたような男ではありませんか。
もしそうならば、そんな欠陥亭主はさっさとあの世へ送り込んで、あとは遺産と年金で気楽に暮らすという作戦はいかがでしょう。
その気がおありなら、次にあげる10カ条を実行してごらんなさい」
①夫を太らせなさい 肥満は確実に寿命を縮める。
②いつも座らせておきなさい 家では何もさせず、テレビ上座に据えておく。
運動をするなどと言い出したら、足腰をいためるのが心配だとか、あなたがいないと寂しいとか言って、やめさせる。
③酒をうんと飲ませなさい 毎晩うまいさかなをしこたま出し、優しく酌をし、飲みたいだけ飲ませる。
深夜に酔っ払って帰っても機嫌よく迎え、飲み直しをさせる。
④たばこを勧めなさい たばこが健康の最大の敵であるのは常識中の常識。
がん(肺、食道、膵臓、口腔、咽頭、喉頭、膀胱など)、COPD=慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎)、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)の喫煙三大疾患のみならず、胃・十二指腸潰瘍の誘因となり、目(加齢黄斑変性)や歯(歯周病)にもよくない。
たばこは未亡人志願者の最良の味方である。
⑤塩分の多い食物に慣れさせなさい 食塩のとりすぎは血圧を高くし、心臓や脳の血管にダメージを与え、胃や腎臓もいためる。
⑥脂肪をどっさり食べさせなさい
パンには分厚くバターを塗り、フライにできるものは決して焼いたり煮たりしない。
飽和脂肪酸の豊富な食物は血中コレステロールをふやし,動脈硬化を促進し、心臓病、脳卒中、糖尿病、大腸がん、前立腺がんの原因となる。
⑦コーヒーをがぶがぶ飲ませなさい 濃いコーヒーの飲み過ぎは胃によくない。不眠も招く。
⑧夜ふかしをさせなさい テレビの深夜番組や取っかえ引っかえ借りてきたDVDを一緒に見る。
夫が寝不足で出勤したあと、あなたはまたベッドにもぐり込めばよい。
⑨休暇旅行に行かせない 夫がストレスを解消するからだ。
⑩最後の仕上げに始終文句を言っていじめなさい これには金と子供のことが絶好の話題。
はたでくどくど愚痴られると夫の酒量はますますふえ、睡眠不足になり、血圧が上がる。
でも、あまりいじめ過ぎると、夫は憂さ晴らしに運動したり、やさしい相手を求めたりする。
経験に富む妻ならそこまで追い込まず、手加減しつつ効果を上げるこつを心得ているはず。
「この10ヵ条を励行すれば、あなたは殺人犯に問われることなく、それどころか、よそ目には愛情深い優しい妻とみられながら、イヤな夫とサヨナラできます」
─と、述べたあと、教授はこうつけ加えている。
「しかし、あなたが本当に夫を愛しているのなら、これと反対のことをすればよいのです。
そうすれば夫の寿命はぐんと延び、孫たちには大好きなおじいさんができ、あなたは子にも孫にも感謝されるでしょう」
筆者は、ハーバード大学のジーン・メイヤー教授(栄養学)。(『健康な生活を送るために』収載=リーダーズダイジェスト社1971年発行。要約・リライトした)。
つまり「夫を早死にさせる法」を裏返せば、「夫を長生きさせる法」になるという、これは逆説的養生訓だ。
ずいぶんカビくさい古本を引っ張り出してきたものだという声が聞こえてくるようだが、
ホモ・サピエンスの出現は20万年も前、50年やそこらで人間の体が変わるわけはなく、いまもリッパに通用する真理だろうと思う。対象が「夫」に限らないことは言うまでもない。
「あなたの夫は『妻なんて体のいい家政婦』ぐらいに考え、妻への思いやりなど、とうの昔にどこかに置き忘れてきたような男ではありませんか。
もしそうならば、そんな欠陥亭主はさっさとあの世へ送り込んで、あとは遺産と年金で気楽に暮らすという作戦はいかがでしょう。
その気がおありなら、次にあげる10カ条を実行してごらんなさい」
①夫を太らせなさい 肥満は確実に寿命を縮める。
②いつも座らせておきなさい 家では何もさせず、テレビ上座に据えておく。
運動をするなどと言い出したら、足腰をいためるのが心配だとか、あなたがいないと寂しいとか言って、やめさせる。
③酒をうんと飲ませなさい 毎晩うまいさかなをしこたま出し、優しく酌をし、飲みたいだけ飲ませる。
深夜に酔っ払って帰っても機嫌よく迎え、飲み直しをさせる。
④たばこを勧めなさい たばこが健康の最大の敵であるのは常識中の常識。
がん(肺、食道、膵臓、口腔、咽頭、喉頭、膀胱など)、COPD=慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎)、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)の喫煙三大疾患のみならず、胃・十二指腸潰瘍の誘因となり、目(加齢黄斑変性)や歯(歯周病)にもよくない。
たばこは未亡人志願者の最良の味方である。
⑤塩分の多い食物に慣れさせなさい 食塩のとりすぎは血圧を高くし、心臓や脳の血管にダメージを与え、胃や腎臓もいためる。
⑥脂肪をどっさり食べさせなさい
パンには分厚くバターを塗り、フライにできるものは決して焼いたり煮たりしない。
飽和脂肪酸の豊富な食物は血中コレステロールをふやし,動脈硬化を促進し、心臓病、脳卒中、糖尿病、大腸がん、前立腺がんの原因となる。
⑦コーヒーをがぶがぶ飲ませなさい 濃いコーヒーの飲み過ぎは胃によくない。不眠も招く。
⑧夜ふかしをさせなさい テレビの深夜番組や取っかえ引っかえ借りてきたDVDを一緒に見る。
夫が寝不足で出勤したあと、あなたはまたベッドにもぐり込めばよい。
⑨休暇旅行に行かせない 夫がストレスを解消するからだ。
⑩最後の仕上げに始終文句を言っていじめなさい これには金と子供のことが絶好の話題。
はたでくどくど愚痴られると夫の酒量はますますふえ、睡眠不足になり、血圧が上がる。
でも、あまりいじめ過ぎると、夫は憂さ晴らしに運動したり、やさしい相手を求めたりする。
経験に富む妻ならそこまで追い込まず、手加減しつつ効果を上げるこつを心得ているはず。
「この10ヵ条を励行すれば、あなたは殺人犯に問われることなく、それどころか、よそ目には愛情深い優しい妻とみられながら、イヤな夫とサヨナラできます」
─と、述べたあと、教授はこうつけ加えている。
「しかし、あなたが本当に夫を愛しているのなら、これと反対のことをすればよいのです。
そうすれば夫の寿命はぐんと延び、孫たちには大好きなおじいさんができ、あなたは子にも孫にも感謝されるでしょう」
筆者は、ハーバード大学のジーン・メイヤー教授(栄養学)。(『健康な生活を送るために』収載=リーダーズダイジェスト社1971年発行。要約・リライトした)。
つまり「夫を早死にさせる法」を裏返せば、「夫を長生きさせる法」になるという、これは逆説的養生訓だ。
ずいぶんカビくさい古本を引っ張り出してきたものだという声が聞こえてくるようだが、
ホモ・サピエンスの出現は20万年も前、50年やそこらで人間の体が変わるわけはなく、いまもリッパに通用する真理だろうと思う。対象が「夫」に限らないことは言うまでもない。
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