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ダニの話<Ⅰ> [雑感小文]

みそのダニ


 「塩こうじ」ブームに後押しされ、発酵食品が人気を集めている。

 手軽に作れる塩こうじや甘酒のほか、手間と時間のかかるみそやしょうゆを自宅でつくる人もいる。

 ──という記事を読んで、むかし、「ダニ学」の権威、佐々学・東大名誉教授に聞いた話を思い出した。

 東大医科学研究所所長、富山医科薬科大学学長などを歴任された佐々先生の医科研教授時代(だから、30数年前)の話だ。

 近ごろのみそにはダニがいなくなったと嘆いておられた。

 昔のみその中には必ずサトウダニがいた。

 「サトウダニは粗製の砂糖に多く繁殖し、時には1gに数百疋にも達する。

 また、ミソにはほとんど全例に検出され、従って日本人の糞便中によく見出され、Sarcoptes intestinalisともよばれた=佐々学著『人体病害動物学』医学書院1957年発行。

 そのダニが消えたのは、みそに防腐剤を使うようになったからだ。

 ダニのいるみそを何百年と食べ続けても、なんら健康被害は生じなかった。

 防腐剤を毎日、何年も食べさせられたらどうなるか? それはまだわかっていない。

 肝臓やられてバタバタいくなんてことが起こらねばいいが、と言われた。

 いま、台所をのぞいて、みその容器を見てみた。

 「防腐剤無添加。みそが生きているため、白いカビ状の酵母が発生したり、膨張することがありますが、中身は問題ありません」と記されてあった。

 家人によれば、いまのみそにはほとんど防腐剤は使われていない。

 保存料のアルコールも加えてないものが多いという。

 碩学の心配は杞憂に終わったようだ。

 よくは知らないが、専門家の指摘、賢い消費者の主張と、生産者の適切な対応があったのだろう。

 もし自家製のみそにダニがわいたとしても、目にはみえないし(サトウダニは体長0.3mm)、むろん心配ご無用である。

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