SSブログ

代用食の効用 [雑感小文]

代用食の効用

 毎年、8月15日の終戦記念日には、家族みんなで「すいとん」を食べることにしている栄養学者がおられた。

 すいとんは、戦後の食糧難時代の定番的な一品料理だった。

 すいとんのほか雑炊、麦めし、サツマイモ、ジャガイモ、カボチャなどもよく食べた。

 イモの葉も食った。

 米以外のそうした雑穀類の主食を、戦中戦後の一時期は「代用食」とも称したが、そのころの日本人には確実に少なかった病気と症状がある。

 糖尿病と、便秘だ。

 エネルギーの過剰摂取(食べ過ぎ)で起こる糖尿病が少なかったのは、当然だ。

 便秘を訴える人が少なかったのは、代用食には食物繊維が多く含まれていたからだろう。

 麦、サツマイモ、カボチャ、みんな食物繊維が多い。

 イモのつるに至っては約40%が繊維だ。草を食うようなものだった。

 アフリカのいくつかの部族は、1日130~150グラムの食物繊維を摂取している。

 彼らには大腸がんや糖尿病などの成人病はごくまれだ。

 そのことに着目した英国の研究者の提唱によって、世界的な食物繊維ブームが起こった。

 最新調査報告

 厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)によれば、食物繊維を多く食べる女性ほど脳卒中や狭心症、心筋梗塞などの循環器病のリスクが低いことがわかった。

 研究班は、岩手県などの45歳以上の男女8万7000人を、食物繊維の摂取量の少ない順に5グループに分け、約10年間、追跡調査した。

 結果、女性では、1日の食物繊維摂取量の推計が平均8グラムと一番少ないグループに比べ、摂取量が平均22グラムと一番多いグループは、循環器病の発症リスクが35ポイント低かった。

 男性でも、非喫煙者では同じ傾向が認められた。(喫煙者は、食物繊維を多くとっても、発症リスクの低下は認められなかった。つまり、たばこの害はそれほど大きいノダ!)

 海藻類に含まれる水溶性の食物繊維より、ゴボウなどに含まれる水に溶けない食物繊維の方がリスクを下げる効果が高いこともわかった。

 研究班の小久保喜弘・国立循環器病研究センター予防健診部医長は、

「水に溶けない食物繊維は、水分を吸って数倍に膨らみ、大腸の働きを促し、腸内細菌の環境を整え、血液が固まりやすくなる物質を減らしたり、炎症反応を抑えたりすると考えられる」と話している。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

即席めん半世紀リーダーの役目 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。