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リーダーの役目 [雑感小文]

「人間は新しいことをやるたびに失敗する。失敗に早く気がついて直すのが、賢い人間です」

 ──と話した人は、風土病や熱帯医学の研究で知られた佐々学先生。

 その好例として、パナマ運河を挙げた。

 スエズ運河の開通に成功したフランスのレセップスは、パナマ運河には見事に失敗した。

 原因はマラリアと黄熱病だった。

 そこでアメリカは、最初の2、3年は、蚊の駆除など衛生事業だけに取り組んだ。

 そして人間が住める環境を作ってから運河を掘り始めて、成功した。

「だから予防医学というのはペイする学問なのです」

 日本も最初はレセップスのわだちを踏んだ。

 ボルネオやラオスやアフリカに、国内の工事と同じような飯場を作って行った。

 マラリアにやられてバタバタ倒れた。

「そうなることは、専門家は知っていても、土建会社の社長さんはご存じなかった。

 だがそれがわかったら早く手を打てばいい。

 試行錯誤というやつで、トライして、小さいエラーのうちに直す。

 そうすればジグザグではあっても、進む方向は正しい。

 ジグザグの幅を極力狭くするのが、リーダーの役目です」

 佐々先生のこの言葉を、いま、この国のおえらい人たちに呈上したい。
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