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ふくらはぎ健康法 [医学・医療・雑感小文]

ふくらはぎ健康法

 年をとると血のめぐりが悪くなり、足腰が弱くなるが、なかでも、ふくらはぎの血液の循環が悪化する。

 それはふくらはぎの温度が下がるからだ。

 名古屋市立大医学部の蟹江良一医師はサーモグラフィ装置を使ってそのことを証明した。

 蟹江先生によると、成人では太ももの表と裏、すね、ふくらはぎの四つの部分の平均温度にはほとんど差がないが、高齢者はふくらはぎの温度が太ももより2度近くも低い。

 そのため足腰全体の血のめぐりが悪くなる。

 高齢者が足腰を強くするには、ふくらはぎを鍛える運動をすればよい。

 そうすると、ふくらはぎの温度が上がり、血流がよくなる。

 ふくらはぎを鍛えるためには、つま先立ち運動をゆっくり繰り返したり、寝床で足首の曲げ伸ばしをすると、効果的だという。

 このふくらはぎと、血液循環の関係に早くから注目して、ふくらはぎを中心とした理学療法を行っているのが、東京・六本木のイシカワ・クリニックの石川洋一院長だ

 ふくらはぎの血行は、全身の血液循環に関係がある。

 そのことに石川院長が気づいたのは、脱水患者の治療中だったそうだ。

 そのとき、石川医師は、体が弱って脱水症状を起こしていた患者の腕に点滴をしていた

 ところが、点滴がスムーズに落ちていかない。

 思案にくれて、なにげなく患者の足をさすってみた。

 と、ポタリ、ポタリと点滴液が落ち始めた。

 足をさすったことと、点滴となにか関係があるのだろうか。

 確認するため、大腿部、ひざと部位を変えてもんでみたところ、ふくらはぎが異常にかたくなっていることに気づいた。

 で、両足のふくらはぎをもんだり、さすったりしていると、青ざめていた患者の顔に赤みがさしてきて、点滴がさらにスムーズに落ち始めた。

 ふくらはぎをもむと、腕や顔の血行が促進されるようだった。

 以後、石川医師は、いろんな人のふくらはぎに関心をもち、観察を続けた。

 それでわかったのは、健康な人のふくらはぎは温かく、やわらかいが、病気の人のふくらはぎはかたくて、冷たいということだ。

 病気の人でも腎臓病ではかたくはないが、弾力がない。

 糖尿病の人のふくらはぎも、冷たく湿った感じで弾力がない。

 肝臓が悪いとやわらかすぎて抵抗感がないそうだ。

 石川医師の観察では、ふくらはぎのかたい人は肩こり、頭痛を訴えることが多く、血圧の高い人のふくらはぎも、全体にかたく締まっていた。

 そこで、高血圧の人のふくらはぎを丹念にもみほぐしたところ、最大血圧200以上あったものが、170まで下がった。

そういう例を数多く経験した。

 また、脳梗塞で倒れた男性を往診、病院へ運ぶ救急車に同乗し、患者に酸素吸入をしながら、ふくらはぎをずっともみ続けた。

 すると、病院に着く直前に意識を取り戻し、数日後退院できた。

 そのほか、肝臓や胃腸などの病気にも効果がある、と石川医師。

 やり方は簡単で、うつぶせに寝た患者のふくらはぎを両手でつかみもみし、もみほぐす。

 これを毎日やる。毎日やらないと、やわらかくなった部分が再びかたくなる。

 自分では、入浴中にやるのが最も手軽で効果的だ

 ぬるめの湯の浴槽の中でゆっくり時間をかけて、もみほぐす

 毎日続けていると、体調がよくなるし、こむら返りの予防にもなる。

 詳しくは、石川洋一著『万病に効くふくらはぎマッサージ』(マキノ出版刊)を―。
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