手をこすれば、脳が元気になる [医学・医療・雑感小文]
平成養生訓23
手をこすれば、脳が元気になる
私たちは日常生活のさまざまな場面で、脳の「ワーキングメモリー」という機能を使っています。
たとえば、夕食をつくるときの主婦は、昨夜は何だったか?
栄養のバランスは? 家族が喜びそうなものは?
といった「複合的情報」を「入力選択」して献立を決めます。
そのように情報を一時的に保持し、操作・統合し、答えを導き出す脳の働きが、ワーキングメモリーです。
「作業記憶」とか「作動記憶」とも呼ばれます。
買い物をするとき、品定めをし、料金を確かめ、計算し、代金を支払い、おつりを正しく受け取る。
そこでもワーキングメモリーの機能が働いています。
ところが、あまりにも多忙煩雑な生活を送る現代人の脳は、ワーキングメモリーを酷使し過ぎて、オーバーヒートしがちです。
そのうえ年をとると、ワーキングメモリーの働きも低下します。
「ワーキングメモリーが正常に働かなくなるのは、軽度認知症の初期症状で、その始まりは<もの忘れ>です」
と、古賀良彦・杏林大学医学部教授(精神神経科)は解説しています。
では、ワーキングメモリーの使い過ぎでオーバーヒートした脳をクールダウンするにはどうしたらいいでしょう。
古賀先生は「ハンドマッサージ」を勧めます。
やり方は文字通り手軽で簡単。片方の手で、もう一方の手の甲を少し強くこすったり、指を1本、1本しごくようにもんだり、指のまたとまたを重ねてこすったり、二つの手をぐるぐる回しながらこすり合わせたり、とにかく、手のひらと手の甲と指をまんべんなくマッサージすれば、それでOK。
そんなふうに手に刺激をくわえると、脳の血流がふえ、脳が活性化されます。
話はとんでもなくさかのぼりますが、人類が二本足で歩いたり走ったりし始めたのは、350万年前で、このときの人類の祖先(アフリカ猿人)は、身長120㌢、体重30㌔で、脳の大きさ(重さ)は450㌘だった─と推定されています。
現代人の脳は1400㌘です。
350万年の間に、人間は手で道具をつくり、言葉をしゃべるようになったので、脳の中で特に大きく発達したのは、手を使う部分と言葉を使う部分です。
人さし指1本を曲げ伸ばししただけでも、大脳の「手の運動野」「手の感覚野」というかなり広い領域で神経細胞がいきいきと活動します。
血流が運動野では30%、感覚野では17%ふえるそうです。
たった1本の指を動かすだけでも脳ではそれほどの変化が起こるのです。
手をよく動かし、働かせることは、脳をよく動かし、働かせることになるわけです。
だから手は「外部の脳」とか「第二の脳」といわれるのです。
ハンドマッサージの効果を、古賀先生らの研究チームは、脳内血液の酸素量を測定する機器(光トポグラフィ)で確かめました。
実験は、脳に負担を与える計算課題を、
1=ハンドマッサージなし。
2=ハンドマッサージのみ。
3=ビタミン系クリーム+ハンドマッサージ。
4=ビタミンを除いたクリーム+ハンドマッサージ。
―の、四つの条件で行いました。
結果、3のときが最も脳内の酸素を消費せずに課題をクリアーすることができたそうです。
これは私の考えですが、コエンザイムQ10含有の美容液「セレビュー」を使えば、ビタミン系クリーム以上の効果が得られるはずです。
すぐれた成分の皮膚への浸透性が格段にすぐれているからです。
「仕事や勉強、家事など日常のさまざまな場面で、脳の元気を回復するハンドマッサージを─」と、古賀先生は話しています。
日ごろちょっと一息入れるたびに、手を小まめにマッサージすることをクセにすれば、脳が元気になるだけでなく、手のシワや手荒れの予防にもなるでしょう。
まさに一挙両得三得というものです。
<(株)心美寿有夢のPR誌『絆』25号=2008年7月発行=より再録>
手をこすれば、脳が元気になる
私たちは日常生活のさまざまな場面で、脳の「ワーキングメモリー」という機能を使っています。
たとえば、夕食をつくるときの主婦は、昨夜は何だったか?
栄養のバランスは? 家族が喜びそうなものは?
といった「複合的情報」を「入力選択」して献立を決めます。
そのように情報を一時的に保持し、操作・統合し、答えを導き出す脳の働きが、ワーキングメモリーです。
「作業記憶」とか「作動記憶」とも呼ばれます。
買い物をするとき、品定めをし、料金を確かめ、計算し、代金を支払い、おつりを正しく受け取る。
そこでもワーキングメモリーの機能が働いています。
ところが、あまりにも多忙煩雑な生活を送る現代人の脳は、ワーキングメモリーを酷使し過ぎて、オーバーヒートしがちです。
そのうえ年をとると、ワーキングメモリーの働きも低下します。
「ワーキングメモリーが正常に働かなくなるのは、軽度認知症の初期症状で、その始まりは<もの忘れ>です」
と、古賀良彦・杏林大学医学部教授(精神神経科)は解説しています。
では、ワーキングメモリーの使い過ぎでオーバーヒートした脳をクールダウンするにはどうしたらいいでしょう。
古賀先生は「ハンドマッサージ」を勧めます。
やり方は文字通り手軽で簡単。片方の手で、もう一方の手の甲を少し強くこすったり、指を1本、1本しごくようにもんだり、指のまたとまたを重ねてこすったり、二つの手をぐるぐる回しながらこすり合わせたり、とにかく、手のひらと手の甲と指をまんべんなくマッサージすれば、それでOK。
そんなふうに手に刺激をくわえると、脳の血流がふえ、脳が活性化されます。
話はとんでもなくさかのぼりますが、人類が二本足で歩いたり走ったりし始めたのは、350万年前で、このときの人類の祖先(アフリカ猿人)は、身長120㌢、体重30㌔で、脳の大きさ(重さ)は450㌘だった─と推定されています。
現代人の脳は1400㌘です。
350万年の間に、人間は手で道具をつくり、言葉をしゃべるようになったので、脳の中で特に大きく発達したのは、手を使う部分と言葉を使う部分です。
人さし指1本を曲げ伸ばししただけでも、大脳の「手の運動野」「手の感覚野」というかなり広い領域で神経細胞がいきいきと活動します。
血流が運動野では30%、感覚野では17%ふえるそうです。
たった1本の指を動かすだけでも脳ではそれほどの変化が起こるのです。
手をよく動かし、働かせることは、脳をよく動かし、働かせることになるわけです。
だから手は「外部の脳」とか「第二の脳」といわれるのです。
ハンドマッサージの効果を、古賀先生らの研究チームは、脳内血液の酸素量を測定する機器(光トポグラフィ)で確かめました。
実験は、脳に負担を与える計算課題を、
1=ハンドマッサージなし。
2=ハンドマッサージのみ。
3=ビタミン系クリーム+ハンドマッサージ。
4=ビタミンを除いたクリーム+ハンドマッサージ。
―の、四つの条件で行いました。
結果、3のときが最も脳内の酸素を消費せずに課題をクリアーすることができたそうです。
これは私の考えですが、コエンザイムQ10含有の美容液「セレビュー」を使えば、ビタミン系クリーム以上の効果が得られるはずです。
すぐれた成分の皮膚への浸透性が格段にすぐれているからです。
「仕事や勉強、家事など日常のさまざまな場面で、脳の元気を回復するハンドマッサージを─」と、古賀先生は話しています。
日ごろちょっと一息入れるたびに、手を小まめにマッサージすることをクセにすれば、脳が元気になるだけでなく、手のシワや手荒れの予防にもなるでしょう。
まさに一挙両得三得というものです。
<(株)心美寿有夢のPR誌『絆』25号=2008年7月発行=より再録>
コメント 0