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生気象学 [医学・医療・雑感小文]

 生気象学

春に情緒不安定になりやすいのは、暖かい南風のせいだという説がある。

「南風は目をかすませ、頭脳を疲れさせる」とは古代ギリシャの医聖ヒポクラテスの言。

気象が人間に及ぼす影響を研究する学問を「生気象学」という。

ヒポクラテスも、

「正しい仕方で医学にたずさわろうと欲する人は、一年の諸々の季節がそれぞれどんな影響をおよぼす力があるかを考慮しなければならない」と述べている(小川政恭訳「空気、水、場所について」=岩波文庫)。

昔の日本では冬と夏に死亡率の山がみられた。

冬の山には流感や脳卒中や心臓病が、夏の山には赤痢や腸炎や脚気が集中した。

しかし伝染病が克服されて夏の山が消え、暖房の普及や食生活の改善、医療の進歩の相乗効果で冬の山もぐんと低くなった。

文明が季節病を変えたわけだが、近年は寒い時期に病的に気分がめいる「冬季うつ病」などという新手の季節病が現れたり、地球温暖化がもたらす健康障害も問題視され始めている。

新しい気象病対策を地球規模で考えねばならぬ時代になっているようだ。
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