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バカもカゼをひく [「ヘルシーエッセイ」再録]

「One's Life」という健康総合ニュースサイトの片隅の小さな欄に毎週1本、「健康常識ウソホント」というタイトルの拙文を寄稿している。
そこへさらに「ヘルシーエッセイ」なる短文を追加することになった。
だが、こちらは30年以上も前に書いた旧稿の再利用である。
なんだかずいぶん無精なことをしますが、それをさらにここへ再々録させてもらいます。

ヘルシーエッセイ(7)

バカもカゼをひく 

巨人のグアム・キャンプで王監督以下江川、原、金城、山本雅などがカゼでダウンした、と新聞(スポーツ新聞ではない)のスポーツ面にでかでかと載っていた。
おまけに角は足首の捻挫、西本聖と水野は肩が張って重い、定岡も足の調子がもうひとつだとかで、巨人の行く手には早くも暗雲が立ちこめはじめた模様である。

つまり、ことしもまたプロ野球がおもしろくなりそうだ。
同じ日の新聞には、各球団のカゼ予防対策という記事も載っていた。

西武はうがい励行、もしカゼをひいたら罰金5万円、阪急はうがいと汗をかいたらすぐ着替え、近鉄はうがいと気力、中日はうがいと全選手にインフルエンザの予防注射・・・といったあんばいで、西武の罰金と近鉄の気力のほかはとくに変わったものはなく、まるで小学生相手の訓示のようにうがいの励行をすすめているだけである。

しかし、うがいもけっこうだが、もう一つ、だいじなことを忘れている。

いや、忘れているのではなくて、おそらく、ご存じないのだろう。

日本プロ野球の発展のために教えておきますが、それは手を洗うことである。

手を洗うことと、カゼの予防、一見なんの関係もないようだが、ちゃんとあるのである。

カゼは、ふつう、患者のセキやクシャミで空気中に飛び出したウィルスを吸い込んで感染すると思われている。

そういうケースも確かに多いが、患者の口から出たウィルスはしばらく空気中を漂ったあと、やがて家具や壁、カーテン、あるいは衣服などにくっついて、ざっと3時間ばかりは生きつづける。

当然、それはほかの人の手や指にもつくことになり、ウィルスのついてその手で目や鼻や口などの粘膜をさわると、そこからカゼに感染する。

そういう例がずいぶん多いことが、最近の研究でわかってきた。

ある病院では、赤ん坊に肺炎を起こすRSウイルスが院内で流行、原因を追究したらドアのノブが犯人だったそうである。

むろん、赤ん坊が直接ドアのノブにさわるわけはない。

母親や看護婦の手を経由してきたウィルスに、抵抗力のない乳児がひとたまりもなく感染したのである。

こうした手からのカゼの感染を防ぐには、とにかく、手をよく洗うしかない。

せっけんを使って、水道の水で流し洗いをする。カゼの予防はまず手洗い、山口組なんかのおニイさんたちは、ついでに足も洗ってもらうとなおよろしい。

ところで、私事であるが、わたしはこの3年ほどカゼをひいたことがない。
巷間、バカはカゼをひかないという俗説があるが、自分ではこの3年とくにバカになったようでもないし、逆にいえば、3年前までそれほどリコウだったとも思わない。

カゼをひかなくなった理由は、わたしの知能の変化によるものではなく、多分、毎朝(朝でない日もあるが)寝起きにおこなう乾布摩擦と毎日のんでいるビタミンCのせいだろうと思う。

乾布摩擦は皮膚をきたえ、自律神経のバランスをよくする効果がある。

これは寒さに強く、また外界の温度の変化にすばやく適応できるようになるということで、つまりカゼをひきにくくなる理屈である。

ビタミンCがカゼの予防と治療によく効くというのは、アメリカの生化学者でノーベル賞を2度も受賞した(化学賞と平和賞)ライナス・ポーリングが言いはじめたことで、その後の研究で、ビタミンCにカゼのウィルスの核酸を崩壊させる作用があることが解明されている。

このビタミンCの粉末(アルコルビン酸)を、わたしは毎食後ミミカキ1杯(約1㌘)のんでいる。

そんなわけで、ことカゼに関するかぎり、わたしは江川や原はおろか、“世界の王”よりもツヨいことが、今回はからずも、立証されたしだいである。

しかし、カゼをひかなくなったのはいいが、このところ、たまご酒をのんで早寝をするたのしみを味わうことができなくなったのは、ちょっとサビシイことではある。
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