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ヤマイモが効く理由 [「ヘルシーエッセイ」再録]

「One's Life」という健康総合ニュースサイトの片隅の小さな欄に毎週1本、「健康常識ウソホント」というタイトルの拙文を寄稿している。
そこへさらに「ヘルシーエッセイ」なる短文を追加することになった。
だが、こちらは30年以上も前に書いた旧稿の再利用である。
なんだかずいぶん無精なことをしますが、それをさらにここへ再々録させてもらいます。

ヘルシーエッセイ(8)

ヤマイモが効く理由

戦国時代の笑話を集めた『醒睡笑』には、いわゆる恐妻家の話が少なくない。

その一つに、女房に追い出されて庭の隅の山椒の木の陰でふるえている亭主の姿が描かれている。

「同じ逃げるにしても、もう少しマシなところがあるだろうに、あの間抜けが、山椒の根元なんかにしゃがんでるよ」と、女房が縁側から毒づくと、哀れな亭主は答える。

「いや、山椒の木ばかりじゃない。ヤマイモのつるがあるから、それに取りすがっていますよ」

この笑話のあとに、編者の安楽庵策伝は、

「ヤマイモは強精剤としても悪くない。本草(薬用植物)の本をごらん」というコメントをつけている。

ヤマイモだとか、ウナギだとか、ああいうヌルヌル、ネバネバしている食品の強精作用については、昔から一般に盛んに言いふらされている。

また、個人的な体験でもなんだか効いたような気がすることもある。

いったい、あの見るからに効きそうな感じのヌルヌル、ネバネバ物質は何なのか?

そしていかなる有益な働きをするのか。

国立栄養研究所応用食品部の辻啓介室長によれば、あのヌルヌル、ネバネバした粘液物質には、直接的な強精作用はなにもない。

あの粘液物質はムチンといって、たんぱく質と多糖類(ブドウ糖などの単糖類がたくさん結びついたもの)との複合体だが、主成分の多糖類は、食べても体を素通りしてしまう食物繊維だからである。

それなら、あのなんだか効いてくるような気がしたのは、何だったのか?

薬だと信じて飲めば、軽い頭痛の半分ぐらいはメリケン粉でも治るという、例のプラセボ(偽薬)効果のせいだったのか?

むろん、ヤマイモもウナギも、ムチンだけでできているわけではない。

ヤマイモは約70%の水分を除けば、残りの大部分がでんぷん質で、ほかに若干のたんぱく質と、微量栄養素としてリン、カリウムなどのミネラル類をわりあい多く含んでいる。

これに対して、ウナギのほうは、たんぱく質と脂肪がとても多く、ビタミンAが豊富である。

スズメが海中に没してハマグリとなり、ヤマイモが変じてウナギになる、というのは昔の人の言い伝えだが、ヤマイモとウナギの共通点は、あのひょろ長い形状とムチンだけである。

そのムチンだが、ウナギやヤマイモだけでなく、サトイモ、オクラ、ナメコ、根コンブなどにも多くみられる。

近年の研究で、これらの植物性の食品に含まれるヌルヌル物質は、水に溶けるタイプの食物繊維で、体内のコレステロールをへらし、血管の老化を防ぐことがわかってきた。

同じ食物繊維でも、水に溶けない種類のセルロースなどが、未消化物の量を多くし、腸のぜん動をたかめて、便の排泄を促し、腸の中のいろいろなものを押し流す―言い換えると便秘を解消したり、大腸がんを防いだりする―働きをするのに対して、ヤマイモなどの水に溶ける種類の繊維は、いっしょに食べた食品中のコレステロールや胆汁中のコレステロールを吸着して、便として体外に排出する。

当然、それだけ血液中のコレステロールがへってくる。

で、血管の内壁にコレステロールがこびりつくようにたまって起こる動脈硬化を防ぐことができる。

つまり、血管の若さを保つのに効果的である。

長い目でみると、やはり、ヤマイモは、なかなかよく効く強精食品でもあるといえる。

江戸小咄にこんなのがある。

近頃、亭主がめっきり弱くなったので、

女房一計を案じて、晩めしの膳にヤマイモ、ウナギ、生タマゴ・・・効きそうなものをどっさりならべた。

亭主大満悦でそれらを平らげて、さて、床に入ったかと思うと、むっくり起き上がり、

「紙!」

女房、ほくそ笑み、

「紙はあとでいいじゃないの」といえば、

亭主、

「いや、はばかりだ。食いすぎて腹をこわしたらしい」

おあとがよろしいようで―。
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池田剛士

通達(みと・あかつかカンファレンス)*メディア対策室;安倍晋三 首相案件(ムチン騒動)【メディア詐欺;共謀罪】#削除命令



学術秘書
池田です。

可及的速やかに、当該記事の修正または削除をお願いいたします。
また、周知徹底、再発防止に努めてください。

修正又は削除が必要な記事の一覧、Googleキャッシュ検索の結果(site:maru-miya.blog.so-net.ne.jp ムチン)も併せてご確認ください。
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【理由】
・「ムチン」と称することが誤りであることが科学的に確定され、さらにこの記載が消費者等を誤認させ不利益を生じさせることが明らかになった
http://acsec.jp/mucin.html
・事業者及び消費者等による国家賠償訴訟の恐れがある(広報誌等の配布物、「栄養士」「製菓衛生師」「調理師」等の各種試験問題)
http://nokyoko.jp/#hope

【詳細】
(日本国内だけで)植物の粘質物を「ムチン」と呼ぶことの根拠や起源
http://acsec.jp/maffgo.html
http://kojien.acsec.jp/

なお、本件にかかる刑事・民事事件が全国各地で激発するなど、事態が緊迫しておりますこと、ご承知おきください。
http://acsec.jp/soumugo.html

※参考:
[1]平成の大獄(へいせいのたいごく)|改元の礼:
大戸屋ホールディングスらによる公益通報者 看護師 中西京子さん襲撃事件
http://heisei.nokyoko.jp/
[2]虎の門外の変|家来たちは、子どもを殺した。:
岡本薫明 財務事務次官らによる公益通報者 看護師 中西京子さんに対するパワーハラスメント
http://toranomon.nokyoko.jp/


では。


この件に関するお問い合わせ先:
みと・あかつかカンファレンス事務局長
ラクトース研究班「いもいち2025」班長代理
有限会社学術秘書
本店営業部
池田剛士
〒311-4141
茨城県水戸市赤塚1-386-1-107
電話:029-254-7189
携帯:090-4134-7927
-----------------------
追補:訂正報道新着
http://acsec.co.jp

by 池田剛士 (2018-10-28 13:51) 

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