増悪と憎悪 [雑感小文]
憎悪と増悪
ある雑誌にある病気の記事を書いたら、文中の「症状が増悪する」の増悪に〈ぞうお〉と振り仮名がしてある。
なぜ? とメールしたら、
「難解な熟語なのでルビをふりました。いけなかったですか?」ときたから、偏屈で意地がわるいライターはカッとなった。
「ルビがいけないのではありません。増悪は正しくは〈ぞうあく〉です。
悪が〈お〉だったら、最悪は〈さいお〉ですか?
多分、憎悪〈ぞうお〉という言葉をご存じだったので、増悪も〈ぞうお〉と読んだのでしょうが、そういうのを一知半解っていうんじゃないのかなあ。
おれも浅薄な知識しか持ち合わせてないけど、増悪の〈あく〉は漢音で、憎悪の〈お〉は呉音です。
呉音は仏教関連の語に多く用いられ、例えば〈礼拝〉は、キリスト教などでは漢音の〈れいはい〉ですが、仏教では呉音で〈らいはい〉と読みます。
〈開眼〉が、医学用語では〈かいがん〉で、仏教語では〈かいげん〉であるのも同じです。
なお、増悪の意味は、ぜひ広辞苑などでお確かめください」
ある雑誌にある病気の記事を書いたら、文中の「症状が増悪する」の増悪に〈ぞうお〉と振り仮名がしてある。
なぜ? とメールしたら、
「難解な熟語なのでルビをふりました。いけなかったですか?」ときたから、偏屈で意地がわるいライターはカッとなった。
「ルビがいけないのではありません。増悪は正しくは〈ぞうあく〉です。
悪が〈お〉だったら、最悪は〈さいお〉ですか?
多分、憎悪〈ぞうお〉という言葉をご存じだったので、増悪も〈ぞうお〉と読んだのでしょうが、そういうのを一知半解っていうんじゃないのかなあ。
おれも浅薄な知識しか持ち合わせてないけど、増悪の〈あく〉は漢音で、憎悪の〈お〉は呉音です。
呉音は仏教関連の語に多く用いられ、例えば〈礼拝〉は、キリスト教などでは漢音の〈れいはい〉ですが、仏教では呉音で〈らいはい〉と読みます。
〈開眼〉が、医学用語では〈かいがん〉で、仏教語では〈かいげん〉であるのも同じです。
なお、増悪の意味は、ぜひ広辞苑などでお確かめください」
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