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メチオニン [医学・医療・雑感小文]

メチオニン

「メチオニン アミノ酸の一種で肝臓の働きを助ける物質」と、いま開いてみた「新明解国語辞典 第四版」には記されてある。

この辞典は、語釈の一味違うおもしろさで知られるが、残念ながらこのメチオニンの説明は、過去の(しかも間違った)医学知識によるものだ。

メチオニンは、1970年ごろまでは肝臓の薬とされていた。肝臓にたまった脂肪を減らすのに効果があるといわれた。

二日酔いの薬にもメチオニンを主成分とするものがあり、よく売れていた。

ところが、その後メチオニンが体内(腸)でメタネチオールという神経毒をつくることがわかった。

メタネチオールができても、肝機能が正常な人ならすぐ解毒されるが、肝臓病が進み肝機能の低下した人はそうはいかない。

血流に乗って、脳へメタネチオールがいくと、神経毒だから意識がおかしくなる。

機能の低下した肝臓にはメチオニンは毒、ということになり、今は肝臓病の人はなるべくメチオニンの少ない食品を食べるよう注意される。

医学が進み、過去の治療法が否定された一例だ。
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