SSブログ

ビールは太らない食品 [医学・医療・雑感小文]

ビールは太らない食品

「あんなにビールばっか飲んでてよく太らないわねぇ」と、テレビの前の女性。

テレビのなかでは、深田恭子とミムラがおしゃべりしながら大きなジョッキをぐいぐいやっている。

「いや、ビールは太らない食品なんだよ」

「ウソッ、だって、糖質いっぱい入ってるでしょう? ビール太りとか、ビール腹とかいうじゃないの」

「ま、たしかに100㌘当たりの炭水化物(糖質)をみると、ビールは3.1㌘、焼酎やウイスキーの0㌘と比べると糖質飲料だよ。

だけど白米めしの37.1㌘や食パンの46.7㌘、焼き芋の39㌘などと比べたらばケシ粒みたいなもんだよ。

大ジョッキ3杯いっても、ごはん1膳よりもずっと低カロリーなんだから」

「じゃ、なんでビール腹とかビール太りとかいうのよ」

「あ、それは明治時代のハマっ児の誤解らしいよ」


◎「ビール腹」は明治時代の誤解

明治の初め、横浜にやってきてビールの醸造を伝えたドイツ人の技師たちが、でっぷり太ってるのを見て、ビールのせいだと誤解、ビール太り、ビール腹と形容したのが、はじまりなのだという。ビアだるの形からの連想もあったのだろう。

「ビール腹 太って丸く突き出た腹。ビールを飲みすぎるとなるという俗説がある」=『広辞苑』。そう、まったく非科学的な俗説なのである。

では、ビールを飲んでもホントに太らないか?

はい、太りません。

「ビールは液体のパン」と、ヨーロッパでは古くからいわれてきたようだが(どちらも麦を原料とするからか)、これを戦後間もない食糧不足のころ、日本のビール会社が広告の惹句に用いた。

「ビールは液体のパンです」。

むろんビールにパンのような栄養はない。誇大広告のようなものだ。

アメリカのビール会社の「ビールは太らない食品です」のほうが、科学的にはずっと正しい。


◎ビールとこんにゃくは同類

ビール100㌘中の三大栄養素は、先に記したように炭水化物は3.1㌘、たんぱく質が0.3㌘、脂質はTr(ほとんど0にひとしい微量)である。

『食品成分表』をめくって、ある食品のそれらを調べてみた。

炭水化物3.3㌘、たんぱく質0.1㌘、脂質0.1㌘。

これ、何だと思いますか? こんにゃくです。

ビールは、究極のダイエット食品・こんにゃくとほとんど差異のない低栄養なのである。

だからビールをいくら飲んでも太る気づかいは無用である。

それどころか、もしもビールを飯代わりにしてロクなものを食べないことを続けていると、低たんぱく血症になって免疫力が低下、ちょっとした病気でころっといっちゃうだろう。

ビールを飯代わりにするのだったら、せいぜいつまみをバランスよく食べることだ。

ただし、ヤキトリだのカツだのギョーザだのフライドポテトだの(ビールには何でもよく合うからなあ)食いたい放題食ってたら、そりゃ絶対太ります。

ところで、ビールの90%以上は水分だから、どっさり飲めば当然、尿量がふえる。

おまけにアルコール(3.8%)の利尿作用が加わり、相乗効果を発揮する。

ドイツ留学中の森鷗外が、「ビールの利尿作用」を、人による実験で確かめて学会発表、大いに喝采を得た記録が残っているそうだ。

泌尿器科のドクターが、尿路結石の患者に、「ビールを飲んでナワトビしなさい」とすすめるのも、ビールの利尿作用の利用にほかならない。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。