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耳鳴りあれこれ [医学・医療・雑感小文]

 耳鳴りあれこれ

 ◎健康な耳鳴り

 以前、石原慎太郎氏が、自分の耳鳴りについて話していた記事を読んだことがある。

 耳鳴りに悩まされている人はけっこう多い。一度発症すると、えんえんと続く例が少なくないからだ。

「耳鳴りは、100人のうち1人でも治れば、その治療法は成功だ」と言った耳鼻科の大家がいた。それくらい治しにくい。

 だから「耳鳴りは健康な人にもあるのだから、あまり気にしないで、<耳鳴りを友として>つき合っていけばよい」と、患者に因果?を含める医師もあるようだ。

「それは耳鳴りの苦痛をご存じない人の言うことです。健康な耳鳴りと、病的な耳鳴りは全く違います」

と、めまい・耳鳴り治療の名医として知られる、坂田英治・埼玉医大名誉教授。

 健康な耳鳴りは、内耳のリンパ液の微かな揺らぎによるもので、静かなところではその揺らぎを感じて、誰でも耳が鳴る。

 夜がシンシンと更けるとか、林がシーンと静まるという、あれは耳鳴りからきた表現だという。

 むろん病気でもなんでもない。病的な耳鳴りはとてもそんなものではない。

 
◎病的な耳鳴り

 病的な耳鳴りの原因はさまざまあるが、大まかにいって、85~90%は内耳性のもので、例えばメニエル病、突発性難聴、中耳炎の影響が内耳に及んだもの、聴神経腫瘍(しゅよう)などだ。
 
あとの10~15%は高血圧や脳腫瘍などで、これらは頭鳴(ずめい)といい、専門医は耳鳴りとは区別する。

 純然たる耳鳴りの中で生命にかかわるものは、中耳炎から内耳炎になったものや聴神経腫瘍ぐらいで、そう多くはない。

 とはいえ、非常な苦痛に悩まされる人が多く、高度難聴の治療中に「もう聴こえなくてもいいです。耳鳴りだけなんとかしてください」と訴える人さえあるという。

 そうした耳鳴りにすぐれた成績を上げているのが、坂田英治・埼玉医大名誉教授が開発した、内耳にステロイド剤を注入する治療法だ。

 耳の穴から鼓膜に針を刺し、薬を入れると、中耳からしみ込んで内耳に達し、耳鳴りが鎮まる。
 
鼓膜は、中耳炎の手術で切開しても自然に張りついてしまうほど再生力がある。

 注射針を刺すことに何ら心配はご無用だそうだ。
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