稀勢の里! [雑感小文]
根性と努力
いやあ、すごかったなあ! 稀勢の里!
千秋楽の本割と優勝決定戦。
いまもまだまぶたの裏に鮮やかに残る壮絶、感動の二番を再生しながら眠るのが、あの日以来の入眠儀式になっている。
大相撲の世界はまことに厳しい。
毎年の新弟子約100人のうち十両以上の関取になれるのは10人足らずだろう。
まして異郷の地からやって来て、大関、横綱に昇りつめるのは並大抵の力量ではない。
琴奨菊との一番、巨体に似合わぬこすい立合いですっかり人気を落としたが、照ノ富士もなかなかの力士であるのは間違いない。
*
昔、元出羽錦の田子ノ浦親方(故人)にこんな話を聞いたことがある。
「昭和30年ごろ、私に付いていた若い者のなかで一番素質があって相撲も強く、これはもしかしたら大関になるかもしれないと思ったのは、途中で止めました。
一方、佐々田は十両までいけば上出来だろうと言われていたのですが、やはり根性と努力がちがったのですね」
─佐々田とは、第50代横綱・佐田の山だ。
「しごかれて、しごかれて、根性ができる。力がつく」と田子ノ浦さんは話した。
いやあ、すごかったなあ! 稀勢の里!
千秋楽の本割と優勝決定戦。
いまもまだまぶたの裏に鮮やかに残る壮絶、感動の二番を再生しながら眠るのが、あの日以来の入眠儀式になっている。
大相撲の世界はまことに厳しい。
毎年の新弟子約100人のうち十両以上の関取になれるのは10人足らずだろう。
まして異郷の地からやって来て、大関、横綱に昇りつめるのは並大抵の力量ではない。
琴奨菊との一番、巨体に似合わぬこすい立合いですっかり人気を落としたが、照ノ富士もなかなかの力士であるのは間違いない。
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昔、元出羽錦の田子ノ浦親方(故人)にこんな話を聞いたことがある。
「昭和30年ごろ、私に付いていた若い者のなかで一番素質があって相撲も強く、これはもしかしたら大関になるかもしれないと思ったのは、途中で止めました。
一方、佐々田は十両までいけば上出来だろうと言われていたのですが、やはり根性と努力がちがったのですね」
─佐々田とは、第50代横綱・佐田の山だ。
「しごかれて、しごかれて、根性ができる。力がつく」と田子ノ浦さんは話した。
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