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物質的なことば [医学・医療・雑感小文]

 暴挙の原因は扁桃核?

「一緒に育ち、愛した人を、本当は知らなかったと感じている。

弟は静かで内気で、とけ込むことに苦しんでいた。

このような暴力が引き起こせるとは思ってもみなかった」

─先年、米バージニア工科大で起こった銃乱射事件のチョ・スンヒ容疑者の姉の言葉だ。

外電が伝えた記事を読み、故・浦田卓先生の著書『もっと物質的なことばで』に記されたこんな挿話を思い出した。

1969年8月1日、テキサス大学構内で同様の銃撃事件が発生、15人が死亡、31人が負傷した。

犯人は、だれにも親しまれた学生、チャールズ・ホイットマンで、駆けつけた警官隊に射殺された。

「あんなに快活で優しかった彼が、なぜ?」と理解に苦しむ声が多かったが、死体解剖で、脳の怒りの中枢─扁桃核(へんとうかく)に腫瘍が見つかった。

もしそれがわからなかったら、彼の凶行は、別のもっともらしい理由で説明されただろうと、浦田先生はこう述べている。

「人の異常な行動は、すべてこれを〝もっと物質的なことば〟で説明する努力をすべきだと考える」
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