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正月男の先輩とぽっくり病 [医学・医療・雑感小文]

 正月男の先輩

 毎年、正月の二日、三日に必ず思い出す人がいる。

 医学記者の先輩、伊藤正治さんだ。

 伊藤さんは、戦後間もなくのころ、「箱根駅伝」の慶応大チームの一員だった。

 先年の「三田評論」に回想記を寄せていたが、都心の10区を走るアンカー伊藤選手の写真の背景には、焼け跡に建つバラックが映っていた。

…そんなわけで、テレビで箱根駅伝を観戦中つい「伊藤さんも見てるだろうな」とつぶやき、「去年も同じことを言った」と笑われる。

 当家の「正月男」だ。

 共同通信記者時代の伊藤さんは「ぽっくり病」のスクープで名を馳せ、地方新聞各紙の長期連載「痛みのカルテ」は、中公文庫のロングセラーとなっている。

 伊藤さんの年賀状の印刷文─当方も卒寿を過ぎて2年目の新春を迎えました。

 本年も「生涯現役・生涯一記者」として牛歩で参るつもりです─

 の余白には、「難聴の人は長命だそうです。ますます元気にお過ごしを─」とあり、

 激励ありがたく拝読したが、さて、92ヒク85ハ? 先輩にはとても追い付けそうもないないなあ。

 ぽっくり病

 共同通信記者時代の伊藤正治さんが、「ぽっくり病」をスクープしたのは、1956年だった。

 だから1955年発行の広辞苑第一版に間に合うわけはないが、

 69年の第二版には採録され、

「ぽっくり病 一見、健康で栄養状態良好な若い男性に、主として睡眠中に起こる急性死。過労・飲

酒・心臓障害・体質などが挙げられているが、真の原因は不明」とある。

 この解説が、全く同文のまま2008年発行の第六版まで引き継がれている。

 十数年前、ぽっくり病の発症に、食物中の脂肪の分解産物(燃えかす)が関与していることを、九州大と東海大が、共同研究で明らかにした。

 ぽっくり病の疑いのある約300人の解剖所見から、心臓の冠動脈が収縮したため心筋に血液が流れなくなったことが原因と推測。

 血中の「レムナントリポたんぱく(RLP)」という物質がかかわっていることを、ブタを使った動物実験で確かめた。

「血中の中性脂肪値の高い人は、RLPが多い傾向がある」という。

 気をつけよう。


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