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冬の脳梗塞の誘因は? [医学・医療・雑感小文]

 2月1日~7日の「生活習慣病予防週間」は昭和34年に始まり、平成8年までは成人病予防週間と呼ばれた(成人病という呼称が生活習慣病に変わったのは平成8年12月)。

 当時、死因1位の脳卒中が冬場に多発したことから、最も寒い時期が啓発週間に決められた。

 脳卒中には、脳の血管が破れる脳出血と、血管が詰まる脳梗塞(こうそく)があるが、当時は脳出血が圧倒的に多かった。

 しかし今、脳出血は激減し、脳卒中の死因順位もがん、心臓病、肺炎に次ぐ4位に下がり、冬場に多発することもなくなった。

 理由は、減塩を中心とした生活習慣の改善、暖房の普及、降圧薬の開発、脳卒中治療の進歩などの複合的効果だろう。

 だが、いまも脳梗塞の一種の心原性脳塞栓(そくせん)症は、冬場に多く発症している。

 心臓でできた血栓が、脳に流れてきて、脳の太い血管が詰まるために起こる病気だ。

 なぜ、冬場に発症しやすいのか?

「一つ考えられるのは、感染です」と、脳卒中が専門の山口武典・国立循環器病センター名誉総長は話した。

 脳梗塞(こうそく)には、脳の深部の細い血管が詰まるラクナ梗塞

 頭の中の太い動脈や頸(けい)動脈の内壁にコレステロールがたまって狭くなり、血栓ができて詰まるアテローム血栓性脳梗塞

 心房細動など心臓に原因のある心原性脳塞栓(そくせん)症と、三つの病型がある。

 このうち心原性脳塞栓症だけは、冬場に多く発症する傾向がみられる。

 理由の一つとして考えられるのは感染だと、山口武典・国立循環器病センター名誉総長は話した。

「例えば、風邪をひくとか、肺炎を起こすとかすると、その感染症自体が血液凝固を促進するのではないか。

 近年、脳卒中の危険因子の一つとして感染が重視されていて、CRP(C反応性たんぱく=感染症の指標)の値の高い人は、脳卒中を起こしやすいといわれています。

 心臓でも当然、血栓ができやすくなるでしょう。

 心臓病をもっていて、血栓のできる可能性のある人が風邪をひくと、血栓ができて飛びやすくなる。

 そういう人は風邪をひかないように特に気をつけなければいけません」
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