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誤嚥と誤飲 [医学・医療・雑感小文]

 幼児が、硬貨やたばこなど食べてはいけない物を口に入れて、飲み込んでしまう「誤飲」に対して、食べ物や飲み物が気道のほうへ入ってしまうことを「誤嚥」(ごえん)という。

 つまり危険な物が消化器に入るのが誤飲で、食べた物が呼吸器に入るのが誤嚥だ。

 新聞用語では「嚥下(えんか、えんげ)」を「のみ込む、のみ下ろす」と書き換えるのが普通なので、誤飲と誤嚥が混同されることがある。

 お年寄りや脳卒中の後遺症のある人などは、誤嚥しやすい。

 それがもとで肺炎を起こすことが多い。「誤嚥性肺炎」だ。

 誤嚥の起こり方は、三つに分類される。

 1 食事のさいにむせて、飲食物が気管のほうへ入ってしまう。

 このとき、口の中に病原菌があると。それも一緒に入っていき、そのために肺炎が起こる。

 2 胃液が逆流し、気管から肺に入る。胃酸は強い塩酸だから肺に炎症をつくる。

 3 眠っている間など無意識のうちに、口の中やのどの辺りの病原菌を肺に吸引してしまう。

 サイレント・アスピレーション(吸引)と呼ばれ、お年寄りの誤嚥性肺炎では最も重要視されている。

 誤嚥を防ぐには、食物は少しずつゆっくり食べる。

 病気の人も上体を起こして食べ、食後は歯を磨き、うがいをし、できれば2時間ほどは座っている。
 
 寝たきりのお年寄りにそのような介助をしたところ、肺炎の発症率がぐんと減ったという報告がある。

 誤嚥性肺炎は、元気な人もかかる肺炎だから、毎食後、就寝前の歯磨きで口の中をきれいにし、胃からの逆流を防ぐにはやや高めの枕がよいようだ。

 幼児の誤飲

 カメラやゲーム機などのボタン型電池を幼児が誤って飲み込む事故は、とても多い。

「赤ちゃんは、ピカピカして丸いものが大好き。赤ちゃんの手の届くところにそうした電池を置かない。誤って飲んでしまったら、すぐ水を飲ませ、病院へ」と、救急の専門医。

 小さな子どもは、大人が思いもよらない物を口に入れる。

 硬貨、部品類、たばこなど家のなかには危険物がいっぱい!

 もしものときの対応は?

 ●硬貨や小さな部品類=たいてい便と一緒に出てくる。

 ●たばこ=舌の付け根を押して吐かせる。

 ニコチンの吸収を早めるので、水や牛乳を飲ませてはいけない。

 ニコチンは24時間で体の外へ出る。

 1日たっても異常がなければ心配ない。

 ●大部分の薬=水や牛乳を飲ませて吐かせる。(のどの奥の舌の部分を押して刺激する)

 ●トイレ用洗剤、漂白剤など=牛乳か卵白を飲ませ、吐かせない。(吐くと食道の粘膜を再び傷つける)

 ●ガソリン、灯油、ベンジン、マニキュア除光液などの揮発性物質=何も飲ませず、吐かせない。(吐いたものが気管に入り肺炎になる)

 ●ナフタリン、防虫剤=牛乳は飲ませない。吐かせる。

 このほか、意識障害がある。けいれんしている。唾液や吐いた物に血がまじる。とがった物を飲んだときも、吐かせない。

 病院に行くときは、飲んだ物の容器や説明書などを忘れずに持参する。

 急な相談は、日本中毒情報センターの「中毒110番」へ。

 ■大阪中毒110番(365日 24時間対応) 072-727-2499

 ■つくば中毒110番(365日 9時~21時対応) 029-852-9999

 ■タバコ専用電話(テープによる一般市民向け情報提供。365日・24時間対応) 072-726-9922
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