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心筋トロポニン上昇のリスク [医学・医療・雑感小文]

非心筋梗塞の心筋トロポニン上昇、若年患者は死亡リスクが高い

 心筋梗塞以外の原因で血清心筋トロポニン(cTn)値が上昇した、50歳以下の若年患者の多くは、その後の死亡リスクが心筋梗塞患者より高いとする研究結果が、米国のグループにより医学誌「Am J Med」に発表された。

 注 トロポニン= 心筋(心臓の筋肉)の細いフィラメント(細い線)を形成する収縮蛋白。心筋の構成成分であるため、これが血液中に出現する場合には、急性心筋梗塞や不安定狭心症などによって、心筋が傷害されていることを意味する。

 血清cTn値の上昇は心筋梗塞によって生じることが多いが、他のさまざまな疾患でも上昇が見られる。

 同グループは、2000年1月~16年4月に大規模三次医療センター2施設でcTn値上昇が確認された50歳以下の患者のデータを後ろ向きに解析し、cTn値上昇とその後の死亡との関係を検討。

 冠動脈疾患の既往がある患者は除外した。

 登録基準を満たした患者は6,081例。うち心筋梗塞によるcTn値上昇は3,574例(58.8%)で、2,507例(41.2%)は心筋梗塞以外の原因によるものであった。追跡期間の中央値は8.7年だった。

 解析の結果、血清cTn値上昇の原因が心筋梗塞以外であった群は心筋梗塞群より追跡期間中の死亡リスクが有意に高かった。

 非心筋梗塞群では、特に中枢神経系疾患、非虚血性心筋症、末期腎不全による死亡リスクが高かった。

 一方、心筋炎患者では心筋梗塞群より非心筋梗塞群で死亡リスクが低かった。
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