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「寝だめ」の可否 [医学・医療・雑感小文]

ホントに「寝だめ」ってできる?

睡眠は、体と脳を休ませるために不可欠なものです。

きちんと眠ることにより大脳は休息し、翌日、朝から正常に活動出来るのです。

睡眠が不足すると疲労が回復できず、頭痛や全身のだるさ、集中力の欠如などの症状がでてきます。

睡眠中は、体温や血液の温度が下がります。

温度の下がった血液が脳に流れることで、頭が冷やされ、脳の疲労回復に役立ちます。

しかし、睡眠中でも脳の活動は、休止されているわけではありません。

昼間吸収した様々な情報を整理して、必要なものは記憶として脳に記録されます。

成長ホルモンの分泌

また寝ている間に成長ホルモンを分泌します。

成長ホルモンは、子どもだけでなく大人にも必要なものです。

成長ホルモンが不足すると老廃物が溜まってしまい、血管が詰まったり、肌や頭皮のターンオーバーがうまくいかなくなったりする弊害がでます。

免疫力が高まる

風邪を引いたときなど、寝ているのが一番の薬!といいますが、人間は睡眠中に免疫力が高まり、病気を治そうという自然治癒力も働きます。

逆に睡眠不足では、免疫力が低下して、抵抗力も弱まり、風邪を引きやすくなるのです。

平均的な会社員を想定すると、平日は残業や付き合いで睡眠不足が続き、土日に睡眠時間を長くとってその不足分を補おうとしています。

日曜日にお昼近くまで寝てしまったり、日中をダラダラと寝たり起きたりして過ごすと、逆に日曜の夜に寝付けず、結局寝不足状態で月曜日の朝を迎えることになります。

1週間のスタートがそんな状態だと寝不足感の抜けない1週間を送ることになってしまいます。

二度寝より、起きて1日をスタートさせるほうが熟睡できる

ぐっすり熟睡できるのは、眠りに入ってから3時間位です。

その後は、だんだん眠りは浅くなっていきます。

眠くて朝起きるのが辛くても、そこからさらに熟睡することはできません。

中途半端な睡眠と浅いレベルの覚醒を繰り返すばかりで、眠りの充実感は得られないのです。

時間的には長く眠ったつもりでも、体がぐったりした上に精神的にも満足感の少ない状態になります。

この場合は、思い切って起きて、1日をスタートさせ、活動的な1日を過ごせれば、夜になって充実した熟睡を得ることができるでしょう。

「寝だめ」には2種類ある

先取り睡眠

来週は忙しいから、土日に「寝だめ」をしようと考えるのが「先取り睡眠」です。

しかし、休日にたくさん寝てしまうと、体内時計が狂って、逆に仕事が始まってしまってから、睡眠サイクルが乱れてしまいます。

睡眠の貯金をしようとすると逆に浅い眠りになり、結果としては、脳を休めることになりません。

週末もいつもと同じような時間帯に起きていたほうが仕事はじめになってから、疲れが残らないでしょう。

補充睡眠

もう1つは、「補充睡眠」です。

寝不足が続いたからその分長い睡眠時間を取って寝不足を解消する、というタイプの寝だめです。

睡眠不足の状態は、脳が長時間疲労してしまっています。

そこで補充睡眠を取ることは、神経の緊張を和らげ、ある程度の効果が期待できます。

しかし、長い時間眠れば眠るほど疲れが取れる、というものではありません。

普段の起床時間の2時間後ぐらいに起きるようにすれば、睡眠リズムの乱れを防ぐことができます。

起きる時間が大幅にずれてしまうと、体内時計は狂ってしまいますので、就寝時間を早めにして、起床時間はある程度一定にすることが大事です。

執筆 南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長)
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