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睡眠と高血圧&糖尿病 [医療小文]

睡眠呼吸障害が高血圧、糖尿病と関連
世界最大規模の研究、客観データで確認

京都大学の研究グループと滋賀県長浜市が共同で進める「ながはまコホート」で、睡眠呼吸障害が高血圧に関連し、さらに女性では糖尿病とも関連していることが分かった。

睡眠呼吸障害に関するコホート研究はこれまでも行われてきたが、睡眠時間の測定にアンケートなど主観的データを使うことがほとんど。

今回の研究では加速度計を用いて客観的な睡眠時間を測定したことが特徴。

また、解析対象が7,000人以上と世界最大規模で行われた。

研究成果は、「Sleep」(2018年5月9日オンライン版)に掲載された。

短時間睡眠は高血圧、糖尿病と関連せず

ながはまコホートは、京都大学大学院呼吸器内科学客員研究員の松本健氏、同大学呼吸管理睡眠制御学特定教授の陳和夫氏らによる研究グループが長浜市と共同で行っている。

2013~16年に参加者に加速度計とパルスオキシメーターを貸し出し測定してもらう方法により、加速度計で週末1日を含む5日以上、パルスオキシメーターで2日以上の測定が可能だった7,051人(全体の71.6%)を解析対象にした。

睡眠時呼吸障害と短時間睡眠、肥満(BMI 25以上)の三者と高血圧、糖尿病との関係を解析した。
 
結果、治療対象と考えられる中等度以上の睡眠呼吸障害の頻度は、男性で23.7%、閉経前女性で1.5%、閉経後女性で9.5%だった。

この割合は諸外国とほぼ同程度であるという。

睡眠呼吸障害は男女ともに高血圧と関連していた。

糖尿病は、男性では関連がなく、女性では関連が見られた。

閉経前女性では、中等度以上の睡眠時呼吸障害があると糖尿病が28倍多かった。  

一方、肥満は男女ともに、高血圧、糖尿病と関連があった。

ただ、この関連性のうち約20%は睡眠呼吸障害を介しての関係だという。

なお、睡眠呼吸障害や肥満は重症度が高くなるほど睡眠時間が短くなっていた。

しかし短時間睡眠は高血圧や糖尿病と関連はしていなかった。
 
今回の成果は横断研究であるため因果関係にまで言及はできない。

このため第3期事業として、今回の対象者に関して5年後の測定データを収集している。

その上で縦断的に解析し因果関係を明らかにする方針。
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