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原因不明の歯痛 [医療小文]

 歯の痛み、歯のせいじゃない?知られざる非歯原性歯痛
 
 歯に原因がないのに、歯が痛い。

 歯科を受診しても、虫歯や歯槽膿漏(しそうのうろう)などは見つからない。

 それでも「痛いから」と神経や歯を抜いてもらった。

 なのに、痛みはおさまらず、より強くなっていく――。

 これは、歯科医の間で、最近注目され始めている「非歯原性歯痛(ひしげんせいしつう)」の患者の一例です。

 何が原因なのか。どんな治療法があるのか。

 非歯原性歯痛に詳しい、日本口腔(こうくう)顔面痛学会の元理事長で、慶応大非常勤講師の和嶋浩一さんに聞きました。

 海外で報告。日本では2000年前後から注目

 虫歯があったり、歯の周囲や歯肉に炎症があったり。こうした歯に原因がある痛みを「歯原性歯痛」と分類するのに対し、こうした歯の原因がないにもかかわらず歯痛が感じられる状態を「非歯原性歯痛」と分類するそうです。

 オーラルフレイル、気づきで防ぐ全身の衰え

「オーラルフレイル」は、口腔機能の軽微な低下や食の偏りなどを含み、身体の衰え(フレイル)の一つです。

  これら概念は東京大学高齢社会総合研究機構の辻哲夫特任教授、飯島勝矢教授らによる大規模健康調査(縦断追跡コホート研究)等の厚生労働科学研究によって示され、この研究をきっかけにさまざまな検討が進められています。

1.「オーラルフレイル」という新たな考え方の理解

「オーラルフレイル」は、口腔機能の軽微な低下や食の偏りなどを含み、身体の衰え(フレイル)の一つです。

 これら概念は東京大学高齢社会総合研究機構の辻哲夫特任教授、飯島勝矢教授らによる大規模健康調査(縦断追跡コホート研究)等の厚生労働科学研究によって示され、この研究をきっかけにさまざまな検討が進められています。

 この「オーラルフレイル」とは、健康と機能障害との中間にあり、可逆的であることが大きな特徴の一つです。

 つまり早めに気づき適切な対応をすることでより健康に近づきます。

 この「オーラルフレイル」の始まりは、滑舌低下、食べこぼし、わずかなむせ、かめない食品が増える、口の乾燥等ほんの些細な症状であり、見逃しやすく、気が付きにくい特徴があるため注意が必要です。

2.「オーラルフレイル」への対応

 高齢期における人とのつながりや生活の広がり、共食といった「社会性」を維持することは、多岐にわたる健康分野に関与することが明らかとなっております。

 この多岐にわたる健康分野には歯や口腔機能の健康も含まれており、これら機能の低下はフレイルとも関連が強いことがわかっています。

  歯周病やむし歯などで歯を失った際には適切な処置を受けることはもちろん、定期的に歯や口の健康状態をかかりつけの歯科医師に診てもらうことが非常に重要です。

 また、地域で開催される介護予防事業などさまざまな口腔機能向上のための教室やセミナーなどを活用することも効果的です。

3.「8020運動」と「オーラルフレイル」の関連

 厚生労働省と日本歯科医師会が平成元年から展開している「8020運動」は、80歳で20本以上の歯を保ち、何でもかんで食べられることを目指して推進してきています。

 当初わが国の8020達成者はほんの数%であったものが、現在では40%を超えるほどになっています。

 日本歯科医師会は、この「8020運動」に代表される国民運動をさらに発展させるべく、東京大学高齢社会総合研究機構や様々な関係者の協力のもと、「オーラルフレイル」という新たな考え方を加え健康長寿をサポートするべく、発信・啓発していきます。

4.「オーラルフレイル」の展望

「オーラルフレイル」の考え方や調査研究は現在進行形で進んでいるところであり、新たな知見やエビデンスの追加が今後さらに必要になってきます。

 また、急増する高齢者への現場での対応を含めて、日本歯科医師会会員が今後さらに研修および日常の臨床へと努力していくものであります。

「のばそうよ 健康寿命 歯みがきで」。日本歯科医師会が主催する「歯・口の健康啓発標語コンクール」で、昨年度の最優秀賞受賞作品。

 虫歯の「む」(6)「し」(4)の語呂合わせで虫歯予防と早期治療を呼びかける「歯と口の健康週間」が始まっている。

 歯の健康は、健康寿命のだいじなバロメーターだろう。

 子どもの虫歯はずいぶん減ってきている。

 歯磨きの習慣やフッ素を使った予防が浸透してきたためらしい。

 だが、虫歯が多くできる子供とゼロの子供の両極化が進んでいるといわれる。

 東京都足立区が2015年に区立小学校の1年生を対象に行った調査によると、生活困難世帯の子供は、そうでない世帯の子供と比べて5本以上の虫歯がある割合が2倍に上る。

 菓子を自由に食べ、歯磨きの回数も少ない。肥満の割合も高かった。

 歯の標語に通じる中村草田男(くさたお)の句がある。

 万緑(ばんりょく)の中や吾子(あこ)の歯生え初(そ)むる>

 わが子に初めて歯が生えた時の喜び。生命力あふれる草木の緑がまぶしい今ごろの季節である。

 この名句の発表以来、「万緑」は初夏の季語となった。
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