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たばこ、やめませんか! [健康短信]

 受動喫煙意識調査

 たばこでいちばんの問題は、言うまでもなく受動喫煙による健康被害だ。

 喫煙者本人が健康を害するのは、いわば自己責任、冷たくきめつければ自業自得だ。

 自分でもそれを承知で吸っているわけだから、はたでとやかく口出しするのは、よけいなお節介だろう。

 しかし、人に迷惑をかけてはいけない。最低、最悪である。

 たばこの先から発生する副流煙には、喫煙者自身が吸い込む主流煙よりも多くの有害な化学物質が含まれている。

 受動喫煙で、肺がんや心筋梗塞やぜんそくのリスクが高まるのはよく知られているが、最近の疫学調査では糖尿病にもなりやすいことがわかった。

 糖を処理するインスリンをつくる膵臓の働きが悪くなり、インスリンが効きにくくもなるためのようだ。

 繰り返すが、たばこでいちばんの問題は、受動喫煙である。

 たばこのみ本人もそのことはよくわかっているようだ。

 たばこ、やめませんか!

 製薬会社のファイザーが行った意識調査では、

 喫煙者の83.5%が、自分のたばこの煙が周囲の人に与える影響を気にしており、 85.6%が、周囲に人がいるところでは「たばこを控える」と回答している。

 この調査は、47都道府県9400人(各都道府県喫煙者・非喫煙者/各100人、計200人)を対象に、インターネットで行った。

 たばこの煙で不快な思いをした場合、

「吸うのをやめてほしいとハッキリ言う」人は、わずか3.8%。

「言いたいが我慢する」「その場を立ち去る」人が92.5%とほとんどだ。

 傍若無人のたばこのみが、遠慮深い人たちに黙認されているわけである。

 そうした状景を減らす最も効果的な施策は、人の集まる場所での喫煙を制限する「受動喫煙防止条例」だろう。

 すでに同条例が制定されている神奈川県と兵庫県以外の回答者9000人に、

「受動喫煙防止条例のような公的ルールを、お住まいの都道府県に設けることに賛成ですか?」という質問に、

 3570人(39.7%)が「賛成」、

 3194人(35.5%)が「どちらかといえば賛成」と回答している。

 喫煙者に限定しても、「賛成」が14.9%、「どちらかといえば賛成」が40.0%と、半数以上が条例の制定に肯定的である。

 肺の生活習慣病

 たばこがつくる病気といえば、肺がん。これは昔からよく知られている。

 いま世界的な大問題は、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)だ。

 有害な空気を吸い込むことによって、空気の通り道の気道(気管支)や酸素の交換を行う肺(肺胞)などに障害が生じ、呼吸がうまくできなくなる病気。

 最大の原因が長期間の喫煙習慣であることから、肺の生活習慣病といわれる。

 WHO(世界保健機関)調査では、高所得国における死因の第5位、低・中所得国では第6位だ。

 2020年には心疾患、脳卒中に次ぐ第3位になると予測されている。

 2000年に行われた大規模疫学調査によれば、日本人の有病率は8.6%、40歳以上の約530万が罹患していると推定される。

 だが厚生労働省の2008年の患者調査によると、医療機関でCOPDと診断された患者数は17万3000人に過ぎない。

 この病気の初期は自覚症状が少なく、ゆっくりと進行するため病気に気づいていない人が多いためである。

 代表的な症状は、息切れだ。

 階段や坂道の上がりで息を切らし、同年代の人と一緒に歩いていて、歩くペースが遅れがちになる。

 せきとたんがしつこく続き、病気が進むと口すぼめ呼吸をし、胸の前後の幅が増大してビヤだる状になる。

 まず禁煙!

 どんな病気でもそうだが、COPDの治療も、早く始めるほど、よい。

 ①40歳以上で、たばこを吸っているか、吸っていた人(長期喫煙者の7人に1人がCOPDになるといわれている)。

 ② せき、たんがしつこく続く。

 ③ 階段を上るとき息切れがする人は、ぜひ「肺機能検査」を──。

 息をいっぱい吸って、吐き出すだけの簡単な検査だ。

 治療は、まずたばこをやめること。

 禁煙外来や禁煙教室のある病院を受診し、禁煙を助ける薬を用いるのも一法だ。

 たばこをきっぱりやめて適切な治療を受ければ、病気の進行を遅らせ、せきやたん、息切れなどの自覚症状を抑えることができる。

 治療は、気管支を広げる気管支拡張薬になるが、症状によっていくつかの薬を組み合わせて用いる。

 とにかく、早く診察を受け、根気よく治療を続けることが何よりも大切。

 ある専門医はこう言っている。

「何年か先に、健康な人に近い生活を楽しめるか、ほとんどベッドの上で過ごすか。それはあなた次第です。

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