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心がつくる病気 心身症 身体表現性障害 [健康短信]

 心の悩みのせいで体の具合が悪くなる病気「心身症」 

 「心身症」はストレスが原因になりやすい。

 一方、「うつ病」も、ストレスが誘因になることが多い。

「だから心身症とうつ病は、根っこは結構近くて、病気の性質が違う、というふうに理解してください」と、中尾睦宏・国際医療福祉大学 医学部教授(心療内科 心身症全般、ストレス医学)。

ストレスが原因になる病気で、特に心身症的側面の強い病態は、神経性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、過敏性大腸炎、虚血性心臓病(狭心症、心筋梗塞)、円形脱毛症、不妊症、高血圧、動脈硬化、気管支ぜんそくなどがある。

そのほか心気症(自分の健康状態を必要以上に心配する精神症状)、不安神経症、ヒステリー、そううつ病、統合失調症などもストレスが発症の原因となりうる病態と考えられている。

心身症でもうつ病でも不安神経症でも、そして近年注目されるようになった身体表現性障害でも、体には何の異常も認められないのに、強い痛みが生じることがある。

心がつくる体の痛みだ。

心─このあえかにして不思議なるもの!

 心因性疼痛

痛みは、①末梢神経性疼痛。②中枢性疼痛。③精神的疼痛に分類される。

①は、ケガなどのように皮膚や粘膜などが傷害されたときや、炎症やけいれんなどによって内臓に起こる痛み。

②は、脳の中の病気が原因となって起こる痛み。

脊髄や脳幹などの中枢神経に起きた病変によって手足に強い痛みを感じることが多い。

③は、心因性疼痛ともいい、器質的障害(体の器官に生じた損傷)は全く認められず、心理的な要因のみで起こる痛みだ。

また、器質的障害に伴う痛みが、心因によって増強される例も多くみられる。

痛みというのは、医療の現場で最も頻繁にみられる訴えで、難治性で慢性疼痛の場合、患者は非常な苦痛を強いられ、医師は治療に難渋する。

身体的な要素が強い痛み(器質的障害に伴う痛み)に対しては、ひたすら最先端の医療をもって原因解明の検査を進めていき、原因が突き止められたら、それを解消する治療を行えばいいわけだが、心因性の痛みはとらえどころがない。

ある意味、最も厄介な痛みといえる。

 身体表現性障害

心に原因のある痛みは三つに分けられる。

一つは、うつ病の症状として現れる痛みで、もう一つは不安障害(ハッキリした原因もなく、激しい不安がしばしば生じ、どうき、息切れ、発汗、めまいなどさまざまな症状が現れる状態)。

三つめが、うつ病でも不安障害でもないが、やはり心の病気である「身体表現性障害」の症状の一つとして現れる痛みだ。

身体表現性障害には、疼痛性障害、身体化障害(頭痛、吐き気、腹痛、月経痛など体のいくつもの臓器に関連したさまざまな症状)、転換性障害(精神的な苦痛が身体的苦痛に転換された形の障害)、身体醜形障害(自分の体や美醜に極度にこだわる症状)など多くの病態があり、いわゆる「不定愁訴」と同じ病態とみていい。

まだあまり研究が進んでいないので、臨床的に見過ごされがちなことが多いそうだ。

聞けば聞くほどややこしい感じだが、心と体の連動で起こる多種多様な病気は、心療内科の担当だ。
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