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昼寝のすすめ [健康短信]

 お昼寝革命=福本容子

 世界一の富豪、といえばマイクロソフト創業者のビル・ゲイツさん……というのは昨年までの話。

 ついにトップ交代で、アマゾンの最高経営責任者、ジェフ・ベゾスさんが今年のナンバーワンになった。

 アメリカの経済誌フォーブスによる。

 どれだけお金持ちかといえば、保有資産が約11兆9000億円って。

 日本の防衛予算と公共事業予算を足した額とほぼ同じになる。

 要は、わからないくらい、いっぱい。

 で、成功の秘訣(ひけつ)は? 

 ベゾスさんが大事にしているのは睡眠だそうだ。

 毎日8時間、しっかり眠りエネルギーを補充。

 でないとシャープなアイデアは出てこないという。

 インターネット上でニュースやコラムを発信するアメリカのハフポスト。

 設立者のアリアナ・ハフィントンさんは、さらに踏み込む。

 睡眠革命という意味の「スリープ・レボリューション」という本まで書いている。

 社員はお昼寝タイムを、と社内に昼寝部屋も用意した。

 まずは自分が手本を示す。15~20分の職場睡眠で、仕事がはかどる。

 睡眠と労働生産性。

 最近よく話題になる関係だ。

 シンクタンクのランド研究所によると、働く人の睡眠不足がアメリカ経済に与える損失は、年間4110億ドル(約44兆円)に上る。

 国内総生産(GDP)の何と2・28%にあたる。

 えらいことだ。

 日本は国民の平均睡眠時間が7時間50分と先進国中、韓国の7時間49分に次いで短い。

 6時間未満という人が全人口の4割を占める。

 案の定、ランド研究所の報告書では、睡眠不足による経済損失がGDPの2・92%(14・7兆円)とアメリカ、イギリス、ドイツ、カナダのどこより大きい。

 だから働き方改革って?

 残業が目の敵みたいにされているけれど、残業代付きの残業を減らしたい、という下心見え見え。

 人手不足で現場が忙しくなるばかりという中、一人一人の仕事量は減らさず残業だけなくせば、タダ働きが増えるだけだろう。

 動機が、働く人にもっと元気で生き生きと仕事に打ち込んでほしい、という心ではないのだ。

 生産性向上は、働く人本位の経営から。

 手始めに、誰でも1日15分、遠慮なく昼寝ができる職場環境を作ってみよう。

 昼寝の分給料カット、なんてもちろん×

 毎日新聞2018年3月12日 東京夕刊

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