春眠 暁を覚えず [健康短信]
春の曙(あけぼの)、木々に雨が降っている。
「春眠 暁を覚えず/処処(しょしょ) 啼鳥(ていちょう)を聞く/夜来 風雨の声/花落つること 知る 多少ぞ」。孟浩然(もうこうねん)。
目借時(めかりどき)ゆふべのままの紙とペン 井上雪(いのうえゆき)
目借時とは春の陽気についうとうとする眠気をいう季語。
カエルが人の目を借りにくるからだとの俗説があり、「蛙の目借時」という言葉が俳人に喜ばれた。
目を借りるカエルについては、鎌倉時代の歌集にも「つとめすと寝もせで夜はを明かす身にめかる蛙(かわず)の心なきこそ/藤原光俊(ふじわらのみつとし)」がある。
人とカエルとの目と眠りの貸し借りはいつごろからあったのか。
眠りの貸借といえば「睡眠負債」という言葉が流行語になった。
こちらは日々のわずかな睡眠不足が借金のようにたまるという話だった。
それが脳の働きを大幅に低下させるばかりか、がんや認知症のリスクまで高めるという。
米大学の実験によると、睡眠不足の蓄積による脳の働きの衰えはなかなか自覚しにくい。
また休日の寝だめで一挙返済を図ると、かえって生活リズムを壊し、平日の負債増の恐れがあるという。
新しい生活のサイクルが始まる4月、働き盛りの20~50代で睡眠時間6時間以下の方はやはり見えない借金に気をつけた方がいいようだ。
平日の睡眠時間を少しでも増やし、眠りのリズムを整えていくチャンスにもなる新年度である。
「春眠暁(あかつき)を覚えず」だが、あまり寝過ごすのも問題らしい。
専門家は真っ暗な環境で通常より2時間以上寝過ごす人は睡眠負債があると思った方がいいという。
山に金太郎 野に金次郎 余は昼寝 三橋敏雄
金太郎の住む足柄山 金次郎が住んだ小田原の在の近くに家があった俳人のひょうげた一句に大いに笑わせてもらった。
世界一の富豪、アマゾンの最高経営責任者、ジェフ・ベゾス氏(保有資産=約11兆9000億円。日本の防衛予算と公共事業予算を足した額とほぼ同じ)の成功の秘訣(ひけつ)も、睡眠。
毎日8時間、しっかり眠りエネルギーを補充。
でないとシャープなアイデアは出てこないという。
インターネット上でニュースやコラムを発信するアメリカのハフポスト。
設立者のアリアナ・ハフィントンさんは、さらに踏み込む。
睡眠革命という意味の「スリープ・レボリューション」という本まで書いている。
社員はお昼寝タイムを、と社内に昼寝部屋も用意した。
まずは自分が手本を示す。15~20分の職場睡眠で、仕事がはかどる。
睡眠と労働生産性。最近よく話題になる関係だ。シンクタンクのランド研究所によると、働く人の睡眠不足がアメリカ経済に与える損失は、年間4110億ドル(約44兆円)に上る。
国内総生産(GDP)の何と2・28%にあたる。
日本は国民の平均睡眠時間は7時間50分と先進国中、韓国の7時間49分に次いで短い。
ランド研究所の報告書では、睡眠不足による経済損失がGDPの2・92%(14・7兆円)とアメリカ、イギリス、ドイツ、カナダのどこより大きい。
生産性向上は、働く人本位の経営から。
手始めに、誰でも1日15分、遠慮なく昼寝ができる職場環境を作ってみよう。
「春眠 暁を覚えず/処処(しょしょ) 啼鳥(ていちょう)を聞く/夜来 風雨の声/花落つること 知る 多少ぞ」。孟浩然(もうこうねん)。
目借時(めかりどき)ゆふべのままの紙とペン 井上雪(いのうえゆき)
目借時とは春の陽気についうとうとする眠気をいう季語。
カエルが人の目を借りにくるからだとの俗説があり、「蛙の目借時」という言葉が俳人に喜ばれた。
目を借りるカエルについては、鎌倉時代の歌集にも「つとめすと寝もせで夜はを明かす身にめかる蛙(かわず)の心なきこそ/藤原光俊(ふじわらのみつとし)」がある。
人とカエルとの目と眠りの貸し借りはいつごろからあったのか。
眠りの貸借といえば「睡眠負債」という言葉が流行語になった。
こちらは日々のわずかな睡眠不足が借金のようにたまるという話だった。
それが脳の働きを大幅に低下させるばかりか、がんや認知症のリスクまで高めるという。
米大学の実験によると、睡眠不足の蓄積による脳の働きの衰えはなかなか自覚しにくい。
また休日の寝だめで一挙返済を図ると、かえって生活リズムを壊し、平日の負債増の恐れがあるという。
新しい生活のサイクルが始まる4月、働き盛りの20~50代で睡眠時間6時間以下の方はやはり見えない借金に気をつけた方がいいようだ。
平日の睡眠時間を少しでも増やし、眠りのリズムを整えていくチャンスにもなる新年度である。
「春眠暁(あかつき)を覚えず」だが、あまり寝過ごすのも問題らしい。
専門家は真っ暗な環境で通常より2時間以上寝過ごす人は睡眠負債があると思った方がいいという。
山に金太郎 野に金次郎 余は昼寝 三橋敏雄
金太郎の住む足柄山 金次郎が住んだ小田原の在の近くに家があった俳人のひょうげた一句に大いに笑わせてもらった。
世界一の富豪、アマゾンの最高経営責任者、ジェフ・ベゾス氏(保有資産=約11兆9000億円。日本の防衛予算と公共事業予算を足した額とほぼ同じ)の成功の秘訣(ひけつ)も、睡眠。
毎日8時間、しっかり眠りエネルギーを補充。
でないとシャープなアイデアは出てこないという。
インターネット上でニュースやコラムを発信するアメリカのハフポスト。
設立者のアリアナ・ハフィントンさんは、さらに踏み込む。
睡眠革命という意味の「スリープ・レボリューション」という本まで書いている。
社員はお昼寝タイムを、と社内に昼寝部屋も用意した。
まずは自分が手本を示す。15~20分の職場睡眠で、仕事がはかどる。
睡眠と労働生産性。最近よく話題になる関係だ。シンクタンクのランド研究所によると、働く人の睡眠不足がアメリカ経済に与える損失は、年間4110億ドル(約44兆円)に上る。
国内総生産(GDP)の何と2・28%にあたる。
日本は国民の平均睡眠時間は7時間50分と先進国中、韓国の7時間49分に次いで短い。
ランド研究所の報告書では、睡眠不足による経済損失がGDPの2・92%(14・7兆円)とアメリカ、イギリス、ドイツ、カナダのどこより大きい。
生産性向上は、働く人本位の経営から。
手始めに、誰でも1日15分、遠慮なく昼寝ができる職場環境を作ってみよう。
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