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半身浴起原 [雑感小文]

 半身浴起原

 ノーベル物理学賞の益川敏英博士が、「六つのクォークモデル」を思いついたのは、風呂の中だった。
 
湯につかりながら考えあぐね、「四つのクォーク」をあきらめようと立ち上がった瞬間、「六つならいける!」とひらめいた。

 博士は、時間を決めて行動するのが好きな人で、出勤は毎朝午前8時2分、風呂に入るのは午後9時36分と決めていると、新聞で読んだ。

 風呂から上がる時間は記されてないが、風呂の中で考えごとをするのだから、カラスの行水ではないだろう。

 半身浴の長風呂ではないだろうか。
 
ところで、この半身浴という語、今は誰でも知っていて、「広辞苑」第六版にも収録されたが、27年前にできた新語である。

 当時、「冷えとり健康法」を提唱していた進藤義晴医師の、「冷えをとるにはみぞおちから下をぬるい湯に長時間つけるのがよい」という入浴法(進藤医師は「腰湯」と表現)を、雑誌『壮快』1989年3月号で「万病に効く半身浴」と紹介したのが、このコトバが活字になった最初だ。
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U字形死亡率 [医学・医療・雑感小文]

 U字形死亡率

 血液中のコレステロールは少ないほどよいというのは、大誤解だ。

 コレステロールが体に不足すると、肺炎や結核などの感染症にかかりやすくなるし、血管の壁が弱くなって破れる脳出血を起こしやすくもなる。

 8000人の男性を9年間、追跡調査したアメリカの研究で、心臓病はコレステロール値が高いほど多く、がんはコレステロール値が低いほど多いことが明らかにされている。
 
脳卒中の発症が最も低くなるのは、総コレステロール値240~260㍉㌘(血液1㌥㍑中)であることもわかった。

 同じような結果は、内外の他の研究でも確かめられている。

 それをグラフにすると、多すぎるほうと少なすぎるほうの両端に死亡率が高く、中くらいの人は低い、U字形になる。

 なぜ、体にコレステロールが少なくなると、がんになりやすいのか。

 コレステロールが少ないと、がんを予防するのに役立ついくつかの栄養素も不足することになるからではないか、細胞が老化しやすく、がん化しやすくなるのではないか─といわれている。
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コレステロール [医学・医療・雑感小文]

  コレステロール

 ざっと半世紀も昔の話。

 東京近郊のある町で成人病(生活習慣病の旧称)について勉強している人たちの集まりに、柴田博・東京都老人総合研究所研究員が、招かれて講演した。

 そのとき、

「血液中のコレステロールが低いほど長生きする、と思う人は?」と聞いてみたら、8割ぐらいの人の手がサッと挙がった。

 素人とはいえ、成人病勉強会の人たちでさえこうなのだから、他は推して知るべし。

 コレステロールは体によくないものと思っている人が、いまでもけっこう多いのではないだろうか。

 確かに血液中に異常に多くのコレステロールがたまると、動脈硬化が早く進み、心筋梗塞(こうそく)などの原因になるのは事実だ。

 が、だからといって、コレステロールを一方的に悪者と決めつけるのは、とんでもない誤解だ。

 高齢者のコレステロールと長生きの関係を調べた疫学調査で、最も生き残り率の低かったのは、コレステロール値が最も低い159㍉㍑未満(血清1㌥㍑中)のグループで、最も生き残り率の高かったのは195~214㍉㍑のグループ、2番目が214㍉㍑以上のグループだった。

 血中コレステロール値は高すぎても低すぎてもよくない。

 低いほど長生き─というのは大ウソだ。
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アルブミン [医学・医療・雑感小文]

アルブミン

生きものの体はたんぱく質でできている。

生命のもとはたんぱく質だと言いかえてもいい。

たんぱく質の極限のかたちをしたものが、単純たんぱくのアルブミンで、筋肉を作り、代謝にかかわる酵素を働かせるなど、さまざまな作用を行う。

血清中のアルブミンは栄養の指標であり、加齢とともに低下するため老化の指標にもなる。

アルブミンの数値が下がると、感染症に弱くなり、抗生物質も効きにくくなるという。

東京都老人総合医療センターで亡くなった人の血清アルブミン値は、入院時は平均3.5㌘(血液一〇〇cc中)で、死亡時は平均2.6㌘だ。

健康な人のそれは4㌘以上だ。同センターは、東京都小金井市に住む70歳以上の人を10年間、追跡調査し、血清アルブミン値の低い人から亡くなることを明らかにした。

調査をした柴田博教授によると、

「牛乳を飲まない男性が最も長生きしない。飲む男性と飲まない女性の生存率がほぼ重なり、飲む女性が最も長生きすることがわかった」。
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アンチvsサクセスフル [雑感小文]

 エイジング

 このごろはアンチ・エイジングとかいって、年をとるのが、なにか悪いことのように思われているようだ。
 
だが、生きているというのは年をとるということだ。

 それに逆らうのではなく、ゆっくり自然に年を重ねるスロー・エイジングを心がけたらよいのではないか。

 エイジング、なにも悪いばかりではない。ウイスキーやワインなどのエイジング(熟成)は良質の証明とされる。
 
かねがねそう思っていたところ、メディアミルクセミナーで、「サクセスフル・エイジング」という言葉を知った。

 講師の柴田博・桜美林大学大学院教授(老年学)によれば、この言葉には、①長生き、②高い生活の質、③高い社会貢献、が必要条件と考えられている。

 病気を賢く予防し、健康寿命を延ばすことで、自分の人生に満足する。

 そして社会に支えてもらうのではなく、ボランティア活動などで社会を支える側に回る。

「自分の健康を高めるための社会貢献。これからの健康観には③まで入れることが重要です」というお話だった。
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耳鳴りあれこれ [医学・医療・雑感小文]

 耳鳴りあれこれ

 ◎健康な耳鳴り

 以前、石原慎太郎氏が、自分の耳鳴りについて話していた記事を読んだことがある。

 耳鳴りに悩まされている人はけっこう多い。一度発症すると、えんえんと続く例が少なくないからだ。

「耳鳴りは、100人のうち1人でも治れば、その治療法は成功だ」と言った耳鼻科の大家がいた。それくらい治しにくい。

 だから「耳鳴りは健康な人にもあるのだから、あまり気にしないで、<耳鳴りを友として>つき合っていけばよい」と、患者に因果?を含める医師もあるようだ。

「それは耳鳴りの苦痛をご存じない人の言うことです。健康な耳鳴りと、病的な耳鳴りは全く違います」

と、めまい・耳鳴り治療の名医として知られる、坂田英治・埼玉医大名誉教授。

 健康な耳鳴りは、内耳のリンパ液の微かな揺らぎによるもので、静かなところではその揺らぎを感じて、誰でも耳が鳴る。

 夜がシンシンと更けるとか、林がシーンと静まるという、あれは耳鳴りからきた表現だという。

 むろん病気でもなんでもない。病的な耳鳴りはとてもそんなものではない。

 
◎病的な耳鳴り

 病的な耳鳴りの原因はさまざまあるが、大まかにいって、85~90%は内耳性のもので、例えばメニエル病、突発性難聴、中耳炎の影響が内耳に及んだもの、聴神経腫瘍(しゅよう)などだ。
 
あとの10~15%は高血圧や脳腫瘍などで、これらは頭鳴(ずめい)といい、専門医は耳鳴りとは区別する。

 純然たる耳鳴りの中で生命にかかわるものは、中耳炎から内耳炎になったものや聴神経腫瘍ぐらいで、そう多くはない。

 とはいえ、非常な苦痛に悩まされる人が多く、高度難聴の治療中に「もう聴こえなくてもいいです。耳鳴りだけなんとかしてください」と訴える人さえあるという。

 そうした耳鳴りにすぐれた成績を上げているのが、坂田英治・埼玉医大名誉教授が開発した、内耳にステロイド剤を注入する治療法だ。

 耳の穴から鼓膜に針を刺し、薬を入れると、中耳からしみ込んで内耳に達し、耳鳴りが鎮まる。
 
鼓膜は、中耳炎の手術で切開しても自然に張りついてしまうほど再生力がある。

 注射針を刺すことに何ら心配はご無用だそうだ。
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新説「10円ハゲ」 [医学・医療・雑感小文]

 新説「10円ハゲ」

 頭の中に1個か2個、いわゆる「10円ハゲ」ができる円形脱毛症の9割は、放っておいても1年以内に治る。

残りの1割がやっかいで、だんだん広がって頭の毛が全部抜ける全頭脱毛症や、まゆ毛やわき毛など全身の毛が抜ける汎発(はんぱつ)性脱毛症に進展する。

 治りやすいものと、そうでないものとを見分ける一つの目安は、脱毛した部分の周りの毛を引っ張ってみるといい。

 すっと抜けてくるようだと、病気は進行性で活動期にある。抜けなければ、一応そこで止まっているといえるそうだ。

 円形脱毛症の原因は、ストレス説、自律神経障害説、血管障害説、ウイルス感染説、内分泌異常説、遺伝説などさまざまあった。

 近年の研究で、脱毛が起きた部分の毛根部にリンパ球がいっぱい侵入して毛包(毛を作り出す組織)を攻撃し、働きを失わせていることがわかり、自己免疫疾患説が有力になった。

 発症して半年以内なら免疫抑制剤のステロイドの点滴治療が70%以上有効という。

 10円ハゲが広がる気配が見えたら早めに皮膚科へ。
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子宮頸がん情報サイト [医学・医療・雑感小文]

 情報サイト

 子宮頸(けい)がんは性交渉の経験があるすべての女性に起こり得る病気で、特に20~30歳代の女性では最も罹患率の高いがんだが、その理解は決して十分ではない。

 まだ若いから、男性経験が多いわけではないから、家族に子宮頸がんの人がいないから、関係ない─といった誤解をしている人があまりにも多い。

 製薬会社のグラクソ・スミスクラインは、「すべての女性のための子宮頸がん情報サイト」を開設、

「自分には関係ないと思っていませんか? まずは正しい知識を身につけて!」と呼びかけている。

 主なコンテンツは、

 ●たくさんの誤解、たった三つの事実。

─子宮頸がんの原因、治療、予防などをわかりやすく解説。
 
●7日ではじめる、私の子宮がん対策。

─25歳のOLが、先輩の女性社員との会話をきっかけに子宮頸がんに関心を持ち、この疾患について調べたり、友人、両親、妹、恋人とかかわる中で変わっていく1週間の心の動きをストーリー仕立てで展開。親しみやすい構成内容となっている。
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受診と知性 [医学・医療・雑感小文]

 受診と知性

子宮頸(けい)がんの99%はヒトパピローマウイルス(HPV)が原因だ。

カナダの調査だが、女子学生が大学に入学した時点のHPV保有率は10%程度だが、2年、3年と進むにつれ、半数近くが一過性にHPVを保有することがわかった。

性交渉が始まれば、感染するのは当たり前のウイルスなのだ。

HPVのうち、がん化するタイプは特定されている。

感染した女性の9割は自然治癒し、持続感染になった10~40%のごく一部に前がん病変ができ、そのまた一部の人だけが子宮頸がんになる。

つまり子宮頸がんは、がんになる前に見つけることができるわけで、これが子宮頸がんの大きな特徴だ。

ところが、子宮頸がん検診の受診状況を見ると、自治体検診を受けた人が14%、企業検診が8%、外来や人間ドックを自主的に受けた人が8%程度。約70%の女性は検診を受けていない。

「この7割の中に失わなくてもいい命を失っている人がいる。これが日本の現状です」と専門医の宮城悦子先生。

知的な女性は受診率が高いそうだ。
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悲しい誤解 [医学・医療・雑感小文]

 悲しい誤解

 主婦A子さん(37)は、子宮がん検診を受けたところ陽性で、精密検査によって早期の子宮頸(けい)がんと診断された。

 インターネットで調べて、子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)が原因と知った。

 自分には身に覚えがない。

 夫からうつされたと思うと、悔しく、恥ずかしく、怒りは憎しみに変わった。

 子宮頸がんをこのように受け止めてしまう人が少なくないと、産婦人科領域の腫瘍(しゅよう)専門医、宮城悦子・横浜市立大化学療法センター長が、メディアセミナーで話した。

「子宮頸がんの99%はHPVが原因です。

 このウイルスは、ありふれた常在ウイルスで、正常女性の10~30%は保有しています。

 性交渉での一過性感染はあって当たり前で、感染した人の9割は自然治癒し、治癒しない人の1~3割が前がん状態となり、さらにその1割が子宮頸がんへと進展します。

 夫や彼氏が悪いのではなく、自分自身の免疫力も関与しているのだと理解してほしいと思います」 ということだった。
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