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不整脈連合 [医学・医療・雑感小文]

不整脈連合

 在日米国商工会議所(ACCJ)が主催した「心疾患国際患者会シンポジウム」で、英国の患者団体「不整脈連合」の創設者、トゥールディ・ロバンさんの話を聞いた。

 ロバンさんが、同団体を組織したきっかけは、よちよち歩きの女の子が、一日に何度も倒れて失神するようになったことだった。

「脳に問題があるのかと疑いましたが、どの病院でも〝原因不明〟。
 
 途方に暮れた私は、電話をかけまくり、スコットランドに一人の医師を訪ねることができました。

 そこでの検査で、娘の心臓が発作時には28秒も止まることがわかりました。

 〝同様の子どもを10人知っている。みんなと相談して支援団体を立ち上げてみないか〟と医師に勧められたのが始まりです」
 
詳しく調べたところ、「てんかん」と診断された成人の30%と小児の39%が、この症状─誤診だった。

「私は、ブレア首相が頻脈で悩んでいると知り、それがどれほど怖いことかを訴え、保健相を説得して政府の協力を取りつけ、王室の支援を得て、組織は成長しました」
 
活動の場を世界に広げ、ブロードウェーの舞台で演技中に失神した俳優に、患者の思いを代弁してくれるよう頼んだりもした。

「私たちが1年前に作った<意識喪失チェックリスト>は、ウェブサイトでも提供、全世界の医療専門家が使い始めています。

 失神について正しい診断が受けられるようになり、研究の促進にも役立っていると思います。

 私がこの運動を始めたのは、てんかんなどとの誤診を防ぎたいという一心でした。

 運動は、多くの心突然死を防ぎ、命を救っています。間違った薬を長くのみ続けていた人もいましたが、今はペースメーカーを使って元気に暮らしています。娘も大学生になりました。

 日本でも不整脈連合のような団体ができれば幸いです」

 ─ロバンさん、強い意志の感じられる知的な美しい女性だった。
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