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最も厄介なコンプレックス [医学・医療・雑感小文]

  口臭問題

 いろいろなコンプレックスのなかで「口臭」ほど厄介なものはないのではないか。

 製薬会社のヤンセンファーマが、20~30代OL約300人に聞いた「上司に関するアンケート」でも、上司の身だしなみで気になるもののトップは、口臭・体臭の91・5%だ。

 ちなみにワースト3のあとの二つは、フケ症・肩にのったフケ=83・0%、だらしない服装(汚れたネクタイ、よれよれのスーツ)=76・4%だ(複数回答)。

 口臭がある(あるいは自分の口臭に気づいてない)人が多い半面、実際には口臭はないのに口臭を気に病んでいる人も少なくない。

 自分の口臭は自分ではわからないからだ。

「口の前に手をかざして、鼻の穴に向けて息を吐きかければいいんだ」という、サリンジャーの主人公(『ライ麦畑でつかまえて』のホールデン)の口臭判別法も、実際には全く役に立たない。

「ある」のに「ない」と思っている人。

「ない」のに「ある」と思い込んでいる人。

 そんなこんなで、口臭問題はややこしくなる。

 ただ、ひとつハッキリしているのは、口臭の原因のほとんどは口の中にあるということだ。
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