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心の支え [雑感小文]

心の支え

 だいぶ遅ればせながら本年の文化勲章受章者と文化功労者のお顔ぶれをていねいに拝見、電卓をたたいて平均年齢を算出してみた。

 文化勲章受章者6人の最年長者は画家・彫刻家の草間彌生氏87歳で、最年少者はノーベル医学生理学賞の大隅良典氏71歳。平均年齢は81.5歳。

 文化功労者15人の最年長者は書の尾崎邑鵬、小山やす子両氏の92歳で、最年少者は情報科学の西尾章治郎氏の65歳。平均年齢は78歳。

 みなさまいずれ劣らぬ「老いの達人」ばかりで、車椅子のかたもおられたが、深い人間性の刻まれた顔容に、不自由な肢体を支える強固な精神力が感じられた。

 またまた昔の話で恐縮。

 昭和30年前後の「うたごえ運動」のテーマソング(?)の歌い出しは「若者よ、体を鍛えておけ」だった。

 なぜ体を鍛えておかねばならないのか? 「美しい心が、たくましい体に支えられる日」が、いつかは来るだろう。

「その日」のために─心の挫折を防ぐために、体を鍛えておけ、というのだった。

 では……と思う。

 老人は心を鍛えておかねばならない。

 衰弱した体が、強い心に支えられる日が、すぐそこまで来ているからだ。
 
 老年の日々は、青春の日々とは異質の変化と試練の連続である。

 いつ決定的場面が訪れるかわからない。

 そのとき、あわてふためき、うろたえたり、取り乱したりしないためには、強い心が頼りだ。
 
 心をしっかり鍛えておこうと思う。
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