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袋の味症候群 [医学・医療・雑感小文]

個食と孤食が非行の一因

東京都予防医学協会が行っている「貧血検診」によると、女子中・高生の約15%が貧血の一歩手前の「潜在性鉄欠乏」だという。

「潜在性鉄欠乏をほっておけば重症化する。

体が急成長し、生理が始まる思春期は、本人が気づかないうちに貧血が進行しているケースがある。

極端なダイエットや偏食も一因と考えられる」

と、調査に当たった小児科医は指摘している。

男子生徒には貧血はまれだったが、脂質異常症状態がかなりみられた。

コンビニで若者たちの食品の買い方を観察した検診医は、

「カップめんと菓子パン、清涼飲料水と菓子パン、おにぎりとアイスクリームといった具合に、栄養素の必要量やバランスは全く頭にないように見えた」となげいている。

学生や若いサラリーマンなど一人暮らしの「個食」でまず問題になるのが、ファストフードとレトルト食品─まな板を使わない、おふくろの味ならぬ「袋の味」による栄養障害だ。

ビタミンB1やC、カルシウムが不足し、だるい、眠い、根気がなくなる。

加工食品からは、製造過程でカルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄、亜鉛などのミネラルが失われやすい。

体内にこうしたミネラルが不足すると、貧血、骨粗しょう症、味覚障害などさまざまな健康被害が生じる。

カルシウムが不足すると、イライラしたり、怒りっぽくなったり、神経質になったり、集中力が低下する。

また、インスタント食品などの添加物のリン酸やタール系色素(スナック菓子にも多く含まれている)は脳にも悪影響を及ぼし、子どもがキレる原因になるといわれる。

「袋の味」は体だけではなく、心も壊すようなのだ。

もう一つ、キレる子どもをつくる要因として、学校現場の教師や心理学者、栄養学者などの専門家が指摘しているのは、「朝食抜き」と子どもが独りぼっちで食べる「孤食」だ。

「朝食も作ってくれない親は、自分に愛情がないのではないか」とか「家がつまらない」といった感情のアンバランスを引き起こす。

ある少年院の法務教官は、朝食抜きと孤食が、少年非行の大きな一因だと言っている。
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