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春温を病む [医学・医療・雑感小文]

 春の物思いは「季節性うつ症」

花が咲き、鳥が鳴き、風が光る。

暖かくてのどかでさわやかな春は、身も心も明るくのびやかになる。気力が満ちる。

半面、なにか憂うつで気分が沈み込むこともある。

そんな心の移ろいを「春愁」とか「春温を病む」というそうだ。

「春愁 春の物思いであり、憂えであり、哀愁である」と俳句歳時記にある。

現代医学的には「季節性うつ症」か。

冬の「寒邪」が体に残ったまま春になり、陽気に当たるので病を起こすとか、春の南風が原因といわれる。

「南風」を「ようず」と呼び、頭痛や眠気を誘う風としている地方もあるそうだ。

春に心身のバランスが崩れやすいのは、気温の上昇とともに悩内の神経伝達物質が減るためだという説がある。

萩原朔太郎が「春の感情」という詩で、

「うれはしい かなしい さまざまのいりこみたる空の感情」

  とうたったのは、そんな気分か。

新入生や新社会人は無我夢中の約1カ月が過ぎるころ、心身の変調を感じる。

いわゆる「五月病」がしのび寄る。

睡眠と休息を十分とり、リフレッシュして春愁を乗り切ろう。
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