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及第がゆ [医学・医療・雑感小文]

 天暗く七草粥(ななくさがゆ)の煮ゆるなり 前田普羅

 年末年始の暴飲暴食で疲れ果てた胃袋をいたわり、おせち料理の偏った栄養を補う七草がゆは、優れた食の知恵だ。

「せり、なずな(ぺんぺん草)、ごぎょう(母子草)、はこべら(はこべ)、ほとけのざ(たびらこ)、すずな(かぶ)、すずしろ(大根)これぞ七草」

 という歌は鎌倉時代のもの。

 すずな、すずしろ以外はみな野草。

 なずなは利尿、解熱剤、はこべは動悸(どうき)息切れをしずめるなど、七草それぞれの薬効も知られている。

 七草がゆは中国伝来の風習だが、科挙(官吏登用の国家試験)の制度があった時代の中国では、難関に挑む受験生が、合格の祈りを込めて「及第がゆ」を食べたという。

 豚の肝臓(レバー)心臓(ハツ)腎臓(マメ)と魚の刺身が入った栄養満点のおかゆだったらしい。

 おかゆは消化がいいが、軟らかいのをいいことにろくにかまずに食べたのでは、かえって不消化のもと。

 消化の第一歩はまずかむこと。

 おかゆもよくかんで食べよう。


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