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沈黙の臓器 [医学・医療・雑感小文]

 忘年会から新年会、さらには寒さしのぎの一杯…冬は肝臓の受難の季節だ。

 肝臓は、人体の中の化学工場兼貯蔵用倉庫のようなもので、約2500億個の肝細胞が、500種類以上の化学処理の作業をしている。

 食物の栄養素が体の成分に変わるのも、食物の中に含まれている有毒物質が解毒・排せつされるのも、肝臓の働きによる。

 胃や腸で消化吸収された食物の成分は、門脈という血管を通って肝臓に集まる。

 そして糖質はブドウ糖に分解され、たんぱく質はアミノ酸に分解され、脂肪からはコレステロールが作られる。

 一方、化学処理によって不要のもの、毒に変わったもの、外から入ってきた毒(薬や食品添加物、アルコールなどがつくる毒)も害の少ない形に変えられ、排せつされやすくなる。

 このほか多くのさまざまな仕事を、肝臓は一瞬の休みもなしに黙々と続けている。

 肝臓の能力にはかなり余裕があり、仮に異常が生じても、よほど悪くならない限り、その異常は症状となって現れない。

 で、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれる。



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