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かゆみと不眠 [医学・医療・雑感小文]

 年をとると体がかゆくなる。

 肌が乾くからだ。

 冬はさらにそうなる。

 夜寝ているときもかゆく、眠りが浅くなる。

 だがスキンケアクリームでかゆみを抑えると睡眠の質が向上することを、日常生活におけるQOL(生活の質)のさまざまな研究を進めている古賀良彦・杏林大学医学部教授と、ユースキン製薬のスタッフが確かめた。

 古賀教授らは、ある介護老人保健施設の介護士の協力を得て、老人性掻痒(そうよう)症を訴える71歳~96歳の男女8人の患部に1日1回(入浴後や就寝前)、スキンケアクリームを塗布し、睡眠状態をアクチグラフ(睡眠の質と量の変化を記録する腕時計型センサー)で観察した。

 2週間後、ひっかき部分の皮膚の状態が改善し、かゆみが軽快、睡眠中の無動の時間(熟睡時間)が増えた。

「夕方から夜にかけては、かゆみ成分のヒスタミンが活性化する。

 そのうえ体幹部の温度の低下、皮膚表面温度の上昇によりかゆみが増幅し、睡眠の質が低下する。

 スキンケアクリームを上手に使うとよい」と古賀教授。

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