急性心不全は病名ではない [医学・医療・雑感小文]
突然死を招く心臓病、原因と予防
俳優の大杉漣さんの突然の死去にはほんとうに驚いた。
すぐにはしんじられなかった。
死因は急性心不全と報道された。
急性心不全とは、「心臓に器質的および/あるいは機能的異常が生じて急速に心ポンプ機能の代償機転が破綻し,心室拡張末期圧の上昇や主要臓器への灌流不全を来たし,それに基づく症状や徴候が急性に出現,あるいは悪化した病態」(急性心不全治療ガイドライン)と定義されている。
ひらたく言えば、「心臓が何らかの理由で急激に動かなくなり、循環状態に病的な影響を及ぼす」という状態。
心臓は全身に血液を送るポンプの役割を果たしているが、そのポンプが故障したために全身に血液を循環させる事ができなくなるわけだ。
血液には体の機能を維持するための酸素や栄養素が含まれているが、その血液が全身を循環できないという事は死に直結する。
もっとも厚生労働省報告には、急性心不全という疾患分類はなく、明確な実態や動向は明らかにされていない。
一つの疾患としての分類には急性心不全は位置づけられておらず、疫学的な調査も本格的にはあまり行われていないようだ。
急性心不全を起こす原因は、心疾患の三大危険因子と言われる「高血圧・糖尿病・高コレステロール血症や高脂血症などといった脂質代謝異常」から、「風邪などの感染症」、「アルコール」、「ストレス」など非常に多くのものが複合的に絡んでいる。
もともと不整脈が持病にある人が急性心不全を起こす事も多く、心室細動など致死性不整脈が急性心不全の原因のひとつともなることも多い。
東京都監察医務院のHPによると、急性心臓死あるいは心臓発作の大半が虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)と報告している。
虚血性心疾患では安静時や労作時など時を問わず突然意識をなくし倒れ、症状出現後1分以内に命を落とすこともある。
そうした短時間で心肺停止に陥った場合、ただちに救急搬送しても蘇生することはきわめて困難といわれている。
もし、目の前で意識不明の状態に陥った人がいた場合、その原因がもし致死性不整脈による急性心不全であれば、すぐさまAED(自動体外式除細動器)を使用することで救命できるかもしれない。
AEDは動作が自動化されているので、機械が適切に判断し、必要な場合のみ電気ショックを流す仕組み。
AEDによって助かる命がふえることは確実。
もし目の前で誰か倒れて「意識がなく」「呼吸がない」場合には、たとえ原因がわからなくてもすぐさまAEDを━。
日ごろより自分の持ち場のどこにAEDがあるか把握し、的確に救命処置が行えるためにも自治体などが行っている救命講習を受けておきましょう。
急性心不全は予防できうるか
基礎疾患や原因が一つとは限らず完全に予防するのは難しい急性心不全だが、その状態に陥るリスクを減らすことはできる。
急性心不全のリスクを減らすためには
・会社などの定期健康診断は必ず受診する。
・定期的に血圧測定をする(特に30歳以上の人)。
・塩分はできるだけ少なくする。肥満を防ぐ。
・何か症状が出たら医療機関に受診する。
・禁煙。
・ストレスをさける(特に競争心が強い努力家、性急、短気な人)。
・スポーツなどの趣味を適度に生活の中に取り入れ、睡眠を十分に取る。
「おたくま経済新聞」より引用・要約。
俳優の大杉漣さんの突然の死去にはほんとうに驚いた。
すぐにはしんじられなかった。
死因は急性心不全と報道された。
急性心不全とは、「心臓に器質的および/あるいは機能的異常が生じて急速に心ポンプ機能の代償機転が破綻し,心室拡張末期圧の上昇や主要臓器への灌流不全を来たし,それに基づく症状や徴候が急性に出現,あるいは悪化した病態」(急性心不全治療ガイドライン)と定義されている。
ひらたく言えば、「心臓が何らかの理由で急激に動かなくなり、循環状態に病的な影響を及ぼす」という状態。
心臓は全身に血液を送るポンプの役割を果たしているが、そのポンプが故障したために全身に血液を循環させる事ができなくなるわけだ。
血液には体の機能を維持するための酸素や栄養素が含まれているが、その血液が全身を循環できないという事は死に直結する。
もっとも厚生労働省報告には、急性心不全という疾患分類はなく、明確な実態や動向は明らかにされていない。
一つの疾患としての分類には急性心不全は位置づけられておらず、疫学的な調査も本格的にはあまり行われていないようだ。
急性心不全を起こす原因は、心疾患の三大危険因子と言われる「高血圧・糖尿病・高コレステロール血症や高脂血症などといった脂質代謝異常」から、「風邪などの感染症」、「アルコール」、「ストレス」など非常に多くのものが複合的に絡んでいる。
もともと不整脈が持病にある人が急性心不全を起こす事も多く、心室細動など致死性不整脈が急性心不全の原因のひとつともなることも多い。
東京都監察医務院のHPによると、急性心臓死あるいは心臓発作の大半が虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)と報告している。
虚血性心疾患では安静時や労作時など時を問わず突然意識をなくし倒れ、症状出現後1分以内に命を落とすこともある。
そうした短時間で心肺停止に陥った場合、ただちに救急搬送しても蘇生することはきわめて困難といわれている。
もし、目の前で意識不明の状態に陥った人がいた場合、その原因がもし致死性不整脈による急性心不全であれば、すぐさまAED(自動体外式除細動器)を使用することで救命できるかもしれない。
AEDは動作が自動化されているので、機械が適切に判断し、必要な場合のみ電気ショックを流す仕組み。
AEDによって助かる命がふえることは確実。
もし目の前で誰か倒れて「意識がなく」「呼吸がない」場合には、たとえ原因がわからなくてもすぐさまAEDを━。
日ごろより自分の持ち場のどこにAEDがあるか把握し、的確に救命処置が行えるためにも自治体などが行っている救命講習を受けておきましょう。
急性心不全は予防できうるか
基礎疾患や原因が一つとは限らず完全に予防するのは難しい急性心不全だが、その状態に陥るリスクを減らすことはできる。
急性心不全のリスクを減らすためには
・会社などの定期健康診断は必ず受診する。
・定期的に血圧測定をする(特に30歳以上の人)。
・塩分はできるだけ少なくする。肥満を防ぐ。
・何か症状が出たら医療機関に受診する。
・禁煙。
・ストレスをさける(特に競争心が強い努力家、性急、短気な人)。
・スポーツなどの趣味を適度に生活の中に取り入れ、睡眠を十分に取る。
「おたくま経済新聞」より引用・要約。