SSブログ

がんはいい病気 [雑感小文]

 国立病院機構九州がんセンター名誉院長で、日本尊厳死協会九州支部長でもある大田満夫先生の『私は、がんで死にたい』(社会思想社)という本を読んだ。

 人はみな、いつかは必ず死ぬ。

 これほど確かな事実はない。

 同じ死ぬなら、最期を自分の意思通りに生きて死にたい。

 それには、がんは決して悪くない。

 むしろがんで死ぬほうがいい――と大田先生は言っていられる。

 昔は、「がん=死」であり、しかも苦しんで死ぬ病気だった。

 いまはそうではない。

 早期がんは治るし、前立腺がんの5年生存率は92%、乳がんや子宮がんも80%を超え、胃や腸のがんでも50%以上だ。

 大半の人が少なくとも5年間の生命を保証されているわけだ。

 進行度を正確に測り、余命を推定できる。

 自分に残された時間を計画的に過ごせる。

 苦痛はモルヒネなどの内服でほぼ100%抑えられる。

 中毒症状や意識障害もない。

「この疼痛対策はWHO(世界保健機関)の協力で急速に浸透しています。

 これをしないのは医者の怠慢です」

 大田先生は、そう言い切っておられる。

 80歳以上の半数はがんの芽をもっている。

 がんを「天寿」と考えてうまく付き合っていこう。

 拙者ことマルヤマも現役のがん患者。

 がんが発覚したのが、1999年秋だから、足かけ2世紀!にわたって、がんと楽しくつき合っている。

 その一部始終は拙著『「がん」はいい病気』(マキノ出版刊)に書いた。
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。