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パニック障害 [医学・医療・雑感小文]

 若い友人(38歳。会社員)が「パニック障害」にとりつかれた。

 6月初旬のある朝、出社のため乗った地下鉄の三つ目の駅で、ドアが閉まったとたん、わけもなく奇妙な不安感に襲われた。

 いまにも窒息しそうなほど息苦しく、鼓動が激しくなり、あぶら汗が噴き出て、足が震え、満員の電車の床に座り込んでしまった。

 次の駅でふらふらと下車。
 
 受診した病院で「パニック・ディスオーダー(パニック障害)」と診断された。

 2週間おきの通院治療が効を奏し、8月以降、発作は起きてない。

 パニック障害は、以前は不安神経症の一種とされていたが、1992年、独立した疾患として、WHO(世界保健機関)の「国際疾病分類」に登録された。比較的新顔の病気だ。

 当時は医療関係者にもまだあまりよく知られてなく、病名がわからぬまま病院をわたり歩く人が多かったようだ。

 近年は一般的な認知度が高まり、患者の会もできている。

 検査をしても、身体的には何の異常も認められず、心の病気とされているが、最近は脳機能障害としてとらえる考えもある。

 ただ、症状の多くが自覚的なものなので、周囲の人から「気の持ちよう」「心がけのせい」などといわれ、本人も落ち込んでうつ状態になったり、初期治療が適切でなかったため、病気が慢性化する例もあるようだ。

 なるべく早く専門医(精神神経科、心療内科など)を受診すべきだ。

 ある種の抗うつ薬と抗不安薬がよく効くといわれている。
  
 この病気を自己診断するためのチェックリストがある。

 ①突然、理由もなく、強い不安に襲われる。

 ②その際、以下のうち4項目以上の症状が出る。

  ●心臓がドキドキする、脈が速くなる。
  ●息切れ、息苦しさ、ハーハー息をする。
  ●息が詰まり、窒息しそうになる。
  ●胸(心臓)が痛い、苦しい、圧迫される。
  ●めまい、ふらふらする、頭がボーッとする、気が遠くなる。
  ●手足や体のふるえ。
  ●発汗。顔や体がカーッと熱くなる、手足が冷たくなる、寒気がする。
  ●吐き気、腹部の不快感。
  ●自分が自分でないような感じ、現実感がない。
  ●今にも死んでしまうのではないかと思う。
  ●気が変になるのではないか、何かとんでもないことをしてしまうのではないかと思う。

 ③発作は4週間に4回以上起こる。

 または、1回起きたあと、また起こるのではないかと恐れる状態が1ヵ月以上続く。

 ④心臓その他、体の病気が原因ではない。

 以上4項目のすべてに該当すれば、パニック障害が疑われる。

 NPO法人 全国パニック障害の会のホームページ(http://www.jpdc.or.jp)を開くと、医療機関の案内その他、親切な助言が得られる。
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