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認知症を改善する睡眠パターン [医療小文]

レム睡眠の増加で認知機能が改善?

ヒトの睡眠は、大きく分けてレム睡眠とノンレム睡眠という2つの状態を交互に繰り返している。

睡眠中に急速な眼球運動が見られることからRapid Eye Movement(REM)と呼ばれるレム睡眠では脳の一部が活動を維持しており、夢を見やすく、心拍や呼吸は不規則である。

一方、ノンレム睡眠では心肺や呼吸は落ち着き、デルタ波(徐波)が検出される。

いわゆる深い睡眠とされるノンレム睡眠に比べて、浅い眠りとされるレム睡眠に対する理解はあまり深まっていない。

第12回パーキンソン病・運動障害疾患コングレス(7月5~7日)で筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)主任研究者で准教授の林悠氏は、以前に同氏らの研究班が明らかにしたレム睡眠を制御する神経細胞群についてあらためて解説するとともに、それらを介してレム睡眠を増加させる新しいアプローチ法がパーキンソン病(PD)に伴うレム睡眠行動障害(RBD)や認知機能の改善に寄与する可能性について言及した。

加齢に伴いレム睡眠も減少する

林氏は「デルタ波が発生することで、脳内で神経伝達がされにくくなり、感覚入力が遮断されて結果的に眠りが深くなる。

脳波=脳の神経細胞から出る弱い周期性の電流。
人間の脳波は、アルファ波、ベータ波、シータ波、デルタ波の四つに分けられる。
デルタ波は、脳波が最も遅い状態。

顕在意識が働いていない状態で、深い眠りについている状態、または、無意識の状態です。

また記憶の定着や、ホルモン分泌、脳内の老廃物除去に関わることが分かってきた」と説明した。

加齢に伴い、総睡眠時間とともにノンレム睡眠は減少することが知られているが、同氏が紹介した過去の報告によると、1晩の睡眠に占めるレム睡眠の割合も新生児の50%から、19〜30歳の若年成人で22%に、高齢者で約14%に減少し、その度合いはノンレム睡眠を大きく上回っている。

同氏は「加齢とともに深いノンレム睡眠だけでなく、レム睡眠も減少している。同様の睡眠の質の変化は、認知症や糖尿病の患者、あるいは睡眠薬の服用によっても起こっている」と述べた。

レム睡眠が睡眠の質を左右する

レム睡眠の役割に着目した林氏らの研究班は、過去の報告からレム睡眠とノンレム睡眠の切り替えに関与する神経細胞群が脳幹のpons(橋)に存在すると考え、マウスを用いて神経細胞の遺伝子プロファイリングを行った。

結果、同氏らはAtoh1陽性の神経細胞群において、覚醒の促進およびレム睡眠の抑制に関わる神経細胞群を同定し、得られた知見を基に、レム睡眠を遺伝学的に阻害できるマウスの作製に成功した。

このレム睡眠制御マウスを用いて、同氏らはレム睡眠の阻害がノンレム睡眠に及ぼす影響について検討した。

結果、「レム睡眠を10分間阻害しただけではノンレム睡眠中のデルタ波に影響は認められなかったが、長時間にわたり阻害したところ、デルタ波は次第に弱まった」と同氏。

加えて、レム睡眠を阻害しない自然な状態においてもレム睡眠が長いほど直後のノンレム睡眠中のデルタ波が強まる(正の相関)ことを確認したが、覚醒時間とデルタ波との間にはそのような強い相関は認められなかったという。

これらの結果を踏まえ、同氏は、

「レム睡眠がノンレム睡眠の前にあることによってノンレム睡眠中のデルタ波を強め、記憶の定着や脳の発達に貢献している可能性がある」との見解を示した。

RBD発症の神経メカニズムの手がかりを得る

現在、林氏らは、パーキンソン病(PD)の原因の1つと考えられている蛋白質、αシヌクレインの橋への影響について研究を行っている。

αシヌクレインは、睡眠中に突然叫び声を上げたり、激しく動き回ったりする睡眠行動障害(RBD). RBDなど、他の睡眠関連障害の原因とも指摘されている。

同氏らは、マウスの橋において同定した、レム睡眠の制御に重要な神経細胞群がαシヌクレインを蓄積しやすく、損傷を受けることでRBDなどの睡眠関連症状を引き起こしている可能性がある点を指摘した。

αシヌクレインの研究は現在も継続中だが、同氏は「加齢やαシヌクレインの蓄積によってレム睡眠を促進する神経細胞群の機能が低下し、それがノンレム睡眠中のデルタ波を弱め、睡眠が断片化し、RBDなどの睡眠関連症状が出現、結果的に認知機能の低下にも寄与しているのではないか」と考察。

最後に、同氏は、

「レム睡眠を増加させるアプローチ法が発見できれば、認知機能の改善が可能になると考えられる」と展望し、発表を締めくくった。
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熱中症の見分け方 [医療小文]

 熱中症の見分け方

 暑い日にぐったりしている人が、軽症の熱中症なのか、ただちに病院へ運ぶべきか。

 その見分け方は、「まず体温、そして意識です」と、木村昭夫・国立国際医療センター救命救急センター長 。

 手で触って皮膚が熱く、乾いてかさかさしている。

 耳元で呼びかけても返事がないこん睡状態だったら、超緊急の処置を要する。

 ちゃんとした応対ができる状態だったら、それほどあわてなくてもよい。

 乳幼児は泣いているようならまず安心だが、ぐったりしていたら要注意。  ちょっとつねっても泣きもしないのはきわめて重症。すぐ救急車を呼ぼう。

 救急車を待つ間は、できる限り涼しいところに寝かせて、襟元のボタンやベルトなどをゆるめてあげる。

 体温を下げるには、動脈が皮下の近くを走っているところ(首の横、わきの下、足のつけ根)を冷やす。冷たいタオルや氷のうを当てるか、水をかけたあと、湿ったタオルをのせてうちわであおぐのもよい。

 絶対にやってはいけないのは、こん睡状態の人に水を飲ませようとすること。窒息しかねない。

 分類 程度 症状

Ⅰ度 軽症度 四肢や腹筋などに痛みをともなった痙攣(腹痛がみられることもある)

○多量の発汗の中、水(塩分などの電解質が入っていない)のみを補給した場合に、起こりやすいとされている。

○全身の痙攣は(この段階では)みられない。

失神(数秒間程度なもの)

○失神の他に、脈拍が速く弱い状態になる、呼吸回数の増加、顔色が悪くなる、唇がしびれる、めまい、などが見られることがある。

○運動をやめた直後に起こることが多いとされている。

○運動中にあった筋肉によるポンプ作用が運動を急に止めると止まってしまうことにより、一時的に脳への血流が減ること、また、長時間、あつい中での活動のため、末梢血管が広がり、相対的に全身への血液量が減少を起こすことによる。

Ⅱ度 中等度 めまい感、疲労感、虚脱感、頭重感(頭痛)、失神、吐き気、嘔吐などのいくつかの症状が重なり合って起こる

○血圧の低下、頻脈(脈の速い状態)、皮膚の蒼白、多量の発汗などのショック症状が見られる。

○脱水と塩分などの電解質が失われて、末梢の循環が悪くなり、極度の脱力状態となる。

○放置あるいは誤った判断を行なえば重症化し、Ⅲ度へ移行する危険性がある 。

Ⅲ度 重傷度 意識障害、おかしな言動や行動、過呼吸、ショック症状などが、Ⅱ度の症状に重なり合って起こる

○自己温度調節機能の破錠による中枢神経系を含めた全身の多臓器障害。

○重篤で、体内の血液が凝固し、脳、肺、肝臓、腎臓などの全身の臓器の障害を生じる多臓器不全となり、死亡に至る危険性が高い。
 
 屋外で長時間の作業に従事する人は、温度と相対湿度から算出する体感温度「熱指数」(Heat Index)が摂氏29.4度程度であっても、熱中症で死に至る可能性のあることが、米国労働安全衛生局(OSHA)のAaron Tustin氏らによる研究で明らかになった。

 同氏らが屋外作業中に熱中症になった25症例を検討したところ、死亡した14例中6例は作業時の熱指数が摂氏32.8度未満であったことが分かった。

 詳細は、米疾病対策センター(CDC)発行の「Morbidity and Mortality Weekly Report」7月6日号に掲載された。

 この研究でTustin氏らは、2011~2016年に屋外での勤務中に発生した熱中症の25症例に着目。

 このうち14例が死亡した。

 それぞれの症例について、熱中症のリスク因子の保有状況や熱への順化度(暑い作業環境に身体が適応できていたかどうか)、仕事量や作業負荷、服装について詳しく調べた。

 降圧薬や利尿薬は脱水リスクを高める可能性

 その結果、25例中12例が肥満や糖尿病、高血圧、心疾患、降圧薬や利尿薬などの特定の薬剤や違法薬物の使用といった、熱中症のリスク因子を一つ以上保有していたことが分かった。

 専門家によると、降圧薬や利尿薬は身体の体液バランスに影響し、猛暑時には脱水リスクを高める可能性があるという。

 また、発症当時には、死亡した14例中13例は中等度以上の負荷がかかる作業を行っていた。

 服装をみると、25例中4例は通気性の悪い厚手の服を着用していた。

 さらに、25症例全体では、発症時の熱指数の中央値は摂氏33.3度であったが、その幅には28.3度から43.3度までばらつきがみられた。
 
 なお、今回の研究では、熱中症予防の目安として広く用いられている暑さ指標(WBGT:気温と湿度、風速、輻射熱を考慮して数値化したもの)ではなく、温度と相対湿度から算出する体感温度「熱指数」が用いられた。

 なお、熱中症は、特に身体が高い気温に慣れていない梅雨から夏の初めの頃が特に危険で、注意する必要があるという。

 専門家の一人で米レノックス・ヒル病院救急科のRobert Glatter氏は、数多くの熱中症患者の診療に当たった経験から、「熱中症は救急搬送が必要な危険な状態だ」と強調する。

 熱中症になると体温40度以上の高熱や意識障害、大量の発汗などがみられるようになる。

 応急処置として涼しい場所に移し、氷水をかけるなどで身体を冷やし、体温を下げることが重要になるという。

 熱中症の症状と対処法

 Glatter氏は、夏場に屋外で作業するときは厚着を避けて吸湿性や通気性のよい素材の服を選び、こまめに水分補給をすることを強く勧めている。

 水分補給時には塩分を含んだ経口補水液などを摂取し、脱水をもたらすカフェインの過剰摂取は避ける必要があるとしている。その他の注意点は以下のとおり。

・気温と湿度の上昇をモニター(監視)し、予防策を講じる責任者を決める 。

・作業を始める前に、高温多湿の作業環境に作業者の身体を慣れさせる。熱中症のリスク因子がある人には特に注意を払う。

・日陰や冷房の効いた場所でこまめに休憩する。

・水分や電解質を補給できる飲み物を準備する。

(HealthDay News 2018年7月5日)Copyright [コピーライト] 2018 HealthDay. All rights reserved.

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災害猛暑、熱中症 [健康短信]

 殺人的猛暑 襲来。

 昨日、埼玉県熊谷市では観測史上最高の41.1度を記録。

 これまで1位だった高知県四万十市の41.0度(2013年8月12日)を約5年ぶりに更新した。

 熱中症で倒れる人が増えている。

 熱中症は、外部から異常な熱を受けて、体内の正常な働きが失われた状態。

 体温が上昇しないものと、上昇するものとがある。

 以前は、症状の軽い順に、①日射病。②熱けいれん。③熱疲労。④熱射病、と、分けられていた。

 日射病は長時間、直射日光の下にいたとき起こりやすい。

 血管が開いて血圧が下がり、気持ちが悪くなる。頭がボーッとして、頭痛やめまい、吐き気などが起こる。

 顔色は青く、多少汗をかくが、体温は上昇しない。

 治療は涼しい場所に移し水分を与える。

 熱けいれんは、炭坑とかボイラー室など、高温多湿の場所での作業や炎天下のスポーツなどで、多量の汗をかき体の水分と塩分が減少したときに起こる。

 足や腕などの筋肉がけいれんして、痛い。

 汗をいっぱいかくと、のどが渇き、水をたくさん飲むが、水にはナトリウムやカリウムなど電解質がほとんど含まれていない。

 水分だけが補われ、電解質が補給されないので、細胞の電解質バランスがくずれてしまうのが原因だ。

 体温は高くならないが、やや危険な状態。病院へ行くべきだ。

 これを防ぐには、塩をなめ、水を飲むこと。

 2011年、世界記憶遺産に登録された、山本作兵衛さんの「炭鉱記録画」にも描かれている(はずだ)。

 熱疲労は、さらに水分と塩分が失われ、体温の調節ができなくなった状態。

 血液の循環が滞り、体の熱を放散しきれなくなり、うつ熱(熱が体にこもる)状態に陥る。

 体温が上がり、血圧が下がり、脈が早くなり、頭痛、めまい、吐き気などが現れる。

 意識が薄れる意識障害もみられる。

 熱射病は、さらにうつ熱が進み、体温が40度以上に上がる。

 脳の体温調節機能が正常に働かなくなるため汗が出なくなり、皮膚が紅潮し、乾燥する。

 意識障害も重く、こん睡に陥る例も少なくない。

 炎天下の車中に閉じ込められた子どもなどに起こる。

 しかし、この定義は、素人にはわかりにくく、医療の現場でも混乱が生じることがあった。

 1990年代後半、救急医療の専門医らの提唱で、すべての症状を「熱中症」とし、重症度によってⅠ度(軽症)、Ⅱ度(中等症)、Ⅲ度(重症)に分類されるようになった。

 以前の分類を、新しい分類に当てはめると下のようになる。

 Ⅰ度=日射病、熱けいれん。

 Ⅱ度=熱疲労。

 Ⅲ度=熱射病。
 
 体温が41・5度を超えるとミトコンドリアという酵素をつくる細胞の中の小器官の機能が障害されて、命が危なくなる。

 死が迫っている状況だから、超緊急にいろいろな治療をしなければならない。

 救急車でただちに病院へ!

 Ⅰ度とⅡ度は一般病院でもいいが、Ⅲ度の場合は救命救急センターのような集中的に救急治療のできる施設へ行くべきだ。

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心がつくる病気 [健康短信]

 心がつくる病気

 人間がストレスに対応しきれなくなると、心や体、行動などに異常が起きる。

 このことが最初にわかったのは、アメリカの南北戦争の時だったといわれる。

 兵士たちに原因不明の心臓の症状や下痢がみられた。

 今でいう心臓神経症と過敏性腸症候群だったようだ。

 心臓神経症は、心臓にはなにも病気はない人が、動悸、胸痛、呼吸困難など心臓に関連したいろいろな症状を起こす病気。

 動悸や心臓部の痛みを訴えても、不整脈はなく、脈はほとんど正常(1分間70前後)なのに、本人は200もあるように感じる。

 胸痛は、胸のある部位の割合はっきりした痛みだが、狭心症のような心臓の病気と違うのは、押すと痛んだりさすると痛みがおさまったりするところだ。

 この病気は、体質や遺伝からくる要素のうえに、心配ごととか過労などが加わって起こることが多く、たばこやコーヒーの飲み過ぎのこともあるようだ。

 友人の作家は、ある文学賞を受賞した40代の数年間、この病気に悩まされたが、今はもうなんともないそうだ。

 だから、必ず治る病気だ。

 ある女性編集者(48歳)は、夜、寝床に入るころ、腹痛が起こり2度、3度、下痢をするが、翌朝はなんともない。

 この春先から月に数回、そんなことが起こった。

 消化器内科で胃や大腸の内視鏡検査などを受けたが、異常はなく、「過敏性腸症候群」と診断された。原因は〃ストレス〃といわれた。

「大腸は心の鏡」といわれる。

 不安、緊張、悲しみ、怒り、悩みなどがあるとその心因に大腸が過敏に反応し、腸のぜん動が亢進したり、けいれんしたり、腸液の分泌が増えたりする。

 そのため腹痛、下痢、便秘などが起きる。

 下痢と便秘では逆の症状だが、大腸には2種類の筋肉があり、便の通過を促進する働きと抑制する働きをしている。このバランスが崩れるために下痢や便秘が起きるのだ。

 しかし、実際に腸に炎症が生じているのではなく、詳しく検査しても、大腸、小腸そのものには異常は見つからない。

 米国立保健研究所(NIH)の学術用語委員会は、「過敏性腸症候群は、腸管の機能的疾患で、

 ①腹痛を訴えるが、排便によって軽くなる。

 ②少なくとも年に6回以上このような腹痛が起きる。

 ③そのような腹痛が起きると少なくとも3週間以上続く。

 ④腹痛のない下痢を除く。

 ⑤腹痛のない便秘を除く、の5条件を満足するもの」と定義している。

 出勤途上で必ず駅のトイレに駆け込む会社員、登校時間になると「おなかが痛い」と訴える小学生、週1回の講義の前にはきまって下痢をする大学講師など、同種の症状に悩まされている例は、とても多いようだ。

 過敏性腸症候群の症状を訴える人の診察は、まずほかの病気がないことを確かめたうえで、原因を探すことになる。

 更年期の女性の場合、更年期障害がそうした症状を引き起こす可能性もあるようだ。

 食物アレルギーによる下痢もあるので、香辛料など特定の食品が関係していないか調べる。

 しかし、なんといっても多いのは心理的な問題が原因になっているケースだ。

 心理的な影響を受けやすい腸の動きを調整するのは難しいことなので、気にしたり、緊張したりすれば、症状はいっそうひどくなる。

 大切なことは、その症状を自分の〃体のクセ〃のようなものだと受け入れて、うまく付き合いながら生活していくことだろうと、ある専門医は助言している。

 漢方薬が効く例も多い。便秘と下痢が交互に起こる型には桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)、慢性下痢型には人参湯(にんじんとう)が用いられる。

 下痢を恐れて自分だけの判断で食事を制限したりしなければ、栄養面での心配はない。

 もともと胃腸自体は悪くないので消化・吸収の働きは障害されないからだ。

 家族内の問題、経済問題などの家庭的トラブル、仕事や職場の対人関係などの社会的トラブルなど、さまざまな精神的負担が発病に関係するといわれている。

 腸の動きを抑える整腸剤や精神安定剤などの薬のほか、精神をリラックスさせる自律訓練法が効果的な場合もあるようだ。

 大切なことは、自分の症状を受け入れ、「自分は腸の調子がおかしい」という点を認めて、家族なり親友にも打ち明けて、症状の苦しさなどを共有してもらうこと、と専門医はアドバイスしている。
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若さの分かれ、細胞の内と外の水 [健康短信]

 老け具合は体内の水分の減りぐあいの差

 七十過ぎても、みずみずしい肌の張りを失わぬ人もいれば、五十をいくらも出てないのに、すでに老人の風貌になりかけている人もいる。

 その差は体内の水分の減りぐあいの差だといってもいいようだ。

 成人男子では体重の60%が水分だが、これを細胞の中と外でみると、細胞内液のほうが多く体重の約40%だ。

 高齢者ではこれが約30%に減る。

 年をとって皮膚にしわができる原因の一つは、細胞内液が減って、皮下組織が委縮するためだ。

 細胞内液では、カリウムが主なイオン(電気をもつ原子)で、細胞外液ではナトリウムが主なイオンだ。

 高齢になって、細胞内液が減少してくると、カリウムの量も減ってくる。

 老化現象の一つとして、必ず認められるのが、カリウムの欠乏だ。

 反対にナトリウムは過剰になり、細胞の中にまでナトリウムが入ってくるようになる。

 すると、神経系と筋肉の異常症状(意識障害、筋肉のけいれん、まひ、筋力の低下、しびれ・痛み)などが出てくる。

 このカリウム欠乏・ナトリウム過剰の原因の多くは、体内の水分が少ないことだ。

 若さの水

 老人ホームに送られてきた患者に、体液の異常ではないかと、カリウムを多く含む輸液(点滴による体液の補給)をしたら、体が元気になり、計算能力など脳の働きもよくなったと、英国の医師が報告している。

 なぜ、年をとるにつれて体液(体内の水分)がへってくるのか。次のような理由が考えられている。

 ①年をとると、細胞の働きが低下し、細胞内の水分が減る。

 ②年をとると、体の新陳代謝が衰えてくるため体の中でできる水の量がへる。
 
 ③年をとると、じん臓の働きが低下し、水分の再吸収の効率が悪くなり、薄い尿がたくさん出るようになる。

 このように細胞内の水分も、体の中でつくられる水分も減ってしまうのに、体の外へ出ていく水分は逆にふえる。

 体内の水分が不足してくるのは当然の現象といえる。

 その水分の不足が老化をさらに進めることになるのだから、これにブレーキをかけるには、日常、水分を十分にとらなければいけない。

 水はまさに百薬の長。若さと健康を保つためにも水を上手に飲みたい。
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要注意、夏ゴルフ [健康短信]

 いやあ、暑い!

 どちらさまも熱中症にご用心ください。

 暑さにもめげず、ゴルフにお出かけのみなさまは特に!

 冬場のゴルフにも健康上の問題が多いが、真夏のゴルフにもさまざまな落とし穴がある。

 最も気をつけなければいけないのは、暑さ(太陽光線)対策と尿量(水分摂取)の維持。

 直射日光を浴び過ぎないようにし、水をよく飲んでお叱呼をたくさん出すこと、だ。

 直射日光(紫外線)の害は、皮膚と眼と全身に現れる。

 皮膚に現れる害は、日焼けと、そのあとにできる、しみ、しわ、たるみ。皮膚の老化は、その人がそれまでに浴びた太陽光線の量に比例するといわれていて、皮膚の「光老化」という。最悪の場合、皮膚がんの原因にもなる。

 夏のゴルフ場は、太陽光線が思うさまふりそそぐ光のシャワールームだ。

 必ず帽子をかぶり、できれば日傘をさして歩きたい。

 近年、高齢者に激増している加齢黄斑変性症(目の網膜の中で最も視力の鋭敏な黄斑が、加齢に伴って変性する病気)の危険因子の筆頭は、たばこ、2番目が直射日光といわれている。

 紫外線は白内障の原因にもなる。

 白内障は、目のレンズの水晶体が白く濁ってくる病気。

 初期には日常生活にはほとんど支障はないが、逆光に向かうと、ものがよく見えなくなる。

 水晶体の中に部分的な濁りが入ると、光が一点に集中せず拡散するため、光の乱反射が起きるからだ。

 たとえば、夜間、車を運転すると、対向車のライトがまぶしくて見えにくかったり、ゴルフ場で、逆光でボールを打つと、ボールの行方を見失ったりする。

 白内障になるのは、水晶体のたんぱく質が変性するからで、その一因と疑われているのが、紫外線だ。

 眼に入る紫外線の量をなるべく減らすようにすれば、白内障の予防になり得る。

 それにはUV(紫外線)カットの眼鏡をかければ、よい。

 紫外線の浴び過ぎは、体の免疫力も低下させる。

 暑い日にゴルフをしたあと体調を崩すことがあるのは、そのせいだ。

 肝臓病や糖尿病、高血圧など慢性的な病気をもっている人は、特に気をつけてください。

 もう一つ、特に気をつけてほしいのは、痛風もちの人だ。

 痛風発作は、血液の中の尿酸が、関節にくっつくために起こる。

 尿酸は、細胞の新陳代謝によってでき、その大半は尿から排泄される。

 大汗をかくと、尿の量が減る。

 汗には尿酸はまったく含まれていないから、尿の量が減れば、体の外へ排出される尿酸の量も減る。

 すると血液中の尿酸量がふえて、痛風発作が起きやすくなる。

 痛風もちの人は特に心がけて水分をよく取り、尿の量を減らさないようにすべきだ。

 ただし、尿量が増えるからといって、ビールはいけない。

 アルコールが肝臓で代謝されると、尿酸ができる。

 痛風もちの人は、ビールではなく、水をどうぞ!
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精神疾患と幼少期の病歴 [医療小文]

 精神疾患や生活習慣病、幼少期の病歴から原因探る...医療研機構

 子供や若者の頃の病歴や生活環境に着目し、精神疾患や生活習慣病の原因を探る国の研究プロジェクトが4月から始まっている。

 日本医療研究開発機構(東京)が主導し、人の一生を見渡して発病の仕組みを解明し、2025年までに予防法の開発を目指す。

 近年、

 ▽低出生体重児は成長後に腎臓病や視覚障害のリスクが高まる

 ▽出産後にうつを発症した人は思春期以降のうつ病の経験が多い

 ――など早い段階の病気が、その後の健康に関連することが分かってきた。

 ウイルスなどの感染による妊婦の免疫の活性化が、胎児の成長後の精神疾患に関与するとされている。

 同機構は、若者が健康に長く過ごせる社会作りを進めようと、長い時間の中で病気予防や健康増進につながる大学や団体の研究を重点的に支援する。

 第1段階としては、若者から高齢者まで世代ごとに病歴や遺伝情報、生活環境の情報を集め、病気との関係を探る研究を進める。

 虐待やインターネット利用の長期的な影響も調べる。

 進展に合わせ、複数の研究成果を結びつけて分析。

 健診データも活用し、病気の原因の発見を目指す。

 原因の糸口をつかんだ病気については、予防法を試し、有効かどうかをみる臨床研究を進める。

 小児科や産科、精神科などが連携する体制を構築する方向だ。
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生理痛の鎮痛薬でも脱毛 [医療小文]

抗がん剤だけじゃない 生理痛の鎮痛薬でも脱毛

 薬の副作用による脱毛といえば、真っ先に抗がん剤が思い浮かぶのではないでしょうか。

しかし、薬剤による脱毛はそれ以外のさまざまな薬でも起きます。

 どのような薬にリスクがあるのでしょうか。

 横浜労災病院皮膚科部長、齊藤典充さんの解説です

 ◇生理時に鎮痛薬を多量に飲んでいた女性

 薄毛の悩みで受診した20代の女性。

 診察しても原因がはっきりしません。

 何か薬を飲んでいないか聞いてみました。

「病院には行ってないし、毎日、飲んでいる薬はありません」と言います。

 そこで「生理痛や頭痛はありますか? なにか痛み止めは飲んでいますか?」と問い直すと

「痛み止めの薬なら、たくさん飲んでいますよ」。

 髪の診察でどうしてそんな質問をされるのか驚いた様子だったので、

「お薬で髪の毛が抜けることがあるのです」と伝えました。

 すると、生理痛がつらくて、いつも鎮痛薬を指定の用量以上飲んでいると話してくれました。

 ◇市販の胃薬、抗菌薬やピルでも脱毛は起きる

 薄毛で受診する女性の中には、この患者さんのように市販の鎮痛薬を飲んでいるケースがしばしばあります。

 脱毛の原因と考えられるのは、その中に配合されている抗炎症成分の「アセトアミノフェン」や「イブプロフェン」です。

 これらは、一般薬の鎮痛・解熱薬や風邪薬(総合感冒薬)などによく使用されています。

 また、同じ一般薬では、胃酸の分泌を抑える成分として胃薬に使われる「シメチジン」や「ファモチジン」でも脱毛が起きます。

 頭頂部が薄くなってきた時は、抗菌薬を使っていないか患者さんに聞くこともあります。

「イソニアジド(抗結核薬)」「エタンブトール塩酸塩(同)」「ゲンタマイシン(緑膿菌などにも強い抗菌力がある)」などを使用している場合は、これらが脱毛の原因の一つに考えられます。

 また、低用量ピル(経口避妊薬)を飲んでいる若い女性に、薬剤性と思われる脱毛が起きることがあります。

 脱毛は、ピルを飲んでいるすべての人に起きるわけではありません。

 もともとの素因などの影響も考えられますが、薬による頻度不明の脱毛がみられます。

 ◇自覚症状の特徴とは

 薬剤によって毛髪が抜けると、頭頂部が薄くなって髪の毛がまばらになる「びまん性脱毛」が見られます。

 抗がん剤の副作用のように髪の毛が一気に抜けることはなく、薬を使い始めて数カ月後から徐々に薄くなってきます。

 患者さんからよく聞く自覚症状は、

「髪の毛のボリュームが変わってきた」「洗髪後の抜け毛が増えた」というもので、女性は早いうちから髪の変化に気づいているようです。

 気になってどうしようと思っているうちに頭髪全体が薄くなり、周囲の人にも薄く見える頃には、ご本人もかなり深刻に悩んでいるはずです。

 抗がん剤以外の薬で脱毛が起きることは、ほとんど知られていません。

「まさか鎮痛薬や胃薬で脱毛なんて」と患者さんに驚かれたり、そもそも薬が原因と思っていないため、患者さん自身が薬を飲んでいても、その意識すら乏しかったりします。

 薬による脱毛は、ドラッグストアなどで購入する一般薬、病気治療の目的で医師から処方される薬のどちらでも起きます。

 生理痛や頭痛がひどい女性では、鎮痛薬を多量に飲み続けていることがあります。

 また、慢性疾患などで、治療のために継続的に薬を使用している方でも、薬によっては脱毛が生じることがあります。

 まずは、身近な薬も脱毛の原因になると知ってもらうことが大事だと思います。(聞き手=医療ライター・阿部厚香)

【毎日新聞医療プレミア】による
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乳房切除術は必要か [医療小文]

HBOC乳がんに乳房切除術は必要か
国立病院機構四国がんセンター乳腺外科がん診断・治療開発部長 大住省三

40歳以下の英国人乳がん患者2,733例を対象とした前向きコホート研究で、BRCA1/2遺伝子変異の有無は若年乳がん患者の予後に影響を及ぼさないという結果を、英サウサンプトン大学のEllen R. Copson氏らが、最も権威ある医学誌「Lancet Oncol」に発表した。

コホート研究=特定の地域や集団に属する人々を対象に、長期間にわたってその人々の健康状態と生活習慣や環境の状態など様々な要因との関係を調査する研究。

乳がん患者の治療におけるこの研究の意義について国立病院機構四国がんセンターの大住省三乳腺外科がん診断・治療開発部長の氏に解説してもらった。

リスク低減手術の実施が重要 

遺伝性乳がん・卵巣がん(HBOC)は常染色体優性遺伝する遺伝性疾患であり、BRCA1あるいはBRCA2のいずれかに生殖細胞系列変異(germline mutation)を有するとHBOCと診断される。

BRCA1=(breast cancer susceptibility gene I)乳がん感受性遺伝子1 

BRCA2=(breast cancer susceptibility gene II)、がん抑制遺伝子の一種、その変異により遺伝子不安定性を生じ、最終的に乳癌を引き起こす。

HBOCは乳がんおよび卵巣がんに罹患するリスクが非常に高く、これらのがん予防対策として特別な検診(サーベイランス)やリスク低減手術を実施することが重要である。

さらに治療面でもHBOCの女性の乳がん・卵巣がんは、HBOCではない女性よりもプラチナ製剤による化学療法の感受性が高いこと、新しいカテゴリーの分子標的薬であるPARP阻害薬での感受性も非常に高いことが示されている。

PARP阻害薬=PARP(損傷したDNAを修復する酵素の一つ)が機能することを妨げる薬剤

このことから、今後HBOCのがん患者での薬物療法では他のがん患者との区別が必要になると思われる。

HBOC卵巣がん患者の予後は良好

今回のPOSH studyは、HBOCの乳がん患者の予後がHBOCではない、いわゆる散発性の乳がん患者のそれと比較して違いがあるかどうかを検討した研究である。

卵巣がんでは、HBOC卵巣がん患者が散発性の卵巣がん患者に比べて少なくとも短期的には予後が良く、その中でもBRCA2に生殖細胞系列変異のある卵巣がんで予後が良いことがほぼ確定している。

HBOC卵巣がん患者の予後が良い1つの理由として、卵巣がん治療でほぼ常に使われるプラチナ製剤での化学療法の効果が大きいことが挙げられている。

一方、乳がんではこの点まだ決着がついていないと考えられており、これに決着をつけようとした研究である。

HBOC乳がん患者に有益な情報

この研究は前向きコホート研究のスタイルを取っている。

英国の127病院で診断時40歳以下であった乳がん患者を登録し、そのほとんど全員にBRCA遺伝学的検査(生殖細胞系列での遺伝子検査)を行い、病的変異のあった患者となかった患者との予後を、全生存率(overall survival)をprimary outcomeとして解析している。

2,733人の女性患者が参加し、経過観察期間の中央値は8.2カ月である。その結果、BRCA遺伝子病的変異の有無別で予後に差がなかったというのが結論である。

多変量解析で他の予後因子を調整し、経過観察のどの時点でも差がなかったとしている。

多変量解析法=互いに関係のある多変量(多変数,多種類の特性値)のデータが持つ特徴を要約し,かつ,目的に応じて総合するための手法。

ただし、トリプルネガティブ(エストロゲンレセプター、HER2がいずれも陰性、プロゲステロンレセプター陰性あるいは不明)に限れば、2年の時点のみBRCA遺伝子病的変異陽性群の方が予後良好(ハザード比0.59)であったが、その後その差は消失したと述べている。

この情報は、HBOC乳がん患者がリスク低減手術を予定する場合に有益である。

本研究の強みは、多数症例での前向き研究で、登録されたほぼ全例でBRCA遺伝学的検査がされたことで、登録時点でのバイアスが起こりにくくしている点である。

ただし、登録された症例の年齢が乳がん診断時点で40歳以下の患者に限られており、この結果がそれより高齢の乳がん患者に当てはまるのかどうかは分からない。

さらに今後プラチナ製剤やPARP阻害薬がHBOC乳がん患者に積極的に使われるようになると、卵巣がんのようにHBOC乳がん患者の予後が散発性乳がん患者より良くなる可能性がある。
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危険なプールやスパ [健康短信]

死に至ることも プールやスパは危険な病原体の温床

 夏の楽しみであるプールやスパ(温水浴槽)、水遊び場は、危険な病原体の温床となる可能性があり、中には死亡に至る事例もあることが、米疾病対策センター(CDC)の下部組織である米国立新興・人獣共通感染症センター(NCEZID)の調査により分かった。

 この調査結果は、「Morbidity and Mortality Weekly Report(罹患率および死亡率週次報告=MMWR)」に掲載された。

 NCEZIDによると、2000~2014年に流行した水媒介性感染症のうち、3分の1がホテルなどのプールやスパで発生している。

 報告書の筆頭著者であるNCEZIDのMichele Hlavsa氏は「公共施設のプールや大型の浴槽を適切に管理するために必要な塩素濃度は、過小評価されていることが多い」と指摘する。

 報告されている事例のほとんどは、クリプトスポリジウム、レジオネラ菌、シュードモナス菌の3種類が原因であった。

 クリプトスポリジウムは、適切に塩素処理したプールでも生存可能な寄生虫で、下痢によって汚染されたプールの水を飲み込むことにより感染することが多い。

 シュードモナス菌とレジオネラ菌(いずれもレジオネラ症の原因となる)は殺菌剤への抵抗性を有し、皮膚、目、鼻を通して体内に侵入するとHlavsa氏は説明する。

 レジオネラ菌は、重度の肺炎とインフルエンザ様の症状を引き起こし、シュードモナス菌は「温浴毛包炎」(hot tub rash)や外耳炎の原因となると、CDCは説明している。

 50歳以上の人、喫煙者または元喫煙者、慢性肺疾患のある人、免疫系の低下した人は、レジオネラ菌に感染しやすいという。

 今回の報告によると、00~14年に全米46州、およびプエルトリコで報告された水媒介性感染症の発生数は493件で、2万7219人以上が罹患し、8人が死亡した。

 感染源が特定された363件のうち58%がクリプトスポリジウムによるもので、16%はレジオネラ菌、13%はシュードモナス菌が原因であった。また、それぞれ罹患した患者数の89%、3%、4%を占めていた。

 米ニューヨーク大学ランゴン医療センターのMarc Siegel教授は、

「プールなどの水は十分に浄化して塩素処理を行い、フィルターを定期的に交換し、水を循環させる必要がある」と指摘するとともに、利用者の側にも病原体を拡散させないように努める責任があると述べている。

 CDCは、感染防止の対策について以下のように助言している。

・子どもが下痢をしているときはプールに入らせない。

 クリプトスポリジウム症にかかった場合は、下痢が止まって2週間経過してからプールに入る。

・子どもをトイレに行かせる時間を設ける。

 おむつの交換はプールから離れた専用の場所で行う

・水質検査の結果を確認する

・試験紙を用いて塩素濃度を確認する

・プールの水を飲み込まない

(HealthDay News 2018年5月17日)Copyright [コピーライト] 2018

「毎日新聞 医療プレミア」より転載

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