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「8時間睡眠」神話はウソ  [健康短信]

 24時間型社会の現代人の睡眠時間は短くなるばかりで、春のみならず年中眠い。

 日本人の平均睡眠時間は7~8時間、サラリーマンの週日のそれは6~7時間。寝不足が常態化している。

 寝不足の朝は頭も体もしゃきっとしない。それが何日も続けば体をこわす。

「8時間睡眠」神話はウソ 「眠り」にまつわる勘違い

「春眠暁を覚えず」の季節を迎えます。

 厳しい寒さが続きましたから、暖かい日が増えると余計に心地よく、眠気に誘われる人が多いのではないでしょうか。

 ただ、暖かい布団から出るのが億劫になって、夜は眠れずにリズムが悪くなり、睡眠不足になる人もいるはずです。

 どうすればうまく睡眠不足を解消できるでしょうか。
  
 睡眠障害の専門家に「よく眠るコツ」を聞きまた。

 寝る時間より「起きる時間」を決めることが大事

 まず大切なのが「起きる時間を決めること」です。

 寝不足の人は「とにかく早く寝て、十分な睡眠時間を確保しよう」と考えがちです。

 ですが、それよりも決まった時間に起きることのほうが大切です。

 なぜなら、そのほうが睡眠覚醒リズムを整えやすいからです。 

 朝日を浴びると、覚醒と精神の安定に不可欠な神経伝達物質「セロトニン」が体内で分泌されます。

 そして、これを材料として夜、睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」がつくられます。

 このメラトニンによって、目覚めてから16~17時間後に睡眠のスイッチが入ります。

 たとえば朝6時に起きたなら、夜の10~11時には眠くなる。

 寝不足にならないためには、このリズムを狂わせないようにすることが肝心なのです。

 休日には、どうしても寝だめしたい人が多いでしょう。

 寝不足が蓄積して、健康を損なうとされる「睡眠負債」を返すためにも、休日にしっかり寝ておくことは大切です。

 ですが、できれば休日も同じ時間に起きるよう心がけ、朝寝坊するとしても1~2時間以内にとどめたほうが、睡眠覚醒リズムを狂わせないですむとされています。

 ぐっすり眠るための遮光カーテンにも落とし穴が……

 快眠のためには「光を上手に利用すること」も大切です。

 睡眠不足の人では、寝室を暗くするために「遮光カーテン」を使っている人も多いのではないでしょうか。

 ただ、遮光カーテンだと朝日が目に入ってきません。

 ですから、専門家によるとカーテンを10センチメートルほど開けて眠るのがお勧めだそうです。

 また、夜眠る前の光も重要です。

 読書などをするために、布団に入って蛍光灯をつけて過ごす人もいるのではないでしょうか。

 しかし、明るい光が目に入ると入眠時間が遅れてしまいます。

 寝る1時間ほど前から室内の灯を電球程度の明るさに落とし、できればテレビなども見ないで過ごすようにしましょう。

 布団の中でのスマホの光は安眠の敵

 最近では、スマホやタブレットを持つ人が増えて、布団の中でネットサーフィンやゲームをして過ごす人も多いはず。

 ですが、これも目にかなり強い光が飛び込んできます。

 寝不足で悩んでいるなら、テレビもスマホも早めにスイッチを切ってから、布団に入るようにしてください。
 
 また、アルコールは寝つきをよくしますが、睡眠が浅くなり夜中に目覚めること(中途覚醒)が増えます。

 ですから、睡眠薬代わりにアルコールを飲むという考えは捨ててください。

 もちろん、夕方以降のコーヒーや緑茶もカフェインの作用で入眠を遅らせ、中途覚醒を増やすのでよくありません。

 専門家によるとよく眠れないと感じている人は、コーヒーや濃い緑茶を飲むこと自体やめたほうがいいとのことです。

 ある進学校の「昼寝実験」の結果は……

 睡眠不足になると、どうしても日中に眠たくなります。

 そのため、つい長時間昼寝をしてしまい、夜眠れなくなる悪循環に陥りがちです。

 人間はお昼の2~4時頃に眠気が強くなる体内リズムを持っていますから、昼寝をすること自体は悪いことではありません。

 ですが、30分以上眠ってしまうと深い睡眠が出て、夜眠りにくくなります。

 ですから、昼寝をするとしても高校生や大学生では10~15分、働き盛りの人は15~30分にとどめてください。

 深く眠らないで目を閉じるだけでも、画像として入る情報量が減り、脳を休めることができるそうです。

 久留米大学神経精神医学講座の内村直尚教授によると、進学校として知られる福岡県立明善高校(久留米市)では内村教授の指導のもと、昼休みの後半15分間を「午睡(ごすい)タイム」としたそうです。

 あまり深く眠ってしまわないよう、椅子に座って机に伏せて寝る姿勢をとり、BGMにモーツァルトの曲を流しています。

  生徒たちを対象にしたアンケートの結果 によると、昼寝ができた人ほど夜の睡眠が規則正しくなり、昼間の眠気が軽くなって、授業に集中できるようになったそうです。

 高齢者ほど夜更かしをしたほうがいい

 一方、時間のある高齢者ではつい昼間ウトウトする時間が長くなり、夜眠れなくなる人が多いのではないでしょうか。

 「キョウヨウ(今日用)とキョウイク(今日行く)」と言いますが、できれば日中は用事と行く場所を作って、活動的に過ごしたほうが眠りやすくなります。

 昼寝をするとしても30分程度、長くても1時間までにとどめましょう。

 また、早寝早起きが美徳とされてきたせいか、高齢者では早々と布団に入って、夜中に起きてしまう人が少なくありません。

 しかし、睡眠時間は年をとるほど短くなり、65歳以上になると平均6時間ほどしか眠れなくなります。

 ですから、夜中に起きないためには、高齢者ほど夜更かしをしたほうがいいのです。

 テレビでは、夜中に若い人向けのバラエティ番組を流す傾向が強いように思います。

 ですが、むしろお年寄りが夜長を楽しく過ごせるように、高齢者向けの番組を編成したほうが世のためになるかもしれません。

「8時間睡眠」神話のウソ

 かつては「8時間睡眠」が最も長生きで、理想的と言われました。

 しかし、人間にはロングスリーパーもいれば、「寝ているところを見たことがない」と言われる明石家さんまさんのように、ショートスリーパーもいます。

 専門家によると、朝起きて、疲れが取れて、昼間の活動に差支えなければ、その人の睡眠時間は十分足りているそうです。

 睡眠不足で健康や精神に不調が出てきたり、「夜いびきがひどくて、呼吸が止まっている」と家族に言われたりした人は、睡眠時無呼吸症候群などの可能性があり、医療の助けが必要です。

 そうした場合は睡眠障害の専門医の診察を受けてください。

 ですが、睡眠不足でも健康に過ごせているなら、あまり不安になり過ぎないようにしましょう。

 心配も不眠の種になるからです。

 うまく「快眠術」を活用して、心地よく「春眠」を楽しんでください。

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脳は豆腐 [医療小文]

「転ぶな、風邪ひくな、義理を欠け」

 長生きのコツを聞かれて、「転ぶな、風邪ひくな、義理を欠け」と答えたのは、91歳の天寿を全うした岸信介元首相だった。

 老人の風邪は肺炎に進展しやすい。

 転ぶと、骨折しやすく、太ももの付け根を折って寝たきりになったり、頭を打って大ごとになる例が少なくない。

 脳は、豆腐のように軟らかい組織で、周りを脳脊髄液で囲まれ、頭蓋骨の中に浮かんでいる。

 豆腐の入ったボウルをゴツンとぶつけると、豆腐がゴシャゴシャと動くように、頭を打つと、その衝撃で脳が1秒の10分の1とか100分の1といった速さで振動する。

 頭蓋骨の中で脳が強くゆさぶられ、片方に寄る。

 脳の機能が一時的に障害されて短時間、意識を失ったり、判断力が鈍ったり、記憶喪失を起こしたりする。

「脳振盪(しんとう)」と呼ばれる状態だ。

 たいていすぐに回復して、大したことにはならないのだが、とっさの防御反応が鈍くなった人は、頭をまともに打って、脳の中に血液がたまる「硬膜下血腫」ができることがある。

 硬膜下血腫

 転んで頭を打っても、コブなどはできない。

 頭の外側には何の変化も認められない。

 だが脳の表面が傷つき、出血して、脳の表面と脳を覆っている硬膜の間に血液がたまり、血腫ができることがある。

 硬膜下血腫という。

 出血量の多い「急性硬膜下血腫」の場合、数時間内に意識を失うなどの異常が生じる。

 しかし、チョロッと出血したぐらいでは症状はほとんど出ないと、脳神経外科の専門家、平川公義・東京医科歯科大学名誉教授。

「症状が出たとしても、手足の力がなんとなく弱いとか、歩くときにちょっとふらつくとか、せいぜいそんなものです」

 ──そして1日か2日で元に戻る。出血が吸収されてしまうからだ。

「しかし、2、3日たってもどうも頭が痛い、へんな感じがあるというようなら病院に行ってください。

 何もなければそのまま何もしないで、むしろ1カ月か1カ月半たってなんだかおかしいと感じたら、CTで検査してもらい、確定診断を受けたほうがよいでしょう」

 ──そのとき脳では「慢性硬膜下血腫」が発生している。

 脳の硬膜の内側に血の塊ができる「慢性硬膜下血腫」は、高齢者に多くみられる脳障害で、頭を打ってから1カ月、ときには2、3カ月たってから徐々に症状が現れてくる。

「頭重や頭痛も訴えますが、足がふらつき、体の片側に軽いまひが生じることもあります。

 なんとなく周囲の状況がよくわからない感じで、ボーッとして反応が悪くなります。

 高齢者の慢性硬膜下血腫はよく見逃されたり、誤診されて老年性痴呆と間違われることがあります。
 ぼけてしまったということでほうっておかれると、治る認知症を見逃すことになります」

「また、例えば、正常圧水頭症といって、脳の中の脳脊髄液の循環が悪くなって、脳に水がたまってくる病気でも、ふらついたり、言葉がもつれたり、意識が悪くなったり、失禁したりします。

 お年寄りの頭の具合がだんだんおかしくなってきたら、頭の中で何が起こっているか、詳しく調べて、原因を突き止めなければいけません」

 以上、平川公義・東京医科歯科大名誉教授のアドバイス。
 
 急告! 愛酒家諸兄

 飲酒後に転倒や交通事故で頭部外傷を負うと、直後の検査では異常がないのに、半日~2日後に急死するケースがある。

 頭がむくんだり腫れたりする「脳浮腫」の悪化が原因とみられていた。

 松本博志・札幌医科大学教授(法医学)の研究チームは、「飲酒ラット」と「しらふラット」による実験で、そのことを確かめた。

「飲酒」したうえで頭を損傷したラットは、6時間後までは異常はなかったが、24時間後に脳浮腫が生じ、脳浮腫の原因の一つとされるたんぱく質「アクアポリン4」が大幅に増加し、約半数のラットが死んだという。

 愛酒家諸兄、花見酒の季節だ。

 おたがい、気をつけようぜ。

 飲んだら、転ぶな!

タグ:脳振盪
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高齢者の肺炎 [健康短信]

オスラー名言抄 肺炎は老人に安らかな死をもたらすフレンド(友)である

ロックンローラー内田裕也さん(本名・内田雄也)が17日、肺炎のため東京都内の入院先で死去した。

79歳だった。

日本人の三大死因、がん、心臓病、脳卒中の次に多いのが、肺炎で、肺炎で亡くなる人の95%は高齢者だ。

で、「肺炎は老人の友」といわれる。

言った人は、近代の最も高名な内科医、ウィリアム・オスラーだ。

彼は自著『内科学』第1版(19世紀末に刊行)に、

「肺炎は老人のエネミー(敵)である」と書いたが、7年後の第2版では、「肺炎は老人に安らかな死をもたらすフレンド(友)である」と改めた。

そしてオスカー自身、1919年の冬、肺炎で逝った。70歳だった。

聖路加国際病院の日野原重明先生が、

「私の医師として、教師として生きる道を示してくれた、心の師」と仰ぐオスラーには、動脈硬化についての「人は血管とともに老いる」をはじめ多くの名言がある。

「たいていの人は、剣によるよりも、飲み過ぎ、食い過ぎによって殺される」

「医学は、患者と共に始まり、患者と共にあり、患者と共に終わる」

「人生は習慣である。子供が歩くのも、ピアニストの指が魔法のように動くのも、すべて練習のたまものだ。長期にわたる鍛錬の積み重ねが偉大なものを作る」

「仕事は、若者には希望を、中年には自信を、老いた者には安らぎをもたらす」

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昼寝のすすめ [健康短信]

 お昼寝革命=福本容子

 世界一の富豪、といえばマイクロソフト創業者のビル・ゲイツさん……というのは昨年までの話。

 ついにトップ交代で、アマゾンの最高経営責任者、ジェフ・ベゾスさんが今年のナンバーワンになった。

 アメリカの経済誌フォーブスによる。

 どれだけお金持ちかといえば、保有資産が約11兆9000億円って。

 日本の防衛予算と公共事業予算を足した額とほぼ同じになる。

 要は、わからないくらい、いっぱい。

 で、成功の秘訣(ひけつ)は? 

 ベゾスさんが大事にしているのは睡眠だそうだ。

 毎日8時間、しっかり眠りエネルギーを補充。

 でないとシャープなアイデアは出てこないという。

 インターネット上でニュースやコラムを発信するアメリカのハフポスト。

 設立者のアリアナ・ハフィントンさんは、さらに踏み込む。

 睡眠革命という意味の「スリープ・レボリューション」という本まで書いている。

 社員はお昼寝タイムを、と社内に昼寝部屋も用意した。

 まずは自分が手本を示す。15~20分の職場睡眠で、仕事がはかどる。

 睡眠と労働生産性。

 最近よく話題になる関係だ。

 シンクタンクのランド研究所によると、働く人の睡眠不足がアメリカ経済に与える損失は、年間4110億ドル(約44兆円)に上る。

 国内総生産(GDP)の何と2・28%にあたる。

 えらいことだ。

 日本は国民の平均睡眠時間が7時間50分と先進国中、韓国の7時間49分に次いで短い。

 6時間未満という人が全人口の4割を占める。

 案の定、ランド研究所の報告書では、睡眠不足による経済損失がGDPの2・92%(14・7兆円)とアメリカ、イギリス、ドイツ、カナダのどこより大きい。

 だから働き方改革って?

 残業が目の敵みたいにされているけれど、残業代付きの残業を減らしたい、という下心見え見え。

 人手不足で現場が忙しくなるばかりという中、一人一人の仕事量は減らさず残業だけなくせば、タダ働きが増えるだけだろう。

 動機が、働く人にもっと元気で生き生きと仕事に打ち込んでほしい、という心ではないのだ。

 生産性向上は、働く人本位の経営から。

 手始めに、誰でも1日15分、遠慮なく昼寝ができる職場環境を作ってみよう。

 昼寝の分給料カット、なんてもちろん×

 毎日新聞2018年3月12日 東京夕刊

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EPAとDHA [健康短信]

青魚に豊富に含まれるオメガ3系脂肪酸=EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)=が、不安症状の軽減に効果的

アジ・イワシ・サンマ・サバなどの青魚に豊富に含まれるオメガ3系脂肪酸=EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)=が、不安症状の軽減に効果的なことが、国立がん研究センターと台湾の中國醫藥大學研究所の共同研究で明らかになりました。

 詳細は米国医師会雑誌に発表されました。

 またオメガ3系脂肪酸を少なくとも2,000mg摂取した場合、抗不安効果を認めることが示されました。

 効果量:本研究では独立した2群の差についての効果量を表すHedge gを算出しました。

 値の絶対値が大きいほど群間差が大きいことを示します。

 0.2は小さい、0.5は中くらい、0.8は大きい効果と解釈します。

 サンプルサイズの影響を受けず、純粋な効果の大きさを示します。

 95%信頼区間:測定の精度を表すもので、信頼区間が狭ければ狭いほど、測定の精度は高くなります。

 母集団からサンプルを取ってきて、その平均から95%信頼区間を求める、という作業を100回やったときに、95回はその区間の中に母平均が含まれるということを意味します。

 今後は、オメガ3系脂肪酸の摂取量を2,000mg以上に設定し、身体疾患や精神疾患等の臨床診断を抱える人を対象にした大規模な臨床試験を実施することにより、オメガ3系脂肪酸による抗不安効果の検証が期待されます。

 同時に海洋由来のエイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸、そして植物由来のアルファリノレン酸のいずれが、不安軽減に最も有効であるかを検討する研究が必要です。

 がんサバイバーにおいても、がん再発不安と血中オメガ3系脂肪酸の関連を観察研究で確認することが必要です。

 二者の間に関連が認められることが分かった場合、がんサバイバーにおける最大の満たされないニーズであるがん再発不安軽減を目的にしたオメガ3系脂肪酸による臨床試験を計画し、科学的根拠に基づく機能性食品開発につながることが期待されます。

 同時にオメガ3系脂肪酸の抗不安効果を探るメカニズム研究が進むことも期待されます。

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脳腸相関 [健康短信]

 腸内細菌の種類や数は人によって異なり、絶えず変化します

同じ人でも年齢や生活環境、食べ物などの影響で、絶えず変化します。

一般的に、約75%は日和見菌、そして有用菌が約20%を占めているなら、腸内環境は良好と言えるでしょう。

有害菌が増えると、生活習慣病をはじめとした病気のリスクが高まります。

また、実年齢より上に見られるなど、老化にも深い関わりがあるようです。

腸の状態は便でわかる!?

健康な人の便の約80%は水分です。

残りの20%には、栄養や水分を吸収したあとの食べ物のカス、はがれた腸粘膜、腸内細菌が含まれています。その腸内細菌の数は、便1gにつき1兆個と言われています。

便の様子を見れば、腸内環境の状態もわかります。
セルフチェックをしましょう。

色は?

健康的な便の色は黄土色。便は本来、胆汁の色素である黄色をしており、腸内に留まる時間が長いと次第に黒味を帯びてきます。

ただし、コーヒーなどの飲食物の影響で黒味を帯びる場合もあります。

便が真っ黒なら食道や胃に出血・炎症があるのかもしれません。

真っ赤や灰色などの場合も、病気のサインの可能性があるので、受診しましょう。

固さは?

水分量は80%程度、こねた後の粘土くらいの固さで、スルッと排便できるのがベスト。

大腸に長く留まると水分を失い、コロコロで固くなります。

よい便の条件としては、バナナ状で、ある程度の長さがあることも挙げられます。

においは?

健康な便には、ほとんどにおいがありません。

しかし、有害菌が増え、分解したタンパク質や脂肪が発酵すると、きついにおいが発生します。

また、便が大腸に長く留まるほど、においはきつくなります。

自分の便のにおいをチェックする場合は、排便後に一度トイレから出て、数秒後に再度入るとわかりやすいでしょう。

回数は?

1日1回、あるいは3日で2回を目指したいもの。

残便感があり、短時間に何度もトイレに行ったときは1回として数えます。

トイレに行く時間帯を決めておくと、リズムができて排便しやすくなります。

逆に便意をがまんすると、腸に留まる時間が長くなり、便の質が低下します。

腸の健康のカギは「食生活」

腸の健康を支える「腸内環境」は、生活習慣や年齢などの影響を強く受けます。

規則正しい生活や適度な休息といった健康の基本は、腸の健康維持にも欠かせません。

タグ:腸内細菌 便
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幸せ目指す抗加齢学 [健康短信]

「死ぬまで幸せ」を目指す抗加齢学
慶應義塾大学・伊藤裕教授 に聞く

 超高齢社会において「健康寿命の延伸」が社会的要請となる中、伊藤裕・慶應義塾大学腎臓内分泌代謝内科教授は、「幸福寿命」というコンセプトを打ち出した。

 延びた寿命をいかにより良く演出し、死ぬまで幸せでいられるか―という考えだ。

 そこに医療が介入する余地はあるのか。今年(2019年)の日本抗加齢医学会の会長も務める伊藤教授の考えを聞いた。

 超高齢社会で顕在化する加齢に関わるさまざまな問題には、学問横断的なアプローチが必須だという。

 延伸した寿命をいかに幸せに生きるか

――「幸福寿命」を提唱されています。どのような考え方でしょうか。

 超高齢社会を迎え、寿命に関する医学的な関心は、平均寿命の延伸から健康寿命の延伸へと変化してきました。

 それは、老化のプロセスをなるべく遅くして、健康でいられる期間を延ばそうという意図を基調としています。

 一方、私が提案する「幸福寿命」は、人の一生に流れる時間の質を大事にしたいという考え方です。

 過ごしている時間が幸せであるならば、たとえ50年の人生であってもその人にとっては満足であるかもしれません。

 もちろん幸せに暮らし、その結果として長生きできたらいいですが。

 今は、100歳まで生きることが当たり前の社会になっていますが、いかにその100年の時間をよく生きるか、演出できるかということを主体的に考えていきたいです。

――「幸福寿命」実現のためには、どのような方法があるのでしょうか。

 医療そのものの在り方としては、先制医療や未病へのアプローチなど、病気を発症する前の患者予備軍に対する介入が進むことを期待しています。

「上医治未病、中医治欲病、下医治已病(孫思邈『備急千金要方』)という言葉があります。

 下医は病気を発症した患者に普通の治療を行う。

 中医は、変調し病気が起こりかけている患者予備軍に医療でもって介入していく。

 そして、上医は病気が発症していないのに治すということです。

 中医から上医へと引き上げていこうというのが、現在、先制医療が目指している段階です。

 上医は、一般的に私たちが考える医療とはいえないかもしれません。

 しかし、その人の健康状態を心身ともによりポジティブな状態に導き、維持していくための支援を行うという意味で「ポジティブ医療」と私は呼んでいます。

 医師の介入する比重が比較的低い世界ですが、非常に広い意味での医療として提供していきたいと考えています。

 そして、「幸福寿命」の実現には、医療だけでは不十分です。

 人工知能(AI)、情報技術(ICT)やロボットなどの新しいテクノロジーを活用し、スマートシティに代表されるような生活環境を国家レベルで整備することで実現するのではないでしょうか。

 私たちの感性や考え方、リテラシーを変化させていくことも重要だと思います。

 超高齢社会に学問横断的なアプローチを

――そうした社会や意識の変革に医療が関わる余地はありますか。

 例えば、抗加齢医学の分野では、他の学問とのコラボレーションによる新たな医療の創出が期待されます。

 AIなら工学、腸内細菌であれば理工学部などとの連携ですね。

 あるいは、メディアや芸術家と協働するといった広がりは有望だと考えられます。

 日本抗加齢医学会は、食品企業や化粧品企業など、さまざまな業界から参加者が集まる学会ですが、今後はさらに裾野を広げ、多くの人が入ってくる学会にしたいと考えています。

 もともと、「抗加齢」という言葉には、「見た目のアンチエイジング」というニュアンスが強いですが、今後は、超高齢社会という視点から生活環境全体を見渡し、そこにいる人が幸せになれる仕組みやまちづくりを議論するような学会を目指せたらと思っているんです。

――確かに抗加齢医学というと、「見た目の美しさの追求」というイメージがあります。

 美しさとは幸せの根源だと思います。

 その人が幸せであるために、見た目が美しいことが重要である場合もあります。

 しかし、私が考える美しさとは、バランスの調和です。

 人間関係がうまくいっていることがバランスなのかもしれませんし、「なんか今日は調子がいいな」と感じる日には体調のバランスが整っている。

 ある物事が、全体に対して絶妙なバランスを持てたとき、そこに美しさを見いだせたら幸せだと感じるのではないでしょうか。

 哲学的な思想など、物事の捉え方や考え方にリテラシーを持ち、そこまで踏み込んで美しさの探究をしていくことは大切だと思います。

――その他に、抗加齢医学の分野から「幸福寿命」にアプローチする際に重要となる考え方はありますか。

 次世代をいかに育てるかということです。

 欧米では最近、「最初の1,000日が大事」だと言われています。

 つまり、受精後、胎児期、出生後1,000日の間に起こる劇的なエピゲノム変化が、その人の体質、性格に影響を及ぼすということです。

 体質や性格は、その人の老後の健康状態を決定する一因となるでしょう。

 ですから、未来の高齢者の健康を考慮するのであれば、出生前までさかのぼって介入する必要があるのです。

 抗加齢というと、50歳を過ぎて小じわが増えた人たちが対象というイメージがあります。

 それももちろん大事ですが、若い人たちを考慮することはもっと大切です。

 若い人たちの未来を操作することにもなりかねないから、慎重に行わなければいけませんが。

 超高齢社会以後の、未来の高齢者を考える。

 そういう目的も持った抗加齢医学であるべきだと考えています。
――抗加齢は医学にとどまらず、学問横断的アプローチが重要だと感じました。

 もともと面白い学問なんです。

 われわれも1年に1回行われる総会には特別な思いで臨んでいます。

 リフレッシュするんです、身体も心も。頭も、いつもとは違うことに触れて。参加者もきらびやかだし(笑)。

 一般的な学会では「その分野を深くやっていこう」と掘り下げていきますが、日本抗加齢医学会ではそれらを違う側面から検討するんです。

 専門分野の学会に参加すると、聴講した演題から自身のテーマに結び付けて考えていく必要性がありますが、日本抗加齢学会では、楽しみながら情報を頭にインプットする。

 そして、頭の中で無意識的に情報が統合されて新しいテーマが浮かび上がってくるといった感じです。

 そういうポテンシャルを上げてくれるという意味でも、参加する意義がある学会です。

有限な人生を楽しく生きよう

――最後に加齢に関する、先生の思いをお聞かせください。

「百寿」って、いい言葉ですよね。

 100歳は「寿」だと。では、寿とはなんでしょうか?いわゆる「ハッピーに生きたい」ということではないでしょうか。

 人間の寿命は115歳で尽きるといわれています。

 人間である以上、絶対に死にます。

 Googleが15億ドルの予算を投下して不老の研究をしていることはご存じの通りです。

 ハダカデバネズミから不老遺伝子を探そうとしていますが、私は不可能だと思いますし、そうした実験が成功して人間の寿命が延びたら、幸せを感じられなくなると考えるんです。

 死ぬという事実があるから、幸せがあって、美しさも感じられる。そうした感性を持って、有限な人生を楽しく生きようと。

 それが今、一番言いたいことです。

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「朝から牛丼」? [健康短信]

「朝から牛丼」は昼の血糖値急上昇を防ぐ?
米井嘉一 / 同志社大学教授


 健康な体を作るためには朝ご飯をきちんと食べることが大切です。

 しかし最近、朝食を取らない子供や大人が増えています。

 朝食を欠食すると子供が肥満になりやすいことが知られています。

 大人では脳卒中の頻度が増えます。朝食を取らないことでどのような悪い作用があるのか。

 過去と比べて日本人の食事パターンは大きく変化しています。

 子供も大人も夜型の生活パターンが増え、夜食や間食は増えていますが、朝食を抜くケースも増える傾向にあります。

 その原因を突き詰めると睡眠との関連が大きいことがわかります。

 夜更かしをすれば当然、睡眠不足になります。

 それは朝食の欠食に直結します。朝起きても、寝ぼけ状態が強ければ朝食を食べる気にはなれません。

 胃腸のぜん動運動が落ち込んでしまっているからです。

 同じカロリーでも、夜食は血糖値が上がりやすくなります。

 そのため睡眠中に高血糖になったり、その反動で低血糖になったりします。

 反動というのは、高血糖になった時にインスリンが過剰に分泌され、余分のインスリン作用によって低血糖が生じてしまう現象です。

 高血糖や低血糖のように、睡眠中に血糖値が不安定になると睡眠の質が下がります。

 また、寝る前にスマートフォンを触る人も要注意です。

 スマホの光は網膜を刺激して、睡眠を促すホルモンのメラトニン分泌を止める作用があります。

 そのため睡眠の質が低下します。

 心身のストレスが強い人も、朝食を食べない率が高いようです。

 ストレスが強いと寝つきが悪くなり、夜中に目が覚める頻度が高まります。

 朝起きても気分はすぐれず、元気よく朝食を食べる気分にはなれないでしょう。

朝食を食べないと何が起きるの?

 朝食を食べないと、昼食や夕食時の血糖値が上昇します。

 血糖値が140 mg/dL 以上になる急激な血糖上昇は「血糖値スパイク」と呼ばれ、さまざまなアルデヒドが同時多発的に生成される「アルデヒドスパーク」を引き起こします。

 これが血管内皮障害など、体のさまざまな部位の細胞障害、組織障害の直接的な原因になるのです。

 ではなぜ、朝食を食べないと昼食時の血糖値が上昇するのでしょうか。

 それは血糖を上昇させるホルモンが多く分泌されるからです。

 血糖値を調整するホルモンは、血糖値を下げるホルモンと上げるホルモンに大別されます。

 血糖値低下ホルモンはインスリンだけですが、血糖値上昇ホルモンはコルチゾル、アドレナリン、成長ホルモン、グルカゴンなど複数あります。

 低血糖は体にとって危険なので、低血糖を防ぐための機構が備わっているのです。低血糖防御機構の中でもっとも強力な血糖上昇作用があるのが、グルカゴンです。

  朝食「あり」と「なし」の時の血糖変動の違い

 朝食をしっかりと、よくかんでゆっくり食べると、食後の血糖上昇は緩やかで、血糖値スパイクは生じません。低血糖にもならないのでグルカゴンの出番はありません。

 ところが、朝食を抜くと食べない時間が長くなります。

 血糖値が下がるのでグルカゴンが分泌されて血糖値を上げようとします。

 その状態で昼食を取ると血糖値はさらに上がりやすくなります。

 当然、上昇した血糖値を下げるためにインスリンも多く分泌されます。

 朝食を抜くとインスリンもグルカゴンも多く分泌されます。

 両者ともに膵臓(すいぞう)で作られます。

 このような生活を続けると、膵臓がインスリンもグルカゴンも大量に作り続けなくてはならないため、膵臓が疲れてインスリンを作れなくなり、糖尿病の発症につながります。

朝食を食べられる体作りが大切
 

 これまで朝食を食べない習慣がついた人が突然、朝食を食べるとかえって調子が悪くなることがあります。おなかが張ったり、気持ち悪くなったり、胃がもたれたりします。そのような人は胃腸の働き(ぜん動運動)が衰えているので、まずは胃腸の働きを整え、朝食を受け入れる準備から始めましょう。

 朝食の欠食と睡眠には深い関係があります。

 朝食を食べたいと思ったら、前の日は夜更かしをせず、睡眠を十分にとることが大切です。

 時間の余裕がないと朝食も食べられないので、朝は早めに起きましょう。

 できれば散歩するくらいの余裕がほしいところです。

 これでばっちり、朝食受け入れ準備の完了です。
 前夜の飲酒が過ぎると、アルコール分解過程で生成されたアルデヒドの作用で睡眠の質が下がり、胃腸のぜん動運動も抑えられます。

 お酒の量を減らしてみましょう。

 タバコのニコチンも胃腸の動きを抑えます。

 ニコチンの禁断症状がもっとも強く表れる朝に一服すると食欲が抑えられ、朝ご飯を食べられなくなります。

 一服をやめ、散歩などをしておなかをすかせましょう。

 朝食に何を食べればよいか?

 私たちの実験で、朝に牛丼を食べると、おにぎりやサンドイッチに比べて昼食後の血糖値が上がりにくいという結果が得られました。

 朝はできるだけガッツリ食べた方がよいというのが結論です。

 結果を見て以降、私も時々「朝牛(あさぎゅう=朝に牛丼を食べること)」をしています。

 朝から牛丼が食べられるのは元気な証拠。健康に生まれ変わった自分を実感してください。
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肥満と膵臓がん [健康短信]

10代後半の肥満で膵臓がんリスク増

 10歳代の後半に肥満だった人は、成人後に膵臓(すいぞう)がんになりやすい可能性があることが、イスラエルで実施された新たな研究で示された。

 男女とも肥満の人は適正体重の場合に比べて膵臓がんリスクは約4倍であることが分かった。

 研究の詳細は「Cancer」オンライン版に掲載された。

 ラビン医療センターおよびテルアビブ大学(いずれもイスラエル)のZohar Levi氏は今回、1967~2002年に16~19歳で身体検査を受けたイスラエルのユダヤ人男性108万7,358人と女性70万7,212人を対象に、10歳代後半のBMIと成人後の膵臓がん罹患との関連を調べた。

 研究では全国がん登録を用いて、2012年までの膵臓がん罹患の有無を追跡した。

 中央値で23年の追跡期間中に551人が新たに膵臓がんに罹患していた。

 解析の結果、適正体重の人に比べて、肥満の男性では膵臓がんの罹患リスクは3.67倍であり、女性では4.07倍であることが分かった。

 また、男性は肥満ではなくともBMIが正常高値や過体重であれば膵臓がんリスクが上昇することも明らかになった。

 Levi氏らは、膵臓がん症例の約11%は10歳代後半の過体重や肥満に起因するのではとの見方を示している。

 専門家の一人で米膵臓がんアクションネットワークのAllison Rosenzweig氏は、

「これまでの研究でも肥満が膵臓がんリスクを増大させる可能性については報告されていた。

 しかし、この研究は、思春期から青年期にかけての肥満や過体重も膵臓がんリスクに影響することを示唆する重要な結果だ」と述べている。

 ただし、今回の研究は参加者を後ろ向きに追跡した観察研究であり、過体重や肥満が膵臓がんの原因であることを裏付けるものではない。

 Rosenzweig氏は、

「膵臓がんは比較的まれな疾患で、米国では年間、約5万5,000人が罹患(りかん)すると推定されている。

 そのため、肥満の人が膵臓がんになる確率は全体的には低く、喫緊の課題というわけではないと思われる」と述べている。

 ただし、米国では膵臓がんはがんによる死亡原因の第3位を占め、5年生存率は10%を下回るとされている点を重視すべきだとしている。

 Mayanei Hayeshua医療センター(イスラエル)のChanan Meydan氏はこの論文の付随論評で、青年期の体重増加は身体の炎症を引き起こし、細胞が傷害されてがんリスクが増大する可能性を指摘している。

 同氏は「肥満による炎症プロセスと悪性腫瘍の炎症プロセスの関連を明らかにすることはとても興味深い」と述べ、

「これらの炎症の背景にあるメカニズムを解明することが、肥満とがんの関連を理解するのに役立つだろう」と付け加えている。

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酒と食道がん [健康短信]

 酒をたくさん飲む人は食道がんになりやすいのですか。

 定期的に胃カメラを

 国立がん研究センター食道外科の大幸宏幸科長の解説。

 お酒を飲む人すべてががんになりやすいわけではありません。

 アルコールを代謝する二つの酵素をつくる遺伝子に異常がある人がお酒をたくさん飲んでいると、うまく代謝されずにアセトアルデヒドという発がん性のある物質が体の中に蓄積され、食道がんになりやすくなります。

 初めてお酒を飲んだときに顔が赤くなる人がそのタイプで、「フラッシャー」と呼ばれます。

 そのようなタイプの人が気をつけることは。

 アルコールを控え、定期的に検査を受けることです。

 食道がんも早期の発見、治療が大事で、食道の粘膜にとどまるがんであれば、しっかり治療できれば長期生存が期待できます。

 酒を控え、40歳以上になったら定期的に胃カメラ検査を受けた方がよいでしょう。 

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